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タイムスリップ会社  作者: りな小説家の卵
2/8

2話 清洲城

ここは・・・お城?

「気がついたか。」

だ、誰?

「誰ですか?」

「わし?わしか。ははははははははっ。そうかそうかわしのことか。ははははははっ。」

何がおもしろいんだか、全然分からない。

「そうよそうよわしは尾張のうつけの信長じゃ。」

ああ、あの大うつけね。

「ここ、どこですか?」

「清須城だ。」

「そうですか。」

 お腹がなった。

「はははははははっ。そうかそうか腹が減ったか。待ってろ。サル、柿持って来い!」

「はいいっ。」

サル?ああ、豊臣秀吉のことね。今は木下藤吉郎だっけ?まあいいや。

「どうぞ。」

いかにもサルらしい顔の人が私に柿をくれた。

「ありがとう。」

ちゃんとお礼を言った。でも、藤吉郎君は柿から手を離さなかった。

「ど、どうしたの?」

藤吉郎君は私の顔を見ていた。

「び、び、び、美人だぁぁぁぁっ。」

「は?」

 ピシンッ!

「サル!この者は城外にて倒れていたのだぞ!無礼だとは思わぬか!」

「す、すみませぬー。」

「いいよいいよ大丈夫だよ。でもね、そのかわり、この紙に手形書いて。」

「かしこまりました。」

 藤吉郎君、いきなり右手に墨をべっとりつけて、紙にぺたっと押し付けた。

「これでさっきのことは水に流します。」

「へ、へえ。」

 柿を食べていると、陣笠をかぶった足軽らしい人が入ってきた。

「お館様、今川の軍勢により、鷲津砦と丸根砦が落とされました。」

「な、何と!?」

 ひげをいっぱい生やしたおじさんがつばをとばしながら言った。

「まあ、何とかなるさ。」

信長様がそう言うと、さっきのおじさんが、またまたつばをとばしながら言った。

「お館様、そういうたるんだ性格はいずれ自国を滅ぼしますぞ!さあ、今こそご出馬を!」

「えー、面倒くさい。」

「何をおっしゃいますか!?ああ、これだからお館様は。あの時、信行様が二度謀反を起こした気持ちも分からんでもない。」

信行様?ああ、信長様の弟さんね。信長様が信行様を殺害したっていう本を読んだ時、ありえないくらい目を見張ったのを覚えている。

「分かった。分かったから叱責するのはやめてくれ。」

「よろしい。」

「それでは、敦盛の舞。」

小姓が太鼓を叩き始めた。

ポン、ポン、ポン。

「人間五十年下天のうちをくらぶれば夢幻もごとくなり一度生を得て滅せぬ者のあるべきか。」

最後にかっこよくビシッとポーズを決めた信長様は叫んだ。

「いざ、出陣!」

その叫び声に家臣達も呼応した。

「おお!」

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