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2年前まで同居してた高校生の担任になってしまった  作者: 冴花


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10/23

新しい彼氏

バーで2杯飲んだあとは個室の鉄板焼きだった。

緊張してうまく全然話せなかった。



「いやー腹減ったね、なつめちゃん」



初手がバーだったから食べてきたんだと思ってた。違うんだ。



「ここの鉄板焼きは取引先に教えてもらったんだけど、エビがめちゃくちゃうまいんだ。さっき行ったバーもそうだけど、なつめちゃんのイメージだなと思ってここにしたんだ」



さっきのおしゃれなバーといい、鉄板焼きの店もおしゃれだった。


うれしい。



一連のメニューが決まっているらしく、

最初はカルパッチョみたいなサラダが出てきて、その後におしゃれな焼き野菜、ガーリックシュリンプみたいなやつ、ステーキ、炊き込みご飯の順番だった。



「なつめちゃんは普段、お酒は何飲むの?」


「ビールがすきなんだ」


「えっ意外!ビール飲みなよ」





緊張してるせいか、ビールを水のように飲んでしまう。

でもここ、飲み放題とかじゃないよね?

どうしよう。



「結構飲むんだね」


「陸翔くんは普段何飲むの?」


「俺モヒートが好きでさ。がっつりしたもの食ってモヒート流し込むのがめっちゃ好き」



飲み物もおしゃれだ。



「休みの前の日とかに映画見ながら罪深いもの食ってモヒート飲むと幸せ感じる」


「めちゃくちゃおしゃれだね」


「そうかな?なつめちゃん映画とか見る?」


「最後に観たのズートピアかも」


「ははっ。めっちゃ前じゃん。おもしろいの紹介したい。ジャンルは…ディズニー?」


「ジャンルはなんでも観るんだけど、去年一緒に住んでる子と家で観たのが最後でさ」


「えっ、誰?女?男?」


「預かってる男の子」


「えっ、何歳・・・?」


「今中2なんだ」


「そうなんだ・・・大変だね」


「いや、毎日ご飯とか作ってもらってるし、めっちゃしっかりしててさ。むしろ私が育ててもらってる感あるかもしれない(笑)」


「俺も料理結構作るよ」


「そうなんだ。パエリアとかジェノベーゼとか?」


「なんだそのイメージ(笑)俺はね、洋画見る時はクラッカーに生ハムとかチーズ乗せて食べるくせに、ジブリ観る時は唐揚げとかハムエッグとか」


「ははっ。映画の雰囲気と合ってるね」


「ジブリってご飯めっちゃうまそうじゃん」





陸翔くんとはやっぱり話が弾んだ。

こんなに他人と喋ったのは森川以来かもしれない。



ごちそうになってしまった。

店を出ると、段差につまずいた。

履き慣れないヒールと、酔っているせいだ。



「わっ大丈夫?」


「大丈夫、びっくりした」


「送るよ」


「え、いや、いいよ。結構遅くなっちゃったし。琥珀に迎えに来てもらうからさ。えーっと、琥珀琥珀・・・」



琥珀ーWikipedia

ポーランドは琥珀の生産において圧倒的な世界一を誇り、世界の琥珀産業の・・・



私の携帯を見て、陸翔くんが笑った。



「ふっ・・・(笑)なんでネット検索してんの(笑)送る送る。ほら」



陸翔くんが私の手を引いて手をつないだ。

飲み過ぎたみたいだ。緊張はしなくなったけど頭がふわふわする。




「めちゃくちゃ楽しかった」


「うん。送ってくれてありがとう。ごちそうさま」


「あのさ、嫌じゃなければ俺と付き合ってほしい」



こんな急展開、あっていいのか。



「えっいや、でもまだ」


「1回しか会ってないのはわかってる。でも高校の時からかわいいなって思ってた」



高校の時からだったなんて。嬉しすぎる。

でもまだこっち初見なんだよな。


え、てか私でいいのかな。


普通の人ならどうするの・・・?




