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最弱がザコだなんて誰が決めた?  作者: Ver
第二章:僕はタダの村人A、存在感はそれ未満。
7/10

第一話:力が欲しい

 次の街に着いた僕達は、相変わらず宿の受付の人に僕だけスルーされそうになった。まぁ何時もの事だけど。

 ライドさんとルドガーさんは商店でいつの間に回収したのかゴブリンが持っていた武器の類を換金しに行った。

 そして今僕は、メリアさんとサーティさんと一緒に街を散策している。存在感がやたらと薄い僕のことは、誰も避けてくれない。

 メリアさんとサーティさんの間に居るとその間を通り抜けようとする人が正面からぶつかってくるので、僕は彼女達を盾にするように後ろから付いて行く。


「そういえば」

「どうしたんですか?」


 ふと思いついた様にメリアさんが呟く。


「来る時は盗賊が出なかったわね」

「あれ、ここら辺って出没地域?」

「確かそうですね」


 それにサーティさんと僕が反応して、ふと思い返してみる。そういえば、盗賊らしい影も見当たらなかったし、潜んでいる気配も無かった。


「まぁ、出る時は用心しておきましょう」

「……分かったわ……無茶しないでよ」

「わ、分かってますから! ちゃんと反省してます!」


 とか言いつつも、もしあの状況がもう一度起こったとしたら。僕は迷いなく同じ判断をするだろう。

 サーティさんに限らずとも、仲間を守るのがパーティの役目だから。


「……そういえば、ちょっと良いですか?」

「なに?」

「さっき来るときに見つけたんですけど、寄りたい店が有るんですよ」

「……どんな店?」


 僕は軽く頭を掻いて、苦笑しながら答える。


「対人用の(トラップ)とか、魔道具とかを売ってる店です」


 今度は、もっと用意をしておきたい。きっと僕にだって出来ることはある筈なのだから。

 確かに僕は最弱だ。だが此処はゲームの世界である。HPが0になっても、本当の意味での「死」は訪れない。

 だけど、みんなは違う。本当の「死」があるのだ。出来るだけ、みんなの役に立ちたい。

 お節介でも良い。前みたいに悲しませたり、心配させないように、もっと力が欲しい。


 僕は、「最弱」なりに力を求めた。

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