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異界大戦史  作者: Nanashi
14/15

14.勇者

第十四話

二日前 連合軍 ランディア王国 南戦線

勇者アストラルはウィザードのセリス、重戦士のレイスが塹壕にいる敵兵を次々と薙ぎ倒していた。連合軍はその後を追い膠着状態だった南戦線は徐々に動き出していた。

挿絵(By みてみん)


「なぁアスト、流石におかしくないか?」 ※アストラル=アスト

重戦士のレイスがアストラルに問いかける。

「何がだ?」

「なんか順調過ぎると思うんだ」

「何言ってんのよレイス。ただ単にあたし達が強過ぎるだけよ!」

ウィザードのセリスが自慢げにレイスに言い放つ。

「いや、レイスの言う通り確かに順調過ぎるような…」

ドンドンドドンドドドドォオオオオオオンッ

「なんだ?」

「何の音?」

突如重低音があたりに響き渡る。敵も思わず戦うことをやめ爆音がした方を眺めている。

「向こうで何か爆発してる…?」

「なんだったんだ今の…」

「これまずいんじゃないの?」

「あぁ、ただ事じゃないことは確かだな」

「「「!?」」」

3人が話していたその時、巨大な黒煙が立ち上り始めた。

「こりゃ大事になりそうだなぁ」

「んなこと言ってる場合かよ!行くぞ!」

「そうね行きましょ!」

その時、空が裂けるような音が響き渡った。

「こ、今度は何だ?」

刹那、見た事もない何かが物凄い速度で頭上を飛んでいった。勇者達の頭上を飛び去ったのはジェラルド・R・フォードから飛び立ったF/A18とF35C戦闘機だった。そして数多のそれらはこちらに向かって来た。

「おいおい何だあれっ!?」

「こっちに向かってくるわよ!?」

「っ!セリス!魔障壁だ!!」

「わかったわ!」

人類一の防御力と称されるセリスの三重魔障壁が3人を囲う形で展開された。

向かって来た3機のF/A18の翼下が光ると同時に手前にいた連合軍、魔王軍双方の兵士たちと塹壕は木っ端微塵に破壊され大きな土煙が立った。そしてその攻撃の一部がセリスの魔障壁に当たった。

ガンッ!

「ぐっ…つ、強い…!」

「お、おいっ!また来るぞ!!」

F/A18は旋回してまた向かってきた。

ドドドドドドガガガガンッ!!

「うっ…なんて威力なの…っ!」

ピキッ

「…え、嘘でしょ!?」

「マジかよ…」

「あのセリスの魔障壁にヒビが入るってなんなんだよあいつら!?」

ドドッドォオオオオンッ!!

F35Cが投下した500ポンド爆弾(Mk.82)が連合軍側で次々と爆発した。

「アスト!あんなの食らったら耐えれるか分からないわよ!!」

「けど敵が多過ぎる!!」

「アスト!また来たぞ!!」

「クソッ!次はこっちの番だ!行くぞレイス!」

「おうよ!」

二人は魔障壁から飛び出し人間とは思えない跳躍をしF/A18に斬りかかった。

「え、人…?」

アストラルは細長い半球状の中に人影を見た気がした。

F/A18は斬りかかってきた2人を咄嗟に右旋回し避けた。

「うわあっつ!?」

「な、なんだこりゃあ!?」

二人は排気熱を浴びあまりの熱さに驚いた。

そしてアストラルの背後には別のF/A18が迫ってきていた。

「アスト後ろっ!!」

「っ!?」

レイスはアストを突き飛ばした。

ブァァアアアアアアアアアッ

「ぐぁあっ!!」

「っ!レイス!!」

レイスは20mmバルカン砲で胴体を撃たれ10m以上吹き飛ばされた。

「くっ…うっ…いたた…」

「大丈夫かレイス!!」

レイスの鎧はかなりへこんでいた。

すぐにレイスを抱え魔障壁内に戻った。

「ちくしょうあいつら優雅に飛び回りやがって….連合軍と魔王軍の飛竜は何してんだよ!いてて…」

「それよりレイスほら回復ポーションだ」

「お、ありが」

ガガガガガガガンッ!!

