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五十八話

「取り敢えず、私の執務室で良いですか?」

 会議室から出た一行に、先頭を歩くハレイストが尋ねる。

「かまわんぞ。大丈夫か、ルクシオンよ」

 エディンズが答え、他の者は頷く。唯一人反応を返さないルクシオンをエディンズは心配そうに振り向いて見た。それを視界の隅に見ながら、ハレイストはエレンとトーレイン、それとトーレインの肩に乗っているスカラに目配せする。二人は頷き、先にハレイストの執務室に向かい、スカラはトーレインからハレイストの肩に移動した。これでハレイスト達が着く頃には人数分の椅子とお茶等が用意されているはずだ。

「大丈夫ですか、兄上?」

 エディンズの言葉にも反応しないルクシオンの顔をハレイストが覗き込む。

「…っ!あ、あぁ、大丈夫だ。多分な」

 目の前に現れた灰色に、ルクシオンは慌てて答えた。が、最後に小さく自信なさげな言葉が付け足された。ルクシオンはそうは言ったものの、実際問題として全く大丈夫ではなかった。とにかく、訳が分からなさ過ぎるのだ。

「取り敢えず、部屋に行きましょう。そこで説明しますから」

 ハレイストの宥めるような言葉に、ルクシオンは納得のいかない思いを抱きながらも頷いた。自分の感情よりも、まずは状況を理解したいのだ。感情より理性を優先する。それは、上に立つ者として必要なものだ。


「さて、何処から話しましょうか?」

 用意された席に着き、紅茶の入ったカップを置きながらハレイストがルクシオンに尋ねる。話す事が多過ぎて、何処から、何を話せば分かりやすいのか分からないのだ。

 ハレイストがエディンズに助言を求めようと視線を向けるが、エディンズはカップ片手に首を傾げた。その隣ではスピアが苦笑している。エレンは茶菓子を取りに行っている。

「最初から話されては如何ですか?混乱のせいで恐らく仕事も無いでしょうし」

 最後にハレイストに視線を向けられたトーレインが答える。

 ハレイストが記憶を失っていなかったと言う事実。ラクサレム男爵位大臣及びその他の貴族の王家に対する裏切り。今日の会議で知らされたハレイストと獣の繋がり。提案された獣との終戦。それに獣嫌いであるはずの国王エディンズが加担していた事実。

 これらを一度に知らされた貴族達は戸惑い、混乱し、仕事どころではないだろう。詳細が示された書類を今か今かと待ち構えているはずだ。

 つまり、時間はある。

「そう言えば、詳細が書いてある書類は?」

「既に用意してあります。今頃届けられている頃だと思いますよ」

 ハレイストの疑問にトレーインがさらりと答える。

「流石トレーイン。仕事が速くて助かるよ」

「お褒めに預かり光栄です」

「で、説明はしてくれないのか?」

 ハレイストとトーレインが笑っていると、ルクシオンが口を挟んだ。なんとなく不機嫌な声に、ハレイストが苦笑する。同じように、エディンズも笑っていた。

「それならば、まずはこの老いぼれの昔話を聞いてもらおうか」

 エディンズは手に持っていたカップを置き、ルクシオンに向き直る。

「あれ、エレンはまだ?」

「只今戻りました」

 ハレイストが首を回してエレンの姿を探すと同時に、ワゴンを押してエレンが部屋に入ってきた。ワゴンの上の茶菓子をハレイスト達の前に置き、トーレインと共に壁に控えようとする。

「話は長い。席に着いていなさい」

 トーレインとエレンを呼び止め、エディンズが席を勧める。二人は戸惑ったが、ハレイストが頷いたのを見て渋々席に着いた。とは言え、椅子は人数分しかない。何故二人の分もあるかと言うと、ハレイストがそう言っておいたからだ。エディンズから時計回りにスピア、ハレイスト、トーレイン、エレン、ルクシオンの順に座った。

「さて、では、子供の頃の話からだな」


 そうして、エディンズは己の過去を掻い摘んで語り始めた。

更新遅れてごめんなさい<(_ _)>

書く気になれず放っておいたら二週間が経過していました-o-#


さて、結局纏め切れず次回に持ち越しです。

無理矢理感満載ですが、そこら辺は流してくれるとありがたいです^^;

次はなるべく早く更新出来たら、と思います。

と言っても、一週間ぐらいかかるかもです-.-;

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