第一話 夏休みの思い出作り
モンスターズワールド、ゲームの体験試験者募集中。
とある雑誌でこの一行を目にした僕の名前は野呂猛
夏休み何かしたくて、本屋で雑誌をめくっていた。
長い夏休みだというのに田舎もなく親も何処にも連れってくれそうもない。
野呂猛は短足、胴長顔はのっぺり、ワカメみたいな髪の毛でアダ名はノロ、ノロマです。
僕は雑誌を食い入るように見る。
モンスターズワールドとは、仮想空間の中で疑似体験できる体験型冒険ゲームです。
あなたは神様より1匹のモンスターの卵が預けられます。
孵化したモンスターにどんどん餌を与えて、あなた好みのモンスターに育てましょう。
まるで、ポケ◎ンのパクりではないか。餌を食べさせるってとこも
竜を育てるゲームに似ている。
夏休み帰宅部だった僕は、特に予定もないので、テストゲームシミュレーター
をネットで申し込んだ。思い出作りにピッタリだ。
はい、年齢13歳、好きなアニメは、とある科学の◎◎
身長、体重など打ち込んで行った。
そして3時間後にメールが届いた。
【おめでとうございます。テストシミュレーターに選ばれました】
(おおーあっさり選ばれるんだなぁ。普通はもっと時間かかるもんじゃない?)
キャンセルが出ましたので、早急に選ばれせて頂きました。
(あーそういう事、親の許可とか出なかったとかだろう)
僕はゲームフェスタに友達と言って来ると嘘をついて外出許可をもらった。
数週間後、集合場所、◎◎本社ビル
僕の他に同じ年齢くらいの男女が4人集められた。
スーツ姿の伯父さんが近づいてくる。
「よくぞ集まってくれました。」
「あんた誰よ?」
「私はこのゲームの開発者、根津 作です。このゲームは来年発表予定の体感型、アドベンチャー、アクション、ファンタジーゲームなのです!」
「めんどくさいわね。もっと分かりやすくいってくれる!」
ツインテールの気の強そうな女の子、僕が苦手とする女の子だな。
体は真っ平ら、筋肉質スポーツ選手タイプだな。
「質問なんですが、私達はゲームで何をすればいいのですか?」
メガネをかけた女の子、図書館とかにいる委員長タイプの体はナイスボディとアンバランスだ。
「おい、早くゲームをさせろよ」
スポーツ刈りの男の子、サッカー大好きだな。
何故ならサッカーチームユベントスのシャツを着ているし
サッカーボール持ってます。
「はいはい、お待たせして申し訳ゴザイマセン!みなさんはこれから、
カプセルの中に入って頂き仮想現実の世界へ旅立って頂きます」
「おい!帰って来れないとか勘弁だぜ!」
「大丈夫でございますよ。皆さんには緊急脱出のボタンを持っています。これは捨てることもモンスターに壊されることのないアイテムでございますよ。万が一の場合はこのボタンを押してカプセルから出てくださいませ。」
「ゲームの目的は何?」
「そうよ!仮想ゲームにいきなり飛ばされても困るわ、説明しなさいよ!!」
「皆さんはテストシミュレーターですからねぇ、最初のクエストは街を荒らすゴブリン退治です。ボスのホブゴブリンを最初に倒した人が出た時点でゲームクリアですよ」
「武器とか魔法とかあるのですか?」
「俺たち子供だから、好きな姿になれるんだよな?」
「変な姿にしないでくれる!」
「あの〜」
「皆さんは、そのままの姿で、そのままの力でございますよ。魔法などは使えません。ここにある卵、同じものが仮想世界の皆さんのカバンの中に入ってます。モンスターを育てて強敵を倒すのですよ。」
「卵って、どんなモンスターだよ」
「可愛いモンスターなんでしょうね!」
「モンスターは変更できますか?」
「その〜」
「はい、皆さんの質問にはやる気を感じます。大変結構です。モンスターは変更できませんが力を合わせることはできます。4人で力をあわせて強敵を倒してくださいね。どんなモンスターかは、あなたの生き様が反映されるでしょう。」
(僕も質問しようとしたが先に言いたいことをみんなに言われてしまった。)
そして僕たち4人はモンスターワールドに行くためにカプセルの中に寝そべった。
変な器具をつけられ脳波を測定するヘルメットを装着する。
まるで映画のアバ◎ーだな。好きな姿に生まれ変われせんけど。
「皆様〜行ってらしゃいませー」
根津作の言葉が聞こえ僕たちの意識は仮想世界へと飛んで行った。