別のF/A18が20mmバルカン砲でセリスの魔障壁を攻撃してきた。

「ううっ…や、やばい魔障壁が!!」

ガシャンッ

セリスの三重の魔障壁の一つが割れてしまった。

「おいおいやばくねぇかアスト!」

「このままじゃ魔障壁破られるわよ!!」

「クソッ!一旦逃げ」

アストラルが退却を言いかけた時、500ポンド爆弾が魔障壁の左付近、レイスの前に落ち爆発した。

魔障壁は木っ端微塵に割れ、爆風と衝撃が中に入り込み3人を右の方へ吹き飛ばした。勇者アストラルの意識はそこで途絶えた。戦闘機の群の奇襲に勇者達はただ無力だった。


勇者アストラルが目を覚ましたのは全ての戦線が壊滅状態にされてから1時間以上後であった。

「ん….んん…」

「!…き…て!」

「…ん…?」

「す…!アス…て!アスト!お願い起きて!!」

「!セリス!?無事だったのか!」

セリスは魔障壁が割れた瞬間、自身に魔障壁を張り破片と衝撃波から身を守ることができたがそれでもかなりの傷を負っていた。

「っ!バカ!!まず自分の体見なさいよ!!」

アストラルが自分の体に目をやると右腕は千切れ腹部にも破片が刺さり左足も吹き飛んでいて身体中傷だらけだったが特に右半身の外傷と火傷が酷かった。

「痛みを感じないのは、セリスが魔法でそうしてくれたのか。それにさっきと場所も違う….」

セリスは空爆の中魔法で二人を移動させていた。

「そうよ。普通ならあんたとっくに…死んでるわよ」

「ありがとうなセリスほんとに」

「ウィ、ウィザードならこれぐらい当然よ!!」

横を見るとレイスが横になっていた。

「レイスは!?あいつは無事なのか!?」

そう聞くとセリスは重い表情で答え始めた。

「無事とは、言えないわね…かなり重傷よ。私が見た時は顔中に破片が突き刺さってて鎧も穴だらけで、内臓にもかなり損傷があったわ。正直もうダメなんじゃないかと思ったほどよ。けど重戦士なだけはあるわね。治癒魔法で今はなんとか生きてるって感じよ」

「よかった。生きてるんだな」

「あんたレイスに感謝しなさいよ?レイスがあんたの前に立ってなかったらあんた死んでたわよ?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なんで20mm食らってへこむだけなんだ?」

「普通500ポンドが目の前に落ちたらミンチ状態だろ」

「なんでまだ生きてるんだ?」

と思うかもしれないが3人は勇者パーティなだけあって身体や装備品の基礎耐久性が化け物なので装備品がへこんだり重症で済んでいるのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


