一日目 ―――導入―――
やる気と執筆スピードが反比例していく作者の図
ちくしょうッ…!どうして…、どうしてやる気が出ないんだッ!!!
※シナリオは次から次に出てくる
それでは本編、どうぞ!
―――コロシアイ人狼ゲーム。
それは、俺達にいきなり投げかけられた『ゲーム』であり、俺達がクリアしなければならない『課題』。
それはあまりにも突然で、現実味のないまま始まってしまった。
俺達があまりの出来事に呆然としていると、一人の女性が口を開く。
???
「あ、あの! 先程きららさんが言っていたことが本当なら、皆さんは全員カードを持っているはずです。これから一緒に過ごす仲間なんですから、自己紹介と一緒に、カードの公開をしてみませんか?」
……なるほど。確かに女性の言うことは理にかなっている。
もしも、この中に重要な役割―――『霊媒師』や『狩人』、それこそ『人狼』だったり―――のカードを持っている人が居たら、その情報を持っているだけでも、人間側も人狼側も、ひとしく情報面でのアドバンテージを持つことができる。
だが、人狼がカードを公開することはあり得ないだろう。第一、いくら人狼役が連続殺人犯だったとしても、やすやすとカードを公開してしまったら、一瞬でゲームが終了してしまうではないか。
それはとてもつまらないし、木宮だって望んでいる結末ではないだろう。
俺がそんなことを考えていると、先程『カード公開をしよう』と言っていた女性の隣にいる、優しい雰囲気を持つ男性が話し始める。
???
「……少し、良いかな? 僕の名前は『川守田正紀』。神社の神主をしている。……それでカードの話だが、公開する、というのは無しにしないか?」
すると、先程声を上げた女性が、男性―――川守田さん、というらしい―――の言葉に反応する。
???
「……何故、でしょうか?」
カワモリタ
「いや、先程木宮さんが言っていたように、これは『ゲーム』なんだ。だから、先にカードの中身を公開してしまったらつまらないだろう? 僕が見た所、僕たちの部屋にはカードの替えっぽい物は無さそうだった。だから、そんなことを言ってしまったら困る人が居るわけだろう? 例えば、占い師とかね。それに……」
―――人狼とかね。
彼ははっきりとは言わなかったが、言葉の裏に、そんな意味を隠しているかのように聞こえた。
そして、彼の言葉を皮切りに、他の参加者も、次々と辞退し始め、それぞれの部屋に戻っていく。
そうして残ったのは、俺と四宮、そして先程の女性を含めた、七人の男女だけだった。
まず、先程の女性が口を開く。
???
「私の考えに賛同していただき、ありがとうございます。私の名前は『籃谷千紗都』。特にこれといった職業でもない、……普通の専業主婦です。えっと……カードの絵柄はこれになりますね」
おっとりとした、とても若々しい女性―――籃谷さん―――がそう言う。
彼女は専業主婦だと言っているが、とてもそうとは思えない。もし彼女が女子高の制服を着て、自身を高校一年生だと名乗っていたのならば、恐らく俺は、あっさりと騙されていたのかもしれない。それくらい彼女は若々しく見えるのだ。
そして、彼女の示したカードの絵柄は―――村人だった。
それに続いて、今度は本物の女子高生(……だと思いたいが)が、歩み出てくる。
???
「じゃ次はウチねー。ウチの名前は『則岡くるる』。チョーイケイケのギャルだから、よろしくねー! ……はいこれ、カード」
金色の髪をツインテールにして、ギャル特有の盛りまくったメイク、魔改造された学校の制服を身にまとった女性がそう言う。……ここまで露骨だと、逆になんか田舎者っぽいぞ……。
そういう彼女の手(ネイルやらなんやらで見辛い)には、しっかりと村人の役職であることを示すカードが握られていた。
そして次に、周りの視線を受け、俺が前へと進む。
フジウチ
「どうも、俺の名前は『藤内弘貴』と言います。大学生になります。えっと……あ、これ、カードです」
……しまった。
考えていたことの三分の一も言えなかった。まぁよくあることだろう、そう思いながら、俺は自身のカードを、絵柄が相手によく見えるようにして突き出した。
そして次に、俺の隣へと移動していた四宮が、カードを手に自己紹介をする。
シミヤ
「なら次は僕が。僕の名前は『四宮雅樹』です。僕も大学生で、さっき自己紹介した、そこの人……藤内さんと同じ学部になりますね。それと、カードはこちらになります」
しれっと俺を巻き込みながら、四宮が自己紹介をする。
少し色白な彼の手には、しっかりと村人のカードが握られていた。
……良かった。彼が狂人とかのカードを持っていなくて本当に良かった。
俺は四宮のカードの引きの強さに感謝しながら、次の人の自己紹介を待つ。
すると次に、茶色い髪の、パンチパーマがかかった女性が話し始める。
???
