ルーカスへ告白
私がリヌエーヌ国の薔薇の巫女だとしたら、ルーカス様に迷惑がかかる可能性は高い。
お話した上で離縁するなり陛下に報告してもらうなり、ルーカス様の迷惑かからないようにしてもらったほうがいいのかもしれない。
この領地の方々に迷惑をかけるわけにもいかない。
みんなたくさんの努力をしてこの地を発展させている。
今だってみんな頭を働かせて、この地の為に頑張ってくれている。
この陳情書の数はそれだけみんながこの公爵領を思ってくれているということ。
中には自分の利益の為のものもあるけどそれは領主がちゃんと話を聞いて指導すれば良い話だと思う。
執務をしながら考えていた。
きっと今も私の行動は見られているんだろう。
考え事してるのも見られているはず。
まぁいざとなったら、気づいたふりをして大騒ぎをして屋敷中確認すればいいだけのこと。
着替えも見られるとか…?
それは嫌かも。
さっきセシルに聞いておけばよかった。
集中して気配を感じ取る。
何か見られている感じを。
「なんか落ち着かないのよね〜。」
ぼそっとそういう私。
「どうかされましたか?奥様。」
「なんか視線を感じるというか…。」
そう言いながら窓に近づく。
「流石に2階の窓から覗く人なんていないわよね。でも、なんか気味悪い。着替えとか覗かれたら嫌。」
「奥様は昔から勘が鋭いですからね。もしかしたら公爵様に嫁いだ奥様を妬んで何か仕掛けられてるかもしれませんので一応確認しますね。」
「でも、なんとなくだからいいのよ。私の変な勘が働いただけだから。」
「いえ。奥様の不安を取り除くのも仕事です。」
イリスが話にのってくれてよかった。
そう言うとイリスは部屋の隅から隅まで探し始めた。
そして最終的には2個のカメラが出てきた。
「奥様の変な勘はあたりますね。」
そう言ってカメラを外すイリス。
「ルーカス様にご報告しなければね。」
そう言う会話をしつつカメラは2台とも外された。
とりあえず出ていったコークスを呼び出して屋敷の執事やメイド、護衛騎士達に屋敷中にカメラがないか探してもらった。
私の執務室と寝室。
そしてルーカス様の執務室と寝室。
そこだけしかカメラは見つからなかった。
しかも、今日私達が出てから取付けたんだと思う。
そうなるとこのお屋敷にいる人たちの中に犯人もしくは犯人の一味がいることになる。
コークスに今日の出入りした人間を確認してもらった。
ルーカス様や私の部屋に入れる人なんてほとんどいないはず。
バタバタと足音が聞こえて、バタンと扉が開くとそこには息を切らしたルーカス様。
「ルーカス様どうされましたか?」
私はびっくりしてそう聞くと
「どうしたもこうしたもソフィアの部屋からカメラが出てきたと話を聞いて急いで戻ってきたんだ。」
「私の部屋だけではなくルーカス様の部屋からも出てきたのです。」
「私の部屋からも。」
「一応外に声が漏れないように結界ははってありますし、この子の力で私に敵意を持つものはこの結界の中での話は忘れるようにしてあります。あ!!忘れてた!」
聖獣様!
買い物をした箱の中に入れていた。
「イリス、今日購入した物の帽子が入っている箱もってきて。」
私の言葉にイリスもハッとしたようだった。
「大丈夫です。聖獣様は必要があればでてくるし、必要ないと思えば出てこないので。」
セリスがそういうと
「この子は?それに聖獣?」
ルーカス様の顔に厳しい顔が一瞬見えた。
「私がご説明いたします。」
コークスがそう言ってことの成り行きを端的に説明してくれた。
「そうだったのか。」
コークスはセリスと出会った成り行きだけを話してリヌエーヌ国の事は話さなかった。
「ソフィアに仕えたいのならソフィアが許可を出せばそれで良い。私はソフィアの意思を尊重する。」
ルーカス様…。
ルーカス様は王太子殿下の側近。
私は今は名ばかりでもルーカス様の妻。
黙ってるわけにはいかないわ。
「ルーカス様お話が…。」
私の改まった様子にルーカス様はセシルの事を私付きのメイド見習いとしてイリスの部屋で暮らせるように計らってくれ、カメラを取付けた犯人を探すように指示して、みんなにこの部屋を出るように指示した。
その後夕食をとるから準備を言いつけて。
そして、イリスはお茶の用意だけして出ていった。
出ていく瞬間私に頷く。
私の意思を尊重しますと言ってくれているようだった。
これによって私の身柄がどうなるのかもわからない。
でも、迷惑かける前に言わなければ。
私は手をギュッと握ると顔を上げてルーカス様を見る。
ルーカス様もジーッと私を見つめていた。




