目指せお風呂美人
お風呂は好きだ。
温泉とかもう最高だと思う。
日本人でよかったよ!といつも思っていた。
が、それはあくまで、のんびりつかることができていたからだということが判明した。
「さ、リッカ様、よくマッサージをいたしましたら、こちらのクリームをつけて、なでるように広げていってください。洗い流したら、次はこちらのサウナで20分、休憩をはさんで水風呂につかって、もう20分でございます。」
ミリディアさんは、小鬼だったらしい。
無理ですってば!
なんですかそのむちゃくちゃなメニューは!!
ゆっくりしたいよ~!
ことの始まりは一時間ほど前にさかのぼる。
「リッカ様、お部屋の準備ができるまでもう少しございますから、お風呂などお入りになりませんか?」
「え、いいんですか?」
っていうかお風呂あったのか。なんか中世っぽい感じしたからないかと思ってた。
「殿下、よろしいですわね?」
「好きにしろ」
美人はプイっと踵を返して出て行こうと・・・
「せいぜい磨いてもらうんだな、多少はマシになるだろう」
ふっと鼻で笑い捨てながら、捨て台詞を吐いていきやがりましたとさ!
やっぱり四言くらい多いね!
そろそろ大人な笑顔もひきつっちゃうぞー!
「ではリッカ様、こちらへどうぞ。」
案内されたのは隣のお部屋だった。
「え、すぐ隣なんですか?」
さすがにびっくりする。どんなスイートルームだよとかつっこみたい。
「えぇ、一部屋に一つはついているのが普通ですから」
うわーすご。とか思ったけど、まてよ、うちのアパートだって一部屋一つあったよね。しかも部屋の中に。
まぁ規模は違うけどさ。
なんとなく慰めながら移動したそこには。
ズラッと、美人なお姉さま方がいらっしゃいました。
メイドさんってことですか?!ってか皆様とってもお美しいんですけど・・・・
「さ、支度をしてちょうだい」
パンパン!とミリディアさんの手が鳴った瞬間でした。
美人なお姉さま方にあっという間にむかれ、連行され、抵抗する間もなくマッサージを丹念にされ、
・・・・・冒頭に戻る。
「毎日のご入浴の時間は貴重なお時間ですから。ここを怠けては美しい体にはなれません」
どうやら、もうすでにお妃教育というなのダイエットは開始された模様です・・・・。
お風呂は一人でのんびりつかりたいよう。
「・・・・お風呂恐怖症とかになりそうですよ・・・」
ぽつんとつぶやいた言葉は泡と一緒にとけましたとさ。
「うわっ、お肌つるつる!」
「とってもおきれいにおなりです。明日も頑張って磨きましょうね、リッカ様」
「はい!・・・・・・あれ?」
頑張るお風呂もちょっと良いかもと思った、もちっとした肌でした。
ミリディアさんの得意技:洗脳
なんてわけはありませんが、立花は流されやすいタイプです。