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最弱がザコだなんて誰が決めた?  作者: Ver
第一章:ステータス最弱。実態も最弱。
6/10

第一章最終話:その後

 僕はゲーム時の仕様であった「マップ」を展開し、パーティメンバーを示す青い点に向かってゆっくりと歩く。体感時間にして数十分、草原の向こうに幾つかの影が見えた。

 持ち合わせの回復薬を使って回復はしたが、僕の見た目はボロボロだ。右腕は骨折、左脚は捻挫。その他にも外傷は無数のある。


「ああっ!!」


 そんな中、一つの影が走り寄ってきた。アレは……誰だろうか? 流石に疲れた、もう歩きたくない。


「ごめ……な……」


 最後に謝ることすら出来ずに、僕はその影に向かって倒れこんだ。





 次に意識を取り戻した時、既に日は沈み切っていた。僕は焚き木から少し離れた場所に寝かされていて、既に傷は跡形もなくなっていた。身体中に走っていた痛みも無い。


「起きた……の?」


 隣から声が聞こえた。サーティさんだ。

 彼女は僕の横で焚き木を見ながら座っており、火に照らされた顔は赤く染まっていた。


「うん……みんなは?」

「テントの中。今後のルートを確認してる」

「サーティさんは……」

「私は……そんな気分になれなくて、ね?」


 そう言ったサーティさんは、僕の頭を撫でた。確かに実年齢では年下だけど、かなり小っ恥ずかしい。


「そ、その……ごめんなさい。心配かけて」

「ううん、元はと言えば私の所為だから……ありがとう」

「どういたしまして」

「ふふ……そこで謙遜しないんだ」

「礼は受け取らないと失礼ですから」


 そう言うと、サーティさんは笑った。そして、膝を抱えて顔を埋める。

 僕はその姿を暫く見ていたが、聞こえてきた嗚咽に耐えられなくなって、目を逸らした。

 そうして暫くすると、テントからみんなが出てきた。そして僕とすすり泣くサーティさんに気付くと、ライドさんが僕に近づいてくる。


「話がある、来い」

「はい」


 僕はゆっくりと立ち上がり、ライドさんの後をついて行く。そして、一緒にテントの中に入った。

 そして、少し広めなテントの中で、僕とライドさんは向かい合う。


「……どうしましたか、ライドさん」

「どうしたもこうしたもあるか!!」


 突然の怒声に、僕は飛び上がらんばかりに驚いた。予想はしていたが、直に受けるとやはり驚いてしまう。


「誰が単独行動を許した!? 『偶然』上手くいったから良いが、あのままお前は死んでいたのかもしれないんだぞ!! 最初に言った言葉を忘れたのか!!」

「……」


 『お前の命は俺が預かる』。ライドさんは僕をパーティに入れる時、そう言った。それは今でもよく覚えている。

 反論はしない。それは当然の事だから。だが、込み上がってくる涙はどうにも抑えられそうになかった。


「良いか! これからもお前が勝手に命を賭けることは許さん!!」


 その言葉で、僕の涙腺が限界に達した。


「うっ……う……うあぁぁぁあライドさぁぁあああん!!」

「うぉあ!? どうした、オイ! しっかりしろ!!」


 僕は泣きじゃくってテーブルに身を乗り出し、ライドさんに抱きつく。困惑した声が聞こえたが、そんなことはどうでもいい。


「ライドざんがぞんなにぼぐをおぼっでぐべでるなんで思っでながっだんでずぅう!」

「気持ち悪い! 野郎が抱きつくんじゃねえぇえ!! あっ」

「うごぉ!?」


 僕はライドさんが放ったチョップによって、脳震盪を起こして気絶した。


「ちょ、サーティ! サーティ!!」


 ライドさんが焦りながらサーティさんを呼ぶ声を最後に、僕の意識は途切れた。

 結局その後、僕はもう一回怒られて、そして感謝された。サーティさんなんか泣きながら僕に抱き付いて来たので、僕の肋骨が折れた。ついでに倒れた時に骨盤も逝った。


 こんな体質だけどーーいや、こんな体質だから、僕の現在(いま)はとても楽しいです。

第一章はこれで終わり

第二章は近日(書き終わり次第)投稿予定

文量は余り無いので、多分すぐに完成する筈

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