「なんや声が小さいなぁ。ウチの同期でももうちょい声出るで! ほら、しっかり挨拶しぃ! はいこんにちはぁ!」
ゼンイン
「「「こ、こんにちは……」」」
???
「んー……声がまだちっさいけど、許したるわ!」
……何だこの人。
急に言われたため、俺も思わず挨拶を返してしまった。
誰がどう聞いても関西弁だと分かる言語を話す目の前の彼女は、まるで先程『コロシアイ人狼ゲーム』の事を伝えられていなかったかのような快活さで話し始める。
???
「んで、ウチが何者かっちゅう話やな。……ウチの名前は『古郷ナツミ』。今は『砲丸社』言う雑誌売っとるとこで働いとるんや。ヨロシクな!」
そこまで話すと、彼女―――古郷さん―――は、今この場にいる全員分の名刺を、一人一人に渡し始める。
全員分を渡し終えた古郷さんは、先程まで自身がいた場所に戻り、話を続ける。
フルゴウ
「いやー、えらい昔の事やった……あれはウチが中学出た直後やから15の時くらいか、そん時たまたまその砲丸社のコラムを一般向けに応募しとってな、たまたまウチが出した『織田信長と明智光秀の禁断の関係!? 本能寺の変の裏で起こった愛憎劇を狙う!!!』みたいな中身のコラムがたまたま受けて金賞とってな、いやーすごいことやったわアレは。もうひっきりなしに次から次へと電話がかかって来てな、もうウチの両親も『電話線引きちぎったろか!?』なんてもーカンカンに怒るくらいヤバかったわアレは。んでな、その受かったあとなんやけどな……」
…………………………ハッ!
いきなり話が飛躍しすぎて、少し意識が飛んで言ってしまったみたいだ……
周りの人の様子を見てみたが、誰も似たような感じだった……ただ一人、当事者である古郷ナツミを除いて……。
古郷さんの話を受けて、再起動出来ているのは俺だけみたいだ。
もしここで俺が止めたりしなければ、彼女の(今は入社して3年目に入った所まで話している)笑いあり涙ありの話が、何時までも続いてしまうことになる。
そんなことをさせない為にも、俺は意を決して口を開く。
フジウチ
「あのー……古郷さん……?」
フルゴウ
「それでウチと先輩は三億円事件を独自に追ってたんやけどな、後一歩ってところで時効を迎えてな、先輩と『惜しかったなー』なんて話してた所や!!! 何とウチらが三億円事件の犯人て睨んどった奴が拳銃持って出てきたんや!!! もーウチと先輩はビックリしてもうてな、声も出なかってん。でな、そこでまぁ犯人は拳銃をバーンて撃ってくるわけやん? でもウチらはそれに冷静に対応してな、ヒュって避けるやん? ほんだら……」
……聞いていないみたいだ。
というか話めちゃくちゃ気になるぞ。良いのか、週刊誌の記者なんかよりもよっぽど向いてる仕事あるんじゃないのか、あの人。
が、話が進まなそうなので、ここは心を鬼にして、大声で話しかける。
……後で個別で聞かせてもらおうかな、あの話……。
フジウチ
「あのー!? 古郷さーん!? 自己紹介はー!?」
フルゴウ
「うるさいわ!!! そんな大声出さんでも聞こえとるわっ!!! ……って、そう言えば自己紹介しとるんやったな、ウチら」
フジウチ
「はい、後はカードの絵柄を見せていただければ……」
フルゴウ
「ん、そやったそやった。ほら、これがウチのカードや! その目ん玉ひん剥いてよぉーく見ときや!」
そう言って、彼女はパン屋の絵柄の描かれたカードを見せつける。
そして、次の人は誰だ、なんて言うかのように周りを見渡し始めた。
そうすると、頭を布で覆い、ボディラインのくっきりと出るような、独特な衣装を着た女性と、今時珍しい着物を着た小学生くらいの女の子の、親子……だろうか、が前に出てきた。
最初に、親と思しき女性の方が話し始める。
???
「どうも皆さん、私の名前は『中願寺彩葉』と申します。こちらは娘の『中願寺緋紗子』でございます。……ほら緋紗子、挨拶を……」
そう言われ、娘の方―――緋紗子ちゃん―――が前に出て来る。
???
