12.対面
第十二話
同日夜 第一艦隊 旗艦 揚陸指揮艦 ブルー・リッジ
和宏は格納庫でオスプレイ(MVー22B)の搭乗員、そして護衛の兵士達と話をしていた。
「それにしてもさっきは怖かったなぁ」
「何言ってるんですか司令官めっちゃ楽しそうにしてましたよね?」
「あぁ凄い笑ってたよな」
「「「HAHAHAHA」」」
「違うってほら、人間はそういう時笑うことがあるって言われてるだろ?それだよそれ」
「いやあれは絶対楽しんでましたよ隣にいた俺が保証します」
「何を保証するってんだよ!」
「それにあの時の司令官、目ガンギマってたよなw」
「あんな司令官の顔初めて見ましたよ」
「あれは眠かったから!!」
約2時間前
和宏はルイスとカイルに手を振り終えた後、サイドドアを閉め席に戻った。
「皆んなあの2人の顔見た?めっちゃ面白かったよw」
「鳩が豆鉄砲食らったような顔してましたねw」
「俺はよく見えなかったっす」
「お前は操縦に集中しろ!」
「じゃあ俺は寝るから着きそうになったら起こしてくれ〜」
「では司令官、無線だけはオンにしといてください。何かあった時困りますので」
「オッケ〜」
「こんなうるさい機内で寝れるんですか?」
「目瞑ってたらいつか寝れるだろ」
30分後
「おい、司令官完全に寝てるぞ」
「….」
「よっぽどお疲れだったのか」
「寝てれば可愛いのになぁ」
「は?起きてても可愛いだろうが」
「いや起きてる時はなんかおじさんっぽいというか」
「そのギャップが良いんだろうがわかってねーなお前」
ザザッ『グローバルホークからオスプレイへ。100km先から二匹の中型ドラゴンが接近中。注意せよ』
「オスプレイからグローバルホークへ。了解した。注告感謝する」
「んん?ふぁ〜あ…ん?何だ?何の話してんだ?」
「あ、起きましたか司令官」
「そりゃ直接耳に声が入ってくるんだから起きるわ。それで何だって?」
「100km先から二匹の中型ドラゴンが接近中とのことです」
「ふむ…二匹の中型ドラゴンねぇ…」
「どうしました?」
「よし。機長。コースそのままで頼む」
「司令官?」
「良いんですか司令官」
「あぁ、そのままで」
「りょ、了解しました」
10分後
「司令官、アパッチが確認したところ二匹のドラゴンには人が乗っているようです」
「うーんこれはビンゴかなぁ〜」
「どういうことです?」
「ここら辺には魔王軍のドラゴンがほぼ毎回二匹で哨戒してるからもしかしたらって思ったんだ」
「なるほど。では魔王軍の哨戒機の可能性が高いと…」
「じゃないかなぁ」
そう話しているうちに距離は縮まっていった。
「司令官まもなく会敵します」
「どれどれ〜?」
和宏は脳内スクリーンにアパッチの光学赤外線カメラ(MーTADs/PNVS)を映した。
「やっぱりビンゴだったか」
「そのようですね」
「よし機長!そのまま突っ切れ!」
「了解!」
オスプレイとアパッチは二機の魔王軍哨戒機を横切った。が、二機の哨戒機は追随して追ってきた。
「おぉ〜釣れた釣れたw」
「こっわ!司令官めっちゃ追ってきてますよ!」
「これが狙いだったんですか?」
「その通り〜てうわ撃ってきやがった」
横綱サイズの火球がオスプレイの右を飛んでいった。
「徐々に切り離せてますね」
「そうだけど思ってた以上ドラゴン遅いんだが….機長、今何キロ出てるー?」
「今194ノットなので大体360kmです!」
「うん。あまり速くないな」
「生物にしちゃめっちゃ速いっすよ!て司令官!また撃ってきました!」
今度は左を抜けていった。
「もしかして…わざと外してるのか?」
「警告射撃のつもりなんですかね」
「ちょっとやり返してみようか」
アパッチとオスプレイの機体後部からフレアが放たれた。
魔王軍の哨戒機は避けきれずもろにフレアを食らってしまい一匹は目に当たり、もう一匹は体を数箇所を火傷し二匹は悲鳴をあげた。
グオオオォォォォォォッ!!
