公爵様の笑顔
「食事中だったか。申し訳ない。」
「いえ。何か急用なのですね。」
「あぁ。まぁそんなところだ。」
「今終わりましたので、執務室でよろしいでしょうか?」
「あぁ。紅茶を用意してくれ。」
控えていたメイドにそう言うと
「では、行こうか。」
と私に手を差し伸べてくれる。
優雅で自然な振る舞いに自然と私もその手を掴んで立ち上がった。
月に2回、本宅に戻ってくるという契約だからそのうちに1回になるのかしら?
急用みたいだし、違うのかしら?
そんな事を考えてるうちに執務室につき、紅茶が運ばれてきた。
メイドがいなくなると執務室にはコークスとイリスだけ。
「お忙しいとは思いますので本題を。」
「君はあの書類をどのくらいで処理したんだ。」
あの書類…。
昨日の山積みの書類か…。
「その答えを言う前にひとつだけよろしいでしょうか?」
「あぁ。」
「あんなに書類を山積みにするまでほっときますと領地の者達が困ります。お忙しいとは思いますがこちらのほうにも目を向けていただけると大変ありがたいです。先代の公爵様の恩でもっているようなものです。」
「すまない。」
「いえ。私がいるうちは私の方で目を通して、お忙しい公爵様の負担を減らすようにします。ただ、公爵様が放置していたせいで支障が出てるところもあります。なので早急にそこをテコ入れしたいと思いますが多少お金もかかりますがすぐに取り返せると思います。あとで計画書作成して公爵様へお渡ししますのでご確認ください。」
「わかった。それで何が欲しいんだ。」
「生物を保存する大きな冷凍庫や冷凍庫のようなものです。室温管理できるものが好ましいです。あとは保存用の瓶です。」
「大きな冷凍庫や冷蔵庫か…。」
「普通の冷蔵庫は冷凍庫はあるのだからそれを大きな冷凍室や冷凍庫はできると思います。物によっては冷凍庫と冷蔵庫。それぞに分類して保管して出荷する。」
「それをすることによって作物の品質を保つということか。」
「はい。」
「保存用の瓶は?」
「捨てる作物を何か出来ないかと…。それはこれから色々実験…あ…試行錯誤してみようかと。」
「試行錯誤…。」
「捨てる予定だった作物はもらってきましたので。あ、そうだ。公爵様に来ていただいたので…。念の為…。」
私はそう言うと防音魔法をかけた。
私達4人意外に声が聞こえないように。
「何をしたんだ?」
「念の為私達しか聞こえないように防音魔法を。」
「防音魔法?」
「えぇ。それでコークスの管理している山は宝の山です。」
「宝の山…。」
「滅多には立ち入れないと思いますけど…。魔力の鉱石の山です。武器を作り、防御魔法がかかっている盾も作れます。武器には火の魔力を宿す武器を作ることも可能です。」
「ただあの鉱石を操れる魔道士がいないんだ。」
「知ってらっしゃったんですね。」
「あぁ。私が王宮に入り浸ってるのもその関係なんだ。極秘任務でもあるが…。昨日嫁いできたばかりの君がまさかその魔力に気づくとは思わなかった。」
「みんな気づくと思いますが…。あんなに強い魔力を放っているし。」
「君は魔道士なのか?」
「いえ。どちらかといえば研究者です。しかも変わり者の。」
「変わり者か。」
「はい。」
私がニッコリ笑ってそう言うと可笑しそうに笑った。
その笑顔の破壊力は凄まじかった。
無表情のイケメン公爵様が笑うと破壊力が凄まじいわ。
みんなイチコロね。
きっとお付き合いしてる方にはいつもこんな風に笑ってるのかしら。
素敵な笑顔だわ。
なぜかチクリと胸が傷んだ気がした。