「だめかな、嫌だ?」


「いや、だめじゃない、いやじゃない・・・」


「じゃあ・・・俺は彼氏ってことで」



嬉しそうに笑って、陸翔くんは手を振った。

話し声が聞こえていたのかたまたまなのか、琥珀が家から出てきた。



「おかえり」


「あ、琥珀~ただいま~」




琥珀が陸翔くんに気が付いてぺこっと頭を下げると、陸翔くんが笑った。



「そんな怖い顔しないでよ(笑)なつめちゃんのこと頼むね」


「送ってくれてどうも」


「水飲ませてあげてね」


「もう用意してあるから」


「ちょっと琥珀、何その言い方」


「いいって。じゃあねなつめちゃん」




陸翔くんは手を振りながら帰って行った。

琥珀に支えてもらって家に入る。




「大丈夫?」


「ちょっと飲み過ぎた。ちょっと気持ち悪い」


「これ飲みな」


「ありがとう」


「そんな酔ってんの久しぶりだね。楽しかったの?」


「楽しかった。すごい話し上手だった。なんかおしゃれなバーに行って、柔軟剤みたいな名前のお酒飲んだ。さっきまでお腹空いてたけど今は空いてない」


「よかったね」


「付き合おうって言われて、付き合うことになっちゃった」


「あいつと付き合ったの?」


「高校の時から私のこと好きだったんだって」


「なつめはそいつのこと好きじゃないみたいじゃん」


「好きになれる気がする。ってか多分好き?だと思う」


「そうなんだ」


「嫌いな人とは付き合わないよ(笑)」


「浮かれてんね」


「会った初日に付き合っちゃった~」


「はいはい。もう寝るよ。着替えな」





琥珀がパジャマを持ってきて着替えを手伝ってくれて、寝室まで引っ張って行ってくれた。






次の日になって、昨日陸翔くんから連絡が来ていたのに気が付いた。

1時。寝るの遅いんだな。




「今度この店に行きたいんだけどどうかな」




ソファー2人席で、窓に向かって配置されている。またおしゃれな店だ。



お風呂に入らずに寝たのを思い出し、急いで入った後に返信した。



「おはよう~おしゃれな店だね!何着ていこう」


「おはよ!昨日みたいにスカートとかでいいと思うよ」




やべ。1着しかない。捨てなきゃよかった。

いや、あのスカートはダサいからダメなのか。


追いLINEがきた。



「昨日は具合悪くならなかった?」


「大丈夫。酔っぱらい過ぎて着替えもままならなくて(笑)いろいろ助けてもらって寝たよ」


「手伝ってもらったってこと?」


「ちょっとね」


「それはダメだよね」




ん?



「別に裸見られたりしたわけじゃないよ」


「そういうことではない。あんなでかいと思ってないし」


「中2だよ。あれ、言ったよね・・・?」


「てか酔ったら誰でもそうなるってこと?」




あー、そっか。琥珀に手伝ってもらったっていうのがダメだったんだ。

誰の前でもそういう感じになるって思われたってことか。



「お互い何も思ってないというか、歳も離れてるしさ」


「弟じゃないんだからさ。気をつけてほしい。彼氏だから普通に嫌だし」




あー。そうか。ミスった。

ほしいのは弁解じゃないよね。

不安を解消しなきゃ。




「ごめん、気をつける」


「琥珀くんには彼女いないの?」


「今はいないはず」


「そうなんだ。誤解されやすいから琥珀くんも気をつけたほうがいいよね」




そうか。たしかに私たちの関係って普通じゃないかも。

彼氏ができたら琥珀との関係も一線引かなきゃいけないよね。



とりあえず、ベッドをもう一つ買おう。

それから、着替えを手伝ってもらうのもやめよう。

あとは、お揃いもやめたほうがいいのかも。



ごめんね琥珀。




「いつかは出てくんだよね?」


「いや、まあいつかは・・・」


「俺の知り合い高校生で一人暮らししてるよ」




いや、中学生だし。


このやりとりはどこへ向かうのか。




「とりあえず気をつけるね」



昼になっても既読はつかなかった。







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