「どうもー、わたくしの名前は『中願寺緋紗子』でしてー。そちらの『中願寺彩葉』の娘にございまするー。よろしくお願いいたしますのでー」
お、おう……何と、言うか……とても、個性的な挨拶なんだな……最近の子は……
いや、そうでもなかったみたいだ。なんか軽くだけど怒られてるぞ、母親の方に。
そして母親―――彩葉さん―――が続きを話し出す。
イロハ
「緋紗子……ゴホン、わ、私は寺にて尼僧をしております。娘の緋紗子はその見習いのようなものでして……そうです、こちらがカードになります」
そう言うと、彼女達はそれぞれのカードを前に出す。
彩葉さんの方は、カードに村人の絵柄が、緋紗子ちゃんの方は霊能者の絵柄の描かれたカードを手に持っている。
フルゴウ
「はー……。アンタ……緋紗子、やったっけ? 意外やな……霊能者やったんか……」
古郷さんが、目を大きく開いて、驚く様子を見せている。
それは皆も同じだったようで、しきりに頷いている人が何人かいる。
……でもそんなに驚く事だろうか? 人狼ゲームってそういうもんじゃなかったのか……?
だが、話題は皆の役職の事から、他の話題に移って言った。
フルゴウ
「……ま、ええわ。そういやウチら、どこに連れてこられたんやろうか……」
クルル
「マジそれなー……ケータイも電波入んないし、マジ最悪……インスタ見れねーじゃん……」
カゴタニ
「でも、きららさんの話から、ここが船の上だって言うことは分かっています、よね?」
フルゴウ
「せやな。んー……」
何かを考え込む古郷さん。
……一体何を考えているんだ?
すると、考え込んでいた為に下に下がった彼女の頭が、急に上へと飛び上がってきた。
フルゴウ
「せや! みんなで探検しぃひん!? 探検!」
シミヤ
「探検……ですか?」
フルゴウ
「そ! 探検や! ウチらはアイツの……木宮きららの船……ユスなんたら号に閉じ込められたんやろ? んでここの事なんも知らんやろ? なら探検や!」
クルル
「確かに……でもさー、探検するんだったら1人じゃヤバくない? 何かあったら危ないじゃん」
フルゴウ
「うっ……ならテキトーに分かれりゃええやろ……そんなん……」
探検、か……。確かに理にかなっている。
俺達は何も知らないのだから、知る為に行動しよう、という事か……。
でも組分けがネックになってしまっているな……。
誰かに案がないか聞いてみようか……?
フジウチ
「なぁ、四宮。何か案無い? 案。このままだと単独行動する事になっちまうぞ、俺達」
シミヤ
「そうですね……。ではここは任せてください」
フジウチ
「そうか、なら頼んだ」
そう言って、俺は四宮に後を任せる。
……何となくだが、こいつなら何とかなるような気がする。
四宮は話し合っている古郷さんと則岡さんの近くに行くと、大きな声でこう言った。
シミヤ
「そーれーなーらー! いーいーあーんーがーあーるーんーでーすーけーどー!」
クルル&フルゴウ
「「キャッ!? /ウオッ!?」」
フルゴウ
「なんやアンタ!? でっかい声出して……あー耳痛」
クルル
「嫌々だけどそこの関西弁の奴と共通点見つけちゃったわ……でもさ、どうする訳? 実際」
則岡さんがそう言うと、四宮は嬉しそうにその『案』とやらを語り始めた。
シミヤ
「はい、僕の提案する『良い方法』。それは……」
クルル&フルゴウ
「「そ、それは……?」」
緊張感が場を支配する。
静寂が場を満たし、誰かの唾を飲む音までもがはっきりと聞こえてくる。
シミヤ
「それは……そう、複数人で動けばいいということです!」
ゼンイン
「「「「「あっ……………………」」」」」
全員が黙り込む。
……俺たちはどうしてそんな簡単なことにも気が付けなかったんだ……
フルゴウ
「はぁ……なんやそないな事やったんかいな……緊張して損したわ……」
古郷さんのその言葉に、この場にいる全員―――勿論四宮を除く―――が、一斉に頷く。
シミヤ
「えぇ……中々にいい案だと思ったのですが……」
カゴタニ
「は、はい。少なくとも私はその事に考えが行くことが出来ませんでしたので、私的には良い案だと思いますよ?」
クルル
「まぁ……ウチも特に異論なしって感じかな。それでテキトーに分かれて動けば良いっしょ」
フルゴウ
「なら決まりやな。よし、それじゃあここにいる全員で、この船の中を探索してみよか! 取り敢えず、2人以上のグループで絶対に動く事! ええな!?」
その言葉に皆がそれぞれ肯定の意を示すと、古郷さんは満足した様にそれに頷き返し、「じゃあ解散! 2時間後位にまた集まろか!」という言葉で一時解散となり、それぞれが状況を把握する為に動き出すのであった―――。
よ う や く 終 わ っ た
この話を書き始めてから、書き終わるまでに1ヶ月近くかかったとかいう恐怖
この小説のシリアスシーンよりも恐怖してますねこれは…
という訳で、次回も楽しみにお待ちください!
以上、作者でしたー。