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異界大戦史  作者: Nanashi
8/15

8.衝撃

第九話

深夜 魔大陸から百数十キロ西の大陸 上空5000m

P-1哨戒機とF15が巡航していた。

「まさか初日から夜勤なんてついてないっす…」

「上からの命令は絶対だ。わかったら黙ってSARを見てろ。もう目標に着くぞ」

「了解。おぉ、本当にファンタジーだな…」

SARモニターに映ったのは竜や巨人、その他大型動物のような形をした多数の影がはっきりと映っている。

「ど、ドラゴン、えー巨人、その他大型動物のような物体を多数確認!」

「よし、撮影を続けろ。」

「了解。ん?な、何か光ってます!」

『ザザッおいっ!地上から何か飛んでくるぞ!!』

ドォオオオオオオオオンッ!!

突然、衝撃と共に機体が揺れ、警報が機内に鳴り響く。

「な、何が起きた!!」

「い、1番エンジン火災!出力低下!」

「1番エンジンカットしろ!」

「1番エンジンカットします!」

「メーデーメーデー!This is P-1、1番エンジン火災復旧不能!直ちに基地に帰投する!」

機体は一本の煙を噴きながら北東へ飛んでいった。

「あの高さなら外れると思ったが当たるとは、まだ私も戦えるな。しかし、私の攻撃を食らって落ちないとは….あれは一体…」

「クレール殿、一体何を狙っておられたのですか?」

「いや、私もはっきりとは見えなかったが何かが飛んでたのは間違いないはず…」


翌朝

「さい…しれ…おき……さい…」

「ん…うーん…ん?」

「司令、起きてください。朝ですよ」

「あ、おはよう書記ちゃん。添い寝最高だったです」

「私も最高でした♪それより司令、定例会議の前に少し格納庫に来ていただいてもよろしいでしょうか?」

「ん?良いけど何かあったの?」

「説明は後ほどしますので」


格納庫

「うわぁ何これエンジン真っ黒じゃん…」

格納庫には1番エンジンのカバーが殆ど焼け落ちエンジン本体もかなり損傷しているP-1哨戒機が置かれていた。機体の前にいた搭乗員達が和宏に向かって走って来た。

「司令官、この度は申し訳ございませんでした!!」

「「「申し訳ございませんでした!!!」」」

「ちょ皆んな落ち着けって!」

彼らを落ち着かせるのに10分かかった。


「それで、ど〜したらこうなるの」

「司令、私が説明します。このP-1は昨晩ここから南西に約500kmの大陸沿岸部を高度5000mで偵察中、地上から放たれた魔法が1番エンジンに命中し爆発しました。」

「ちょっと待って、その時の速度は?」

「偵察中だった為時速400km程ですね」

「それでも時速400kmで高度5000m飛んでる航空機のエンジンに命中させるとかバケモンすぎるだろ…。その攻撃はやっぱ魔王軍の?」

「魔物の大群の方から飛んできたので魔王軍からの攻撃で間違いないかと」

「そうか…それより書記ちゃん、このP-1いつ帰って来たの?」

「6時間ほど前ですね」

「なんで起こさなかったの!!」

「司令の寝顔が可愛かったので起こせませんでした」

「褒め言葉はいいから今度からこういう事があったら起こすように!!」

「わかりました(怒ってる司令も可愛い…)」


挿絵(By みてみん)


定例会議は30分遅れとなった。

「皆んな遅れてすまない。それで偵察の状況はどんな感じ?」

「はい。核攻撃の後、爆心地周辺では住民達が南へ避難をしています。馬車と思われる大量の車両が南へ進んで行きましたがそれ以外は目立った変化はありませんでした。そして司令官もすでにご存知かもしれませんが昨日調達した大型機はすでに何機か偵察に出ていましてその結果、人間が住んでいると思われる西の大陸の沿岸部に魔王軍と思われる軍勢が確認でき内陸の方ではすでに戦闘も起きているようです」


「そうか、報告ありがとうピーター。皆んなも知ってるとは思うが昨晩P-1哨戒機1機が魔王軍の攻撃により損傷した。その為今後の西大陸偵察は極力無人偵察機ですることにしてくれ」

「わかりました」

「了解しました司令官殿」

「では司令、本日の議題などはありますか?」

「西大陸沿岸部を攻撃しようと思う」

「おぉ、ではどのように攻撃するおつもりですか司令官殿」

「戦艦4隻で艦砲射撃する」

「遂に戦艦を使うんですね!?」

「落ちつけピーター」

「あ、旗艦は大和ね。あと俺も乗るから」

「司令官殿も行かれるのですか!?」

「司令が行くなら私も行きます」

「いや、書記ちゃんは司令部に残って皆んなを補佐してあげてほしい」

「わ、わかりました…」

「じゃあ艦隊の編成だけど…」

旗艦:大和

戦艦:大和(1945年仕様)、武蔵(1944)、ミズーリ(1986)、ティルピッツ(1944)

