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傷物の夫人は旦那様に尽くしたい  作者: すのーきゃっと
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司祭様の話

「私はこの教会を任せられてますカイツと申します。公爵様にはいつも大変お世話になっております。」

そう言って頭を下げる司祭様。

司祭室には私とセシルとコークスがいる。

セシルは司祭室に入るとちょこんと司祭様の隣に座った。

「この子には不思議な力が備わっています。まだほんの小さな頃からこの子は何度も同じ夢を見ていたと言います。今奥様の肩に乗っている不思議な生き物もここに現れることそして、そのすぐ後にこの子が仕えるべき方、ずっと待っていた方が現れるのをわかっておりました。すぐには信じてもらえないと思いますがこの子の力は本物です。その力を持ってる事によりこの子はここでの暮らしはあまり良いものとは言えなかったと思います。」

セシルは首を振り

「司祭様はいつも私の事を大事にしてくださいました。私の話を最後まで信じてくださいました。私は両親を知りません。もし父が生きていたなら司祭様のような方だったら良いなと思っておりました。」

セシルは司祭様を見つめてそう言うと司祭様は涙を浮かべ

「優しい子だね。セシルは。」

そう言って頭を撫でるとセシルは嬉しそうに司祭様の顔を見る。

司祭様に頭を撫でられて嬉しそうにする姿を見て子供らしい一面がある事にホッとした。


「この子をここに連れてきた方がこちらを。この子が仕えるべき方がここに来たときこれを渡してほしいと。」

そう言うと司祭様は小さな木の箱を私に渡してきた。

これって…。

手に触れた瞬間、ふわっと体中が温かくなった。

何かに包まれているそんな感じ。

そんな私の手をそっと握るセシル。

その瞬間、ビリっと電流が体中を走ったような激しい痛みが一瞬かけめぐった。

でも、一瞬の事で身体はふわふわと軽くなった。

そして何かが溢れてでくる感じ。

「ソフィア様、こちらは何をしても開かなかった箱です。きっとソフィア様しか開けられない箱なんだと思います。私はこっそり司祭様の部屋に入って何度も開けようとしました。両親の手がかりが入ってるのではと…。でも開けられませんでした。」

セシルが頭を下げて

「申し訳ありませんでした。」

そう言う。

さっき、司祭様に撫でられてて嬉しそうだったセシルの顔は引っ込んでしまって、まだ10歳前後の少女とは思えない大人びた物言いに少し申し訳なく思ってしまう。

「私がソフィア様の中に私の魔力を送ってみました。そうすることによりソフィア様が魔力を精製する為の幅が増えると思います。私の魔力は炎と雷を主とした物です。水風も使用できますが炎や雷よりはやや威力は落ちます。」

「お城には?」

「これは私とセシルの秘密でした。セシルを連れてきた方にそう言われました。貴方様が現れるまでは他言無用と。」

司祭様がそう言う。


この国は貴族以外で魔力のある者はみんな王宮で魔力をはかり、その検査によっては王宮魔道士や王宮で魔法を研究する王位研究所の1員になることもできる。

それに平民の女性が魔力が強ければ貴族と結婚できる可能性もある。

そんな私も伯爵家では魔力はあまりないことになっていた。

お母様との秘密だった。

一度お父様に王位研究所に連れて行かれた事があったけどそこで私は周りの結界の強さに倒れてしまった。

その事で王位研究所の人達は魔力がない者がここを訪れるとよく倒れるということでそのままに家に帰された。

その時お父様が

「やはり魔力などあるわけないか。」

そう呟いていた。

その時の私はお母様との約束を守れて良かったと心底思ったのを覚えている。


「この子の力は貴方様の為にあると。」

「私のために?」

「司祭様は何か知ってらっしゃるのですか?」

そう言う私を見つめる司祭様の目は柔らかく慈悲深かかった。

「私はセシルの味方です。そして神のお導きに従うまでです。ここは王宮でも手は出せない神聖な場。何かあればいつでもお立ち寄りください。ソフィア様。」

そう言うと司祭様は

「もうそろそろお客様が来るようです。皆様はセシルと聖獣様を連れてお帰りください。奥様のお屋敷までは行けないでしょう。」

優しい微笑みだけど有無を言わせない司祭様の雰囲気。

早くここを出ろっと言っているようだった。


「ありがとうございました。」

「セシルの荷物はすでに騎士様達にお願いしてあります。セシル、また会える。それまで元気で。」

「司祭様。今までありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしております。」

そう言ってセシルは司祭様にギュッと抱きつく。

司祭様はセシルの頭を撫でる。

私はその瞬間祈った。

「この地をお守りください。」

そう祈った瞬間光ったと思うとふわっとあたたかな光が司祭様へ。

「聖女様。貴重な加護をありがとうございます。」

私に深々と頭を下げる。

「やめてください。聖女じゃないです。」

「いえ。こんな強い結界を張れるのは聖女様だけです。これで生き延びれます。」

「司祭様…。」

「生きてまたセシルに会えます。」

涙を浮かべる司祭様。

「さぁ行ってください。貴方様は何よりも尊いお方です。セシル頼んだよ。」

司祭様の言葉にセシルは力強く頷く。

私達は追い出されるように教会を出ていった。

そして遠回りをして、お屋敷へと戻っていったんだ。

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