バレンタインと殺戮兵器
チョコもらったよ!
叔母さんからね!
とある昼下がりの紅魔館にて。
「グヌヌ...ふええ!?」
ボールを抑えてたら滑って落としてしまったようだ。チョコレートが辺りに飛び散る。
「咲夜、私はあの子のためにと思って手伝ってあげないんだけど、間違ってるのかしら?」
「お嬢様、成長をするためには失敗は付き物ですよ。お嬢様の言う通り、妹様を見守ってあげましょう。」
「でもね...館の厨房の設備けっこう破壊されてるし、フランの体にホワイトチョコかかってて卑猥な感じになってるんだけど!見ててこっちがはずかしいんだけど!」
「だ、大丈夫です。この様子をこの前駿から借りたビデオカメラで録画しておりますので。ふふ、デュフフ。」
「今、メチャクチャ咲夜のこと嫌いになりそう。」
だめだこのメイド。
「...ちょっと見た目が気になるけど、大丈夫...だよね?」
形が少しおかしいけど、何とかクッキーができた。
明日はバレンタイン...
「えへへ、明日が楽しみだなぁ。」
明日は駿に会って、いっぱいお話とかして、遊んでもらいたいなぁ。もちろん、霊夢や魔理沙たちとも、みんなで楽しく過ごしたいなぁ。
「明日のために早く寝よっと♪」
翌日
「なぁ、霊夢...」
「何よ、どうかしたの?」
「お前、すごくモテモテなんだな。」
腕の中には大量のお菓子。それもチョコが多い。バレンタインだから当たり前だけど。
「いわゆる友チョコってやつよ。なんか永遠亭のウサギたちとかからもいつもご利用ありがとうってことでくれるし、人里でも子供たちからもらっちゃったし。」
すると、魔理沙とアリスがやってきた。
「噂をすればなんとやらってな!霊夢!ありがたく受け取ってくれ!」
「もう少し女の子らしく渡しなさいよ。これ、2人分あるから駿も食べてみてね。」
「俺の分までくれるとは...アリスありがとう!すごく嬉しい!」
「おいおい、私の分無いのかよ~。アリスのケチ。」
「ケチとは失礼ね。ちゃんと別にしてあるから心配しなくてもいいわよ。」
ヤバイ、少女同士でのガールズトークが始まって俺の居場所が無くなる予感。仕方ない、ここは一旦離れておくか。
「部屋の中はやっぱり落ち着くな。」
部屋で1人寂しく寝転がっていると、とつじょお腹のあたりに圧力がかかる。
「ぐほぁ!?なんか締め付けられてる!あかんあかんあかんてこれぇ!」
「あ、つい抱きついちゃったテヘッ♪」
可愛ければ許されるということはないんですがねぇ!
「フラン、頼むからいきなり抱きつくのやめてくれよ。腰のありとあらゆる骨が折れて動けなくなっちゃうから。」
「いいじゃんちょっと抱きつくくらい。」
ブーとほっぺを膨らませて言ってるけど、洒落にならんこと理解していただきたい。
「それで、今日はどんな用かな?というか、この時間帯に出かけて大丈夫なのか?」
「安心して!パチュリーに光を遮るための魔法かけてもらったから!」
さすが魔法使い、何でもありで助かる。
「そして、じゃーん!これを受け取って!」
手渡されたのはなんか不穏な何かに包まれてるクッキー。
言葉に出せないくらい...ヤバイ。
「え、えっとフランさん?これはどなたがお作りになられたのですか?」
「私が作ったの!ちょっと形が変だけど、うまく出来たんだ!」
うまく出来たというのは、殺戮兵器としてという意味でとるべきか、数多くの試作品の中でという意味なのかで迷ってる。
「食べてみて!」
俺に死ねと?
「さ、さすがにちょっと...」
「今日のために昨日から頑張って作ったの!」
...人として彼女のために食べるべきなのか、はたまた自らの命のためにクッキー(さつりくへいき♪)を捨てるか。
「...食べてくれないの?」
フランが涙目でこちらを見ている。食べますか?
「食べます!」
「フラン、駿は喜んでた?」
「うん!美味しいって言ってくれた!女の子からお菓子を貰えるなんて、失神しちゃうほど嬉しいって!」
ごめんね、駿...来年はまともなやつを作らせるから...
ちなみに咲夜は...
「フフフ、ここに隠しておいたカメラの確認を...」
レンズにホワイトチョコがベットリと付いていて確認できない。
「イヤァア アアアアアアアアアアア アアアアウィルオオオオ オルウェイズラアアブユー!」
物凄い奇声を上げていた。
女の子からチョコを貰えなくて傷心状態なのであとがきはおやすみします。