数十分後

「セリス、もう良いからレイスの治療をしてくれ」

「何言ってんのよまだ傷だらけじゃない!」

「歩けるから大丈夫だって。それにこれくらいなら今まで何度も経験してるしさ」

千切れていた箇所はすでに元に戻っていた。

「まったく。わかったわよ」

アストラルとセリスは立ち上りレイスのもとへ駆け寄った。

「っ….レイス…」

「あのレイスがこんなになるなんて想像してなかったわ…」

レイスの鎧には無数の穴が空いていた。両足は原型をとどめておらず左腕も千切れかかっている。

セリスが治癒魔法で治療を始めて数分後レイスは意識を取り戻した。

「ん….?んん?」

「レイス!聞こえるか!」

「っ!良かったわ…!」

「2人とも…?ここはあの世か?」

「バカね。まだあんたは生きてるわよっ」

「セリスが治してくれてたのか。感謝するぜセリス様!」

「こんな状態でもあなたはぶれないわね….逆に安心したわ」

「レイス。お前があの時、俺の前にいなかったら俺は確実に死んでた。本当にありがとう」

「気にすんなアスト。私もお前が無事で何よりだよ」

数十分後、レイスはほぼ回復していた。

その時、一機のF/A18が近くに飛んできた。

「ちっ、しつこい奴だなぁ」

「2人とも、是が非でもあの一匹だけは討ち取るぞ」

「えぇ。あたし達をこんな目に合わせた報い、必ず晴らしてみせるわ!」

「再戦といくかー!」

茂みから出るとF/A18は3人を見下ろすように旋回しながら飛び始めた。

「一匹で挑んできたことを後悔するんだな!!行くぞレイス!!セリスは援護魔法を!!」

「おうよっ!」

「わかったわ!」

先ほどのようにアストラルとレイスが大きく跳躍し斬りかかろうとした時だった。

「なにっ!?」

「収納魔法!?ど、どうなってんだ?」

「龍を収納魔法に入れるなんて出来ないはずよ!?」

飛んでいたF/A18は消え、代わりに人が降りてきた。これでもこの物語の主人公、レグナである。

「人…なのか?」

「龍人じゃないか?」

「いや、そんなに高い魔力は感じないわ」

「けどあの龍を収納したの見ただろ?」

「龍じゃないのかも…」

3人がそんな話をしていると降りてきた人物が話をかけてきた。

「君たち2人は死んだって聞いてたんだけどなんで生きてるのかな?」

「私が治したのよ!!この世界一のウィザード、セリス様がね!!」

「はえ〜あの状態でも治せたのか。お嬢さん達何者だい?」

「これから死ぬあんたに名乗る必要は無いわ!!」

「行くぞレイス!!」

「おうっ!!」

「まだ聞きたいことがあったんだけどなぁ」

「なら力ずくで私たちを抑えてみるんだな!!」

ガガンッ!!

レイスとアストラルが同時に斬りかかるが魔障壁に防がれた。

「俺らの斬撃を防いだだと…!」

「どんだけ硬いんだよ!」

2人は急いで距離を取った。

「君たちの戦いを見たけど。豪華な装備に装飾された剣を使う君、魔法使いのお嬢さんと大剣を使い立派な鎧を着たそこのお姉さん。そして周囲の敵を薙ぎ倒す戦闘力。もしかして勇者だったりする?」

「「「!?」」」

「やっぱそうなんだw」

「知ったところでどうするのかしら?」

「君たちは邪魔になりそうだなって」

「じゃあ俺たちを討ってみろよ!!」

「じゃあ遠慮なく撃たせてもらうよー」

「っ!皆んな避けろ!!」

ドォオオオオオン ドドォオオオオオン

「ぐっ….避けても食らうのかよ」

「か、体がいてぇ….」

「痛いわね…!」

予想以上に飛んでくる砲弾の速度は速く、3人は避けるタイミングが遅くなった。

「さすが勇者達、普通近くに16インチが落ちたら即死だろうに…破片も全然刺さってないし」

「余裕そうな顔してるんじゃないわよ!!インフェルノスピア!!」

「おおうっ!?」

セリスがそう唱えると空中に現れた巨大な火柱が回転しながら槍のような形になり急加速して放たれた。

セリスの攻撃は魔障壁に当たり衝撃音と共に巨大な爆発が起こり周辺に煙が舞った。

着弾地点には五メートルのクレーターができていた。

「やった…のか?」

「ふんっ…あの世で最強ウィザードと戦ったことを後悔することね!!」

「いや今のはマジで焦ったわ」

「「「!?」」」

「ど、どうやって避けたのよ…!」

「セリスの上位魔法を避けた!?」

「…」

「やっぱり魔法使いのお嬢さん。君はどうにかしたほうが良いな」

「避けろっ!!」

ドォオオオオオンッ

「ぐっ….タイミングが掴めねぇ…」

「セリス!!避けろ!!」

砲身はセリスの方を向いていた。

「っ!魔障壁!!」

咄嗟にセリス自慢の三重の魔障壁を展開した。

レイスは全力でセリスへ駆け寄る。

「それで防げるかな?」

「させるかぁ!!」

アストラルが斬りかかるもまたしても魔障壁に防がれる。

ドォオオオオオンッ!!