「おぉ〜効いてる効いてるw」
「逆に怒らせてません?」
目にフレアを食らったドラゴンは相当怒ったらしく、制御不能になり速度を上げ迫ってきた。
「一匹近づいてきます!」
「よーし機長、右に40度旋回してくれ」
「了解!」
和宏は右サイドドアを開け収納魔法からM61 バルカン砲を出した。
【M61バルカン砲はアメリカが1959年に運用を開始しF104やF22と数々の戦闘機や攻撃機に搭載されたバルカン砲=M61という感じのメジャーなバルカン砲である】
「「「司令官!?」」」
「さぁ耐えれるものなら耐えてみな!」
ブァァアアアアアアアアアッ!!
ギャオスッ!
1秒に100発という凄まじい勢いの弾丸が硬い鱗を貫きドラゴンと龍騎士の内臓が散らばりながら海へと落ちていった。
「あははははっ!トカゲもどきなど現代兵器の前には無力!!無力なのだよ!!」
「司令官さすがっす!」
「バチクソカッコよかったっす!」
「一生ついていきます司令官!」
「えへへまぁ落ち着きたまえよ諸君〜」
「ドラゴンも大したことねぇなあ!」
「いや、M61が強すぎるだけじゃ…」
「司令官!もう一匹逃げ始めました!」
「まぁ目の前で仲間がミンチにされたら逃げるわなw」
「どうしますか司令官」
「アパッチ、ヘルファイアの使用を許可する。あのトカゲを肉塊にしちゃいな」
ザザッ『ラジャー。ヘルファイアを使用します』
シュッシュッ…ゴゴォオオオオオオッ!!
アパッチから2発のヘルファイアが発射され吸い込まれるように命中した。
ドォオオオオオオンッ…
ドラゴンと龍騎士は悲鳴を上げる間もなく肉塊へ変えられた。
ザザッ『ヘルファイア命中を確認』
「Fooooooo!!!汚ねぇ花火だぜ!」
「お前それ言いたいだけだろ」
「よくやったアパッチ。さ、帰るぞ〜」
ピロン
「ん?」
翌朝 魔王軍 ランディア王国 東沿岸部 魔王軍 仮設司令部
「指揮官、地下施設の修復及び拡張作業完了しました」
「人員の移動も完了してます」
「本国への伝令も完了し増援も今日中に来るとのことです」
「南へ移した司令部の建設は完了しましたが前線近くに移した宿舎はまだ時間がかかりそうです」
「そして指揮官、全線偵察部隊の飛龍一騎が増援の連合軍が前線に集結中だと報告がありました」
「やはりバレたか。諸君、急いで復旧した司令部へ移動するぞ」
「「「はっ!」」」
食堂
「クソッ今度は連合軍かよ」
「なぁルイス、やっぱ今日は来ないんじゃないか?」
「まだ昼だぞ?油断はできねぇ」
ルイスとカイルを含め部隊全体が2方面からの攻撃に不安を感じていた。
カンカンカンカンッ!!
