お母様の言葉
目の前にはベッドに横になっているお母様。
私はお母様の為にお守りを作っている。
お母様の病気が良くなるように。
祈りながら。
お屋敷の近くの海のそばにある洞穴で見つけた綺麗な石。
ふわっと温かいその石をお母様に渡すと
「これでソフィアにお守りを作ってあげるわね。」
「これはお母様のお守りにして。」
「そう。じゃ、一緒に作ろうか。私ははソフィアにソフィアは私に作ってくれる?」
「うん!一緒に作る!でも、お母様、お身体は大丈夫?」
「大丈夫よ。ソフィアが元気になれるお守りを持ってきてくれたから。」
「良かった。」
お母様の真似をして一生懸命作っていた。
「ソフィア。聞いて。あなたには特別な力があるの。それはみんなとは違う力。あなたの背中にある紋様はあなたが特別な力がある証よ。でもね、その力はあなたが心の底から助けたい。もしくはその人の為に使いたいと思うときに使うのよ。」
「?」
「こんな事言われてもわからないわよね。でもね、いつか思い出すときがくるから。あなたの背中にある紋様は傷物令嬢の証ではなく聖なる証よ。あなたを心から愛してくれる人そしてあなたが心から愛する人が現れるわ。その時きっと…。」
「きっと…?」
お母様はにっこりと笑う。
「これはソフィアのお守りよ。お守り袋に加護を与えておいたわ。あなたが思い出したときこのお守り袋はあなたの大切な宝箱の奥にあることを思い出す。この石は強い守りの力を持ってる。これはあなたを選んであなたの元にきたの。だからあなたのために使いなさい。使い方はあなたにならわかるわ。」
そう言うとお母様は笑顔をのこして消えそうになっている。
「お母様!お母様!!」
泣きながら叫んでも笑顔のお母様はそのまま消えてしまった。
ん…?
ここは…?
あれ?
「奥様、目が覚めましたか?」
心配そうな顔のイリス。
「イリス…?あ…夢か…。私…」
「奥様は魔力を使いすぎて倒れられたのです。公爵様も心配されてました。」
「そうか…。魔剣は?」
「公爵様にお渡ししました。」
「そう。私の宝箱って持ってきたかしら?」
「はい。奥様の大切なものはすべて持ってきました。お持ちしましょうか?」
「ええ。お願い。」
「あと何かお飲み物やお食事ご用意しましょうか?」
「そうね。食べやすいものをお願いできるかしら?いつもより少なめに。」
「かしこまりました。」
そう言ってイリスは部屋を出ていった。
お母様の言葉…。
背中の痣は特別な力がある証の紋様…。
特別な力…。
そんな力私には。
あのときお母様も助けられなかったのに…。
胸が苦しくなって涙が出そうになるのを堪える。
お母様の苦しみを少し楽にしてあげるくらいしかできなかった。
いつも優しい笑顔のお母様。
私が背中をさすると楽になると言ってくれるから私はずっとさすっていたことがあった。
お母様の顔色が良くなって嬉しかったのに私は倒れてしまった。
そして私が目を覚めるとお母様は昏睡状態で私はお母様の背中をさすりたいとお願いしたけどさせてもらえなかった。
ただそばにいて泣いてるだけしか出来なかった。
何もできなかった。
お母様…。
なんで今…?
会いたいと思っても夢でも会えなかったのに…。
私は夢の中のお母様の言葉を思い出しながら胸がズキズキと痛みだしたんだ。