ガシャンッ!!ドォオオオオオン

16インチ砲弾はいとも簡単に魔障壁を貫いた。

「くっ。ぁああああっ!!」

「レイス!!セリス!!」

アストラルが駆け寄るとそこには非情な現実が待っていた。

「うそ…レイス…私の身代わりに…!」

セリスに駆け寄り盾になったレイスは完全に肉塊になり体は原型を留めていなかった。そしてセリスもかなり傷を負っていた。

「そ…んな…レイ…ス」

「お、こりゃ大剣使いも逝ったか。次は君だよお嬢さん」

ゴゴゴゴゴゴ….

「っ…んぁああああ!!!」

「アスト!!」

ガァアアアアンッ!!

アストラルは力任せにレグナの魔障壁に斬りかかった。

「おおうっ!?」

「アスト戻って!!アスト!!」

ガァアアアアンッ!!ガァアアアアンッ!!ビキィッ!!!

「っ!?」

「っ…馬鹿力だな」

何度も斬撃を魔障壁にぶつけ続け遂に、ヒビが入り始めた。

「けど攻撃に必死で隙だらけだね?」

「アスト!!」

「っ!!」

ドンッ

「うっぁああああ!?」

「そんな思いっきり殴ったつもりじゃなかったんだけどなぁ。うーんまだ加減がわからないなぁ」

「これで次こそは…!はぁあっ!!」

動きが速すぎてF/A18に当てることができなかった斬撃をレグナめがけて何発も放った。

ガガンッ!ビキィッガシャンッ!!

「!?」

「おぉマジかっ!」

ダメージを蓄積していたレグナの魔障壁は遂に割れた。

「っ!とぁあああああ!!!」

アストラルは地面を蹴り全力の一振りをレグナに振り落とした。

ガキィンッ!!

「なっ…」

全力の一振りはレグナの手の中に収められていた。

「残念でしたねっと!」

ドォンッ!

「っ!!ぐぁああああっ!?」

蹴り飛ばされたアストラルは地面に叩きつけられた。

「くっ…っ!剣が…」

レグナはアストラルの剣を掴みながら蹴りを入れた為アストラルは剣を手放してしまった。

「これが勇者の剣かぁー。うーんAmaz○nに売ってそうだな」

レグナがそんな独り言をしている間にセリスが打ちひしがれたアストラルの元へ駆け寄った。

「アスト!ねぇアストしっかりして!!」

「セリス…俺が時間を稼ぐから逃げてくれ…今の俺らじゃ…あいつに敵うとは…」

「バカね。勇者のあんたが死んだら、皆んなの士気駄々下がりよ!転移魔法を使うわ。これは最後にと思ってたけどこんなに早く使うことになるなんてね」

「でもそれじゃセリスが!!」

「うるさいわね!最期ぐらいかっこつけさせなさいよ!!」

「あのーもう良いかな?」

「えぇ、あんたは私を狙ってるんだったわよね?」

「そうだよ?お嬢さんは厄介になりそうだからね」

「じゃあアストは逃すわよ」

「いや、できたら勇者君もやっておきたいんだけど」

「残念だったわね!アストは殺させないわよ!!ラピュラス・ゲート!!」

「セリス!俺はまだっ」

セリスが詠唱するとアストラルは光に包まれ消え去った。

「ほーん転移魔法かぁ。面倒なことするねぇお嬢さん」

「ほら、私はもう魔力を使い切ったわよ?煮るなり焼くなり好きにしなさいよ!!」

セリスがそう言うとレグナはニヤつき始めた。

「な、何がおかしいのよ!」

「殺すとは、言ってないよね?」

「な、何を言って…んっ..ねむ..」

セリスはそこで意識を落とした。


この日、連合軍は現場指揮官、動員兵、正規兵、勇者部隊所属:重戦士レイス、ウィザード セリス、約60万人失った。大半の犠牲は動員兵であった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

宮竹和宏/レグナ

現在のLv306


やっぱ戦闘シーンって難しいですね。

これからは主人公の名前は基本、レグナとします。別に簡単だからという良い加減な理由ではないです。

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