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ラウンド1




『半年後に婚礼を執り行う。』


『おめでとうございます』


お祝いを言ったら、なんだか妙な顔をされた。ナゼに?


『それだけか?』


『はぁ…』


初対面の相手に何を言えというのか…っていうか。


『あの、貴方は誰で、ここはどこで、私はなぜここにいるんでしょうか?』


肝心な話しをすっ飛ばしてまで人様の結婚なぞどうでもいいってば。ここ聞かなきゃだよね!

おっと、でも、まずは自分から名乗らないとね。


『私は橘立花と言います。…貴方のお名前は?』



まっすぐ見つめるとわかる。


この人、本当に美人だ。




『私は、リィズエル・ラズ・オルト。ここはオルトの中心、ニスカドの華殿だ。そして、お前は花嫁だからだ。』



『…………………は?』


『分かりやすく言ってやるとだ、お前は時期国王である私と婚礼を行うために森を越えて渡って来た、花嫁だ。』



『……………』


すんごいイヤそうに言ってる美人の顔に、さっき綺麗だと思ったことを心の底から後悔した。






思考停止。。。


頭の中真っ白ってこんなんなんだなー。


もうツッコミどころがありすぎてどこからツッコんでいいのかわからない‼


言葉はわかるけど意味わかんないってば‼


やっぱり、考えるたくなかっけどこれって確実にさぁ…



異世界トリップか‼


しかも定番コースか‼





あー、アタマガンガンしてきた。


せめてのどかな田舎でおばあさんに拾われてのんびり暮らしコースとかが良かった……。


カナメがいたら、立花、そこ考えるとこ違うしなんてツッコミを受けることを思いながら悶々としていたら、その間にも美人はこちらに構わず喋っていた。



ちょっとくらい待て!このせっかちめ!



『時期国王としては40にもなるというのに未だ独り身では示しがつかない、結婚せねば継承権は取り上げも辞さないとクソジジイが言うので、仕方なく相手を捜したのだが、この国にもほかの国にも条件の会う相手がいなくてな。そこで仕方なく他の世界で捜してみたら、お前がいたということだ。』



ホントにクソジジイだな!ってか40歳ってどんだけ若作りだよ。



『だが、血の繋がりがあるとはいえこのままでは到底許されないだろう。お前のような者では。』


血なんか一滴も繋がってないってば!こんなお兄ちゃんなんか嫌だ!



『しかるべき教育を受けても、半年という短い期間しかないのははなはだ不安だか仕方ない。優秀な教師をつけてやるから明日から死ぬ気で学べ。』


誰がやるかっての。



『それから、そのみっともない姿は即刻改めてもらう。そのしまりのない身体つきもどうにかしろ。お前には畏れ多くも祖母上の婚礼着を承ることになっている。縦はしょうがないとして、横はおさめねばならない。それに私は太いのは好みでない。ガリガリは抱いてもつまらないが、贅肉を揉む気はない。しかし、お前には子を産む義務があるのだから、夜は通わなくてはならない』



アンタの女の好みはどうでもいい!

ってか大きなお世話だコンチクショウ!




『つまりだ、一分一秒でも無駄にすることなく、その贅肉を取れ!いいな‼』




……………気絶したい。


全部聞き流していいかなー。


でも聞き流したら了承したとみなされる…?


…そんなことあってたまるか!!!



『アナタ、バカなんですか?』


あ、やべえ、素が出た。


とまんないってか止める気なし!


『何がいいな、なんですかなんなんですか何様ですか。ってかあり得ないでしょう。なんでいきなり連れてこられていきなり結婚しろっていわれて散々馬頭された挙句に全否定されて、そんな相手のために勉強してアタマ良くなれだの痩せろだの、聞くわけないでしょうバカなんですか?むしろバカですよね?どこのセカイにそんな奴のために今までの生活捨てて尽くすバカがいると思うんです?王子様で綺麗だからですか?そんなのの価値なんて私にはこのアイスティー一杯分もないんですよ、そんなのどうでもいいんですよ』



私はにーっこり、笑った。





『庶民、なめんなよ?』





よっしゃ!


こんどはヤツが白くなった!


立花選手、強烈なパンチをくらってダウンしましたが、立ち上がった!

おおっとカウンターだ!

イズ選手は起き上がれない!


さて、勝負のゆくえは?

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