プロローグ
「ここは、どこなんだ?」
それが最初の一言だった。周りは辺り一面木が生い茂っていて、住宅街等も全く無い、未知の世界だったからだ。
彼は姫野 駿 (ひめの しゅん)、普通の高校生だった。彼の生活は悲惨だった。
「あんたなんて、いない方がよっぽどいいよ!」
それが親の口癖だった。
何かがあると、すぐに兄貴と比較された。勉強、性格、態度、時には理不尽な理由で暴力をふられたこともあった。
しかし、それだけではなかった。高校ではいじられていた。理由は、ある日、教師が出席をとるときに、姫野だけ呼び忘れたからである。それだけで済めばよかった。しかし、さらに追い討ちをかけるように放たれた一言だった。
「お前、誰だったっけww 」
みんなを笑わせる為に放った一言で、僕はいじられていた。
「俺は、なんで生きてるんだろう...」
彼はもう限界だった。
なにもかもが嫌になっていた。
俺の存在なんて、そんなものだったんだ。
その時だった。
いきなり激しいめまいに襲われたと思ったら、急に周りが真っ暗になった。そうして、彼は意識を失った。
そんな彼は今....
「お前、誰なんだ?」
...変なコスプレの人に話掛けられていた。