俺の能力とこれからの生活
「お前、誰なんだ?」
コスプレ少女が話掛けて来た。とりあえず、名前とか教えておくか。
「俺は姫野駿、気づいたら森の中で...」
「つまり外来人ってことか。」
「外来人?」
「ああ、あたしは霧雨魔理沙、普通の魔法使いだぜ。」
魔法使い?何を言ってるんだ?そんなことを考えている時だった。
「こちらで話をするわ。」
声と同時に地面に隙間ができて、気づいたらそこは神社の境内だった。
あの魔法使いの少女はいなかった。
また隙間ができて、その中から一人の女性がでてきた。
「さて、こちらで話をするわ。私は八雲紫。そして、ここは幻想郷という所よ。」
「いや、あんたいきなりすぎるだろ。いったいなんなんだ?どうして俺はこんな所にいるんだ?」
「あなたが能力を開花させたからよ。」
「能力?」
意味が分からないまま話は進む。
「あなた、前から影が薄いとか言われたことがある?」
その通りだった。俺は前から影が薄かった。いつもなぜだか目立たなかった。
「そう、前からあなたの存在は能力でなくなりかけてた。だから、私がこっちの世界に連れて来たのよ」
「ちょっと待ってくれ、俺の能力ってなんだ。」
「そうね、さっきの話で大体の予想はついているでしょうけど、あなたの能力は″存在を操る程度の能力”よ。」
「存在を操る?」
「そう、あのままいたら、まわりも危なかった。周りの存在がなくなり、その地域一帯が廃墟になっていたかもしれない。だからそれを防ぐ為にここに連れて来たのよ。」
「そういうことだったのか...理解できたよ。でも、その能力ってどうやって使うんだ?」
「そうね、実践もかねて、少し自分の能力を使ってみなさい。霊夢ー、お客様よー。」
自分の能力の使い方を知らないまま、使えって、無理をいうと思いながらも、渋々試してみた。そして、紫さんの呼び掛けで、神社から腋をさらけ出した巫女がでてきた。
「何よ紫、誰もいないじゃない。」
本当に存在が消えてました。えー、こんなのどこのご都合主義なんだ?
つまり、これはお風呂のシーンやらが覗き放題じゃないか。やったね♪
「ここに外来人がいるじゃない。」
「えっ..うわ、影薄いわね」
あれ、認識されたら存在がばれるのか。ちょっと残念だな。
「あたしは博霊霊夢、この博霊神社の巫女をやってるわ。」
「俺は姫野駿、なんか能力に目覚めた人間だ。よろしく。」
その後、この世界についての説明を聞いて、これからについての相談をした。
「あんた、これから住む所どうする気?」
「俺、野宿とかしたら完璧に殺されるよね。」
「当たり前じゃない。」
「現実は残酷すぎだろ...」
「神社に住まわしていいんじゃないかしら♪」
いたずら染みた顔で紫さんが言った。
「紫のイタズラさえなければ別にいいわよ。」
「本当にいいのか!」
「ただし、しっかりと働いてもらうわよ。」
ということで、これから博霊神社で居候をすることになった。駿はこれからの生活に期待を馳せて、神社の中へと向かっていった。