『連合軍が大規模攻撃を開始、第179〜89歩兵連隊と第121工兵部隊は前線に合流せよ』
「え、俺らもか!?」
「マジかよこんな時に!よしカイル行くぞ!」
「工兵なら前線に行かなくて良いと思ったのによー!」
「待て!お前がルイスだな?指揮官がお呼びだ」
「けど俺前線に行かなきゃ…」
「とにかく行け!」
「りょ、了解!悪いカイル後でな!」
「早く戻ってこいよー!」
司令部
「それでなんでしょうか指揮官」
「ルイス、君は第121工兵部隊だね?」
「はい、先ほど前線に行くようにと号令があったので準備しようと思ったのですが…」
「そのことだが君にはここに残ってレグナからの攻撃をに備えてもらいたい」
「お、俺がですか?」
「そうだ。君は彼女と戦ったのだろう?」
「確かにあいつと戦いましたが全く歯が立ちませんでした…」
「それでも残ってくれないか?」
「…わかりました。ではカイルに俺がここに残ることを伝えてくれませんか?」
「わかった。君の友人にも伝えておこう」
「ありがとうございます!では失礼します」
バタン
「礼を言うのはこっちの方なんだがな…」
「指揮官よろしいですかな」
「あぁ、どうした参謀長」
「連合軍の大規模部隊と我が軍が先ほど衝突しました」
「そうか。耐えれそうか?」
「はい。前線に投入した増援の飛龍もいますしこれからさらに増援を向かわせますからなんとか持ちそうです」
「そうか。しかし先日の攻撃で司令部周辺の部隊を失ったのは痛いな。連合軍の奇襲があるかもしれん。参謀長、至急対策を立ててくれ」
「わかりました」
昼 前線基地
第121工兵部隊が第179〜89歩兵連隊より先に到着した。
「よく来てくれた。」
「戦況はどうだ?」
「消耗戦って感じだ。無限に敵が湧いてくるらしい」
「さすが物量任せの連合軍だな」
「それは我が軍も同じだろう。まぁ良い、早速で申し訳ないが第121工兵部隊は今すぐ最前線に行ってくれ」
「了解した」
昼過 最前線
第121工兵部隊は敵の爆裂魔法から身を守る塹壕の復旧作業をしていた。
カイルも仲間たちと作業に従事していた。
「なんで俺たち攻撃されてる中作業してるんです!?」
「敵が引く様子無いからだとよ!!」
連合軍は次々と部隊を送り込んで来ていた。
前線図
同時刻 揚陸指揮艦 ブルー・リッジ 艦橋
「ただいま〜」
「あ、司令。拉致した3人どうでした?」
「うるさいやつ1人黙らしたら他の2人いっぱい話してくれたよw」
「司令に歯向かうなど身の程知らずですね。他の2人もやりましょうか?」
「いや良いよ。それより書記ちゃん、準備の方はどうなってる?」
「あと数分で全て完了しますよ」
「いいね。それにしてもデカいなぁ」
ブルー・リッジの隣には空母ジェラルド・R・フォードが並走していた。
艦隊図
「ですが司令、もう第二戦略港は満杯ですよ?」
「そうなんだよなぁ。まぁなんとかなるっしょ」
「だと良いのですが….あ、司令、準備完了しましたよ」
「りょーかい」
「司令官」
「どうした艦長」
「2時の方に連合軍と思われる哨戒機が2機こちらに向かってきてます」
「バレたのか?」
「いえ、まだ相手からは確認できる距離ではありませんからバレてないと思われます」
「そうか。まぁ良いや落としちゃって」
「はっ、了解しました」
「ブルー・リッジからタイコンデロガへ。撃墜命令が降った。直ちに目標を撃墜せよ」
『了解した。目標を撃墜する』
前方を航行するタイコンデロガ級から煙が上がった。
「SMー2発射。目標まで80秒」
「待ってめっちゃ速いな」
「ジェット機やミサイル相手に作られたものですからね」
「うーんさすが」
『インターセプト。目標撃墜しました』
「グッジョブ!さて、始めるとしますか…」
数分後、無数のトマホークが南の彼方へ飛んでいった。
ランディア王国 連合軍 前線司令部
「偵察隊の飛竜との魔信が途絶えただと?」
「はい。なんの前触れも無く途絶えました」
「どうせ魔石の異常か何かだろ」
「そうかもしれませんが万一ということもありますから念のため飛竜を上げてみては?」
「無理だ。今はそんな余裕ないくらいお前もわかってるだろ?」
「しかし…」
ガタガタガタガタ…
「なんだ…?」
ドォオオオオオオン….
