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闇の力、封じ込めた左目

「おはよぉー!」


通学路を歩いていると、眠そうだけど元気な声で彼女が話しかけてきた。彼女は僕の先輩の神崎れいなさんだ。紫がかっている腰まで伸びた黒髪は、少し風になびいて柔らかく揺れる。そのまつ毛は長く、目はキラキラと輝いていて、その美しさは誰もが認めるものだった。前髪は少し長めで、いつも左目だけを隠している。


「シカトするなよー!」


めんどくさいけど、仕方なく「おはよう」と返事をする。


「先輩には敬語だろ!」


「あ、お前絶対私のことめんどくさいって思っただろぉー(泣)」


彼女はまるで僕の心が読めるかのように、鋭い。


妹にもらった腕時計を確認すると、もう8時15分だ。


「やばい!急ぐぞ!」


彼女はそう言って走り出した。その瞬間、風で彼女の前髪が吹き飛んだ。


顔が見られるかもと思ったけど、彼女は眼帯をつけていた。


彼女は顔を赤くして左目のほうを覆い隠す。普段、明るく元気な彼女が急にそんな態度を取るなんて、まるで別人のようだ。


「なんで…?」つい、声が漏れた。


彼女は少し目を逸らし、視線を落とす。「別に、何でもない…」


「でも…」俺はもう一度、彼女の顔を見ようとしたが、彼女はそれを避けるように後ろに歩き出した。


「お願いだから、見るなってば!恥ずかしいから!」その声には、いつもとは違う弱さが混じっていた。


一瞬、何かがおかしいと感じた。普段の彼女なら、こんなに慌てることはないはずだ。でも、その反応には何か深い理由があるように思えて、俺は思わず聞き返す。


「本当に何でもないのか?」


その瞬間、彼女は急に顔を赤くしながらも、真剣な顔で言い放った。


「邪悪なる力が宿る、我が左目にはドラゴンが封じられている。その眼に触れし者は、炎とともに滅びる運命を辿るぞ!」


「え…?」


突然の言葉に、俺は驚きと困惑が入り混じった顔をして彼女を見つめた。ドラゴン?左目に?しかも、危ないって何だよ?


「冗談だろ?」つい、口を滑らせる。


けれど、彼女はまっすぐに俺を見つめ、まるで本気のように続けた。「本気だ。封印が解けないように、目を隠しているんだ。」


しばらく沈黙。どう反応すべきか考えていると、俺は思わず吹き出しそうになった。「いや、でも、そんな…」と口を開きかけたが、彼女の真剣な目を見て言葉を飲み込む。


「私の闇の力、封じ込めてるんだから…」彼女は照れくさい表情で小さく呟きながらも、どこか誇らしげに見える。


その様子を見て、俺は笑いを堪えきれずに思わず声を上げた。「ごめん、でもそれ、ちょっと面白すぎだろ。」


彼女は顔を真っ赤にし、手を振って否定する。「違う、違う!本当に危険なんだってば!」


「わかった、わかった。でも、ドラゴンとか、やっぱり無理があるだろ…」俺は笑いながらも、少しだけ彼女に寄り添うように歩き出す。


「な、なんで笑うの!?これは、真剣なんだから…」彼女は不満そうに言ったが、その顔はどう見ても照れ隠しだった。


俺は少しだけ彼女に近づき、「でも、無理に隠さなくてもいいんじゃないか?」と優しく言った。


「何もないってば!」彼女は顔を赤くしながら、さらに早足で歩き出す。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

第1話、いかがだったでしょうか?

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