父である国王陛下〜〜王太子殿下side
ルミエルと私は政略結婚だ。
小さな頃から決められていた婚約者。
ただの澄ました令嬢だと思っていた彼女が勉強熱心で好奇心旺盛の令嬢だと気づいたのはいつだろうか?
そんな彼女を見ているうちに彼女の事を愛おしく思っていった。
彼女はいつの頃からかリヌエーヌ国の事を調べていた。
一人で黙々と調べていたらしい。
なにかのきっかけで自分の祖父の兄に当たる人がリヌエーヌ国の神官だったと聞いたことがきっかけだったと話してくれた。
リヌエーヌ国…。
神々に愛されし、薔薇の巫女がいる国。
ルミエルは魔力の高い令嬢だった。
教会にも目をつけられたが私の婚約者と言う事で教会は手出しできなかった。
私の父である国王陛下と今の宰相そして教会は密かに何かをしようとしている。
それが何なのかはわからない。
ただ、リヌエーヌ国と薔薇の巫女の関係なのは確かだ。
国王陛下は父ではあるが野心のある人だ。
薔薇の巫女を使い、この世界を統治しようとしているのかもしれない。
自分が一番偉いと勘違いしている方だ。
昔はこんな事はなかったんだが。
教会や宰相と懇意の仲になり、何かが狂いはじめた。
ここに薔薇の巫女がいる。
私が一番信頼している部下であり、友人の妻として。
私の長年の夢であった魔剣もルーカスの為に作り上げ、そして倒れたと聞いた。
今は目の前で元気そうだが、早々お願いもできないだろう。
そして、薔薇の巫女の周りにかつてのリヌエーヌ国の薔薇の巫女を支え仕えていた神官、魔道士、守り人が集まっている。
しかも神官は私の婚約者であるルミエルだ。
やはり血筋なのかもしれない。
ルミエルは薔薇の巫女を神様のように崇めている。
もちろん私もだ。
父とこの国の国王陛下と戦わなければならない日が近づいてる。
そう思った。
いや。
薔薇の巫女と会う前からそれは決まっていた。
私が目をそらしていただけだ。
時期がくれば自分が国王になると。
それまで何も起こらないでくれと、願って後回ししていただけだ。
「私は王太子妃となる身です。なんでもおっしゃってください。一緒に考えます。今までどおり。」
そう言って微笑んでくれるルミエル。
私はいつも彼女に救われる。
心の中で誓う。
エリオス・ティート・ユードラはルミエルを守ると。
そして、薔薇の巫女を守る。
ユードラ国王太子として、国王陛下と対峙しようとも国を正すと。
それが最善の道なのかまだわからないが。
迷ったらルミエルもいる。
ルーカスもいてくれる。
それに私の周りには信頼できる者たちがたくさんいる。
「殿下?」
ルミエルに呼ばれルミエルを見ると。
「なんだかスッキリしたお顔をしてらっしゃいます。」
「あぁ。私には心強い仲間がいるから。それに最高の婚約者もいるから。私もただ前を向く。」
「私も一緒に前を向いて歩いていきますわ。」
そう言って笑顔を返してくれるルミエル。
これ以上に心強いパートナーはいないと思った。
彼女が婚約者で良かった。
心の底から思ったんだ。