駆逐艦:アーレイバーク級×2

巡洋艦:タイコンデロガ級×2

潜水艦:シーウルフ

補給艦×2隻

「て感じでいいかな?」

「問題無いと思います。では司令官殿、いつ出撃されます?」

「明日の12時かな」

「ではそのように手配しておきますね司令」

「ありがとう書記ちゃん。じゃあこれで終わり!解散!」


定例会議後

俺は第一戦略港へ来ていた。

「あ、おはようシーウルフの皆んな」

「おやcommander、今日はサラさんと一緒ではないのですね。」

「あぁ、書記ちゃんはちょっと忙しくてね」

「そうでしたか、今日は何のご用件で?」

「いやいや、ちょっとしたことだよ」

「顔に出てますよcommander。何か企んでますね?」

「あはは、顔に出てた?多分あとで皆んなも知らされると思うよ。あ、後で沖に出るからよろしくー」

「わかりました。ではゆっくりしていってください」

「ありがとうね〜」



「さて、戦艦4隻全部出航しちゃうから1隻ぐらい追加しとかないとね?あ、イージス艦も出しちゃおっと」

そう、戦力を補うことを理由としているが実際はただ軍艦が見たいだけなのである。

「まや型出すかー」

目の前に「まや」と「はぐろ」が現れる。

「前に見たことあるけど目の前で見ると結構威圧感あるなぁ」


「さて次は戦艦だけど何出そうかな」

戦艦のリストを漁ってるとある船に目が止まった。

▶︎ USS Washington BB-56


「よしワシントン、君に決めた。乗員はまだ出さなくてもいいかな」

目の前にワシントンが現れる。

「うーんやっぱこのアメリカらしい司令塔?測距儀塔?いいよなぁ」

「霧島も出しちゃおうかな?まぁまた今度にするか」

「それより写真撮ろっと」

艦首で艦橋をバックに自撮りをした。

「自分で言うのもあれだけど可愛いなおい。あとでSNS作ってもらおうかな」


豆知識

米軍には内部ネットワークMilTubeという写真や動画を共有できる教育目的のブログプラットフォームがある。


自撮りをした後ワシントンで沖合へ出た。

「ここなら大丈夫かな。」

艦首でポケットディメンション、収納魔法を発動させてM2ブローニングの砲身を出す。

撃つ前にまず防御魔法で衝撃と爆音を遮断する。

「さーどうかな」

ダダダダダダッ

「マジでうるさくないな」

「じゃあ次は76mm砲でも試してみるか」

▶︎オート・メラーラ 76mm スーパー・ラピッド

オート・メラーラ76mmはその優れた速射性から開発国のイタリア以外でも56カ国(2014年時点)で使われている。

今回召喚したのはオリジナルのコンパクト砲ではなく性能向上型の76mm砲である。

スーパー・ラピッド砲はコンパクト砲より40発多い毎分120発の性能を誇る。


「あ、やべ」

砲塔のまま召喚してしまった為砲塔が倒れそうになる。

和宏は急いで76mm砲塔を収納した。

「危なかったぁ。よーし撃ってみよっと」

再度ポケットディメンションを発動させて砲身だけ露出させる。

「真隣で76mm砲を撃つとなるとちょっと怖いな。少し離れて最初は単発で撃とう」

3mほど下がって撃つことにした。


ドンッ!!

「すっげ全然うるさくない…魔法ってすげぇ…」

「40.6cm、撃ってみるか…?」

ワシントンの第一主砲を沖の方に旋回させる

ドォオオオオオオオオンッ!!

「やっぱ戦艦の射撃は華になりますなぁ。て全然平気だな。よし次は写真撮ろっと」

ドドォオオオオオオオオンッ!!ドォオオオオオオオオンッ!!

「よーし良い感じに撮れたぞぉ帰ったら印刷して執務室に飾ろうかな。あ、艦橋からも撮りたいなぁ」

バタバタバタバタッ

「ん?哨戒ヘリ?あ、やらかした….」

プルルルルルッ

「やっぱり…」

「や、やぁ書記ちゃん良い天気だね」

「今日は曇りですが?」

「い、いやー心が晴れというかぁーね?」

「それより司令?そんなところでなぜ連絡も無く急に戦艦の主砲を撃ちまくってるんですか?」

「しゃ、写真を撮ろうかなって…」

「それで、良い写真は撮れましたか?」

「は、はい…(怒ってるかな?そりゃそうだよね急にクソうるさい戦艦の主砲を連絡しないで撃ちまくったからね!!)」

「それはよかったです。でも、司令が沖合に行くという連絡の後に急に大きな音がしたとの報告がきたのでとても心配したんですよ?」

「も、申し訳ございませんでした!!!」

「今度から、このようなことをする時は連絡してくださいね?」

「肝に銘じます(この状況で「心配してくれてる書記ちゃん可愛い」だなんて絶対言えないっ!!)」

その後、第一戦略港に戻り40.6cm三連装砲塔を召喚して収納した俺は基地に戻った。


夜 定例と化したサラの耳かき

「司令?それでワシントンではどんなのが撮れたんですか?」

「えーっと艦橋をバックにした自撮りとか後部甲板から撮ったやつとかかな、あとはさっきの主砲を撃ってる時の写真かな?」

「じ、自撮りですか」

「あーそれがさ、案外良い感じに撮れたんだよね。自分でもSNSに投稿したらバズるんじゃねって思っちゃったよハハハ」

「司令、その自撮り写真見せてくれませんか?」

「もちろん、ほら案外良い感じでしょ?」

「司令、それいくらで買えますか?」

「え?」

「100万ですか?1000万ですか?1億までなら何とか出せます」

「いやいや払わなくていいから。普通に携帯に送っとくよ」

「ありがとうございます司令。ホーム画面にしますね」

「ははは、なんか嬉しいな」

「それと司令、軍の内部ネットワークにブログを作るよう手配いたしますね」

「おぉマジか!さんきゅー書記ちゃん!」

次回艦砲射撃です。

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