ルーベルト辺境伯領へ
それから私は公爵の妻としての役割を努めていた。
その中にはお茶会や夜会などにも少しだけ参加するようになっていた。
そんな風に過ごして1ヶ月がたとうとしていた。
「ルーベルト辺境伯領へ視察にいくことになった。」
「まぁ。」
「もちろん、ソフィアも同行の許可もとってある。視察もかねて、結婚の報告へ行くという名目で。」
「名目ですね。」
「あぁ。ちなみに王太子殿下妃殿下も他の地に視察を行くことになっているがルーベルト辺境伯領にも立ち寄ることになっている。私の妻の親戚であるという話から私達が王太子殿下妃殿下をお迎えするために一足早く辺境伯領に行くことになっている。」
「かしこまりました。ルイス叔父様へはお手紙をだしておきます。」
「ありがとう。」
「いえ。こちらこそありがとうございました。そうだ。ルーカス様。こちらを。」
私はこの地の魔石を使い身につけられるようにと腕輪を作った。
守りの加護を与えた。
身につけてる人の身の安全を祈って。
「これは?」
「守りの加護を与えた腕輪です。イリスにもセシルにもコークスにも渡しました。こちらはルーカス様へ。そしてこちらは王太子殿下と妃殿下へお渡しください。波長が合わないようでしたら言っていただければ調整します。」
驚いた顔のルーカス様。
「これから先なにが起こるかわかりませんので。辺境伯領に向かうまでにはお祖父様達のものも作り終えるつもりです。あ、屋敷の方たちや親しい方たちのものは作り終えましたので渡してあります。」
ルーカス様は私の手を引くと抱きしめる。
「ソフィア。ありがとう。」
「私のせいで皆様に大変な目に合わせてしまうかもしれませんので。できることはしたいんです。」
「でも、無理はしないように。」
「大丈夫です。守りの魔石を腕輪にはめこんで守りの加護の魔力を少し与えれば魔石の力が強いのでその人を守ってくれる力を発揮してくれます。」
にっこり笑ってそう言う私に目を細めておでこにキスを落としてくれる。
ルーカス様…。
私はぎゅっと腕に力をこめる。
愛しい。
こんな気持ちになるなんて思わなかった。
ルーカス様の胸に顔を埋めている私の頬に触れて、顔を上に向かせると今度は唇にキスをしたんだ。
私達は色々な準備を終え、コークスに留守番を頼み、イリス、セシル、そして騎士達を伴って、ルーベルト辺境伯領へ向かったんだ。
馬車の中では私とルーカス様二人きり。
先に馬車に乗った私は当然向かい合わせかと思っていたら、ルーカス様は私の隣へと座る。
ちらっとルーカス様のほうを向くと書類を片手ににっこり私に向けて微笑んでくれた。
イケメンすぎてクラクラしてくる。。
「二人きりだね。嬉しいよ。」
そういうと私の手を握る。
あたたかな大きな手。
「ルーカス様は馬車の中でもお仕事ですか?」
書類にちらっと目を向けてそういうと
「あぁ。これは視察の段取りの書類なんだけど確認しておきたくて。」
「そうでしたか。」
それから暫くは邪魔をしたくなくて無言だったけど繋がれた手は書類をめくるたびに離されたけどまた握られる。
この視察無事に終わる気がしなかった。
精神を集中してあたりに変化がないかをずっと確認している。
私は殿下達の視察が始まる前に警護のかた達の増員をルーカス様にお願いした。
念には念をいれておいた。
殿下達のほうに危害が及ばないようにくるなら私達の方へ来てもらいたかった。
国王陛下、宰相閣下がどのような動きをしているかわからない。
もしかしたら王太子殿下やルーカス様には耳に入ってるかもしれない。
王太子殿下が私に辿り着いたのなら国王陛下だってたどり着くはず。
何もないわけない。
そう思ってた。
でも、私が危惧したような事は起こらず無事に辺境伯領へついたんだ。