空気が震えるような低い轟音が周辺に何度も響き渡った。
「一体なにが…」
「監視員!何か報告せい!」
「せ、戦線で大規模な爆発が連続で起きた模様です!!敵陣営にも起きた模様!!」
「敵陣でもだと?」
「どうなってるんだ?」
「そんなことより被害報告急げ!!」
最前線
「ん…?….んん…重い…っ!お、おいっ!しっかりしろ!」
濃い砂埃が漂う中カイルは仲間の下敷きになっていた。トマホークの雨から奇跡的に生きていたのだ。
「ダメか….げほっげほっ…くっ…くっそまだ耳鳴りが….さっき俺は….っ!?」
カイルは塹壕の外にいた部隊数名と共に数メートル吹き飛ばされ一緒に飛ばされた仲間は破片が身体中に突き刺さりすでに生き絶えていた。
「お、おいっ….いっ…て…!」
破片はカイルの左腕と左肩にも刺さっていた。
「いってぇ…どうなってんだよ…」
周りを見ると爆発によって切り裂かれた大地と血に染まった塹壕が広がっていた。
転がっている兵士たちの頭。呻き声を上げ崩れた塹壕から必死に這い出ようとする数人の兵士達。腹部がえぐられたり顔が無くなった巨人兵、敵陣から聞こえてくる叫び声。最前線は本当の地獄と化していた。
「あ….うっ…」
あまりの惨状に吐きそうになる。
「はぁ…はぁ…….っ!」
まただ、またあの音がする。この惨状を作り出したあの無数の矢の音が。
「ちくしょう….死にたくない…こんなところで…いやだいやだいやだ…!」
カイルは前線基地の方へ走り出したその瞬間、無数の矢はカイルの近くに落ちた。
攻撃地点
魔王軍 司令部
「なっ…」
ルイスは指揮官から最前線で起きたことを聞かされ衝撃を受けていた。
「本当…なんですか?」
「あぁ。先ほどの音は最前線で大規模な爆発がいくつも起きた音だったらしい」
「そ、それでカイルは大丈夫なんですか!?」
「まだ詳しい被害報告が入ってきてないから報告が入るまで待っていてほしい」
「い、いや前線に行かせてください!」
「ダメだ!万が一レグナが来た時のために君をここに残したことを忘れたのか!」
「そうそう。まだ行っちゃダメだよ〜」
「この声は!?」
「やっほ〜ルイス。足治ったか?」
ドアの前には爆発を引き起こした張本人であるレグナがルイスに手を振っていた。
「なんで….お前がここに…!」
「ルイス、まさか彼女が?」
「は、はい。こいつです…」
「君は一体どうやって…」
「なぜ入って来れたかって?言うわけないでしょ?けど案外簡単だったよw」
「ルイスが言った通り、随分と我々を舐めているんだな」
「昔から調子乗るとこうなるんだよね〜俺の悪い癖だわ」
「今度こそ…」
ルイスが剣の柄に手をかける。
「待てルイス!今は冷静になれ」
「しかし!」
「君も懲りないね〜」
「レグナと言ったか、それで君がここに来た目的はなんだ」
「あ、そうそうこれを渡そうと思ってね」
ルイスと指揮官の前に棺が現れた。
「これは…誰の棺だね?」
「ここの前の指揮官だよ。中に遺書も入ってる。ルイス、君も知りたがってただろ?」
「っ!」
「お前….っ!!」
ルイスはまた剣の柄に手をかけたが指揮官に腕を強く掴まれ止められた。
「ルイス、感情に流されるな。彼女は君が感情的になるように誘ってるんだ」
「その通り。さすが指揮官だね」
「敵に褒めれられとはな。それと、一つ聞いて良いかな?」
「ん?何かな?」
「連合軍も攻撃されたと聞いたが本当か?」
「あぁ、攻撃したよ」
「君が連合軍を攻撃してどうなる?敵が増えるだけだろう?」
「ふっ、あははっ…」
「おかしな事でも言ったかな?」
「それは誰に攻撃されたかが分かればの話だよ指揮官さん。仮に、俺らが攻撃したとわかっても。連合軍と君たちが束になっても。俺らが負けることなんて無いんだからさ」
「あ、それとルイス」
「なんだよクソ女」
「また足折られたいのかな?まぁ良いや。一つ君に謝っておこうと思ってね?」
「俺の足を折った事ならお前の命一つで許してやるぞ」
「いや、その事じゃないんだな」
「じゃあなんだよ」
「さっきカイル君が前線にいるってそこの指揮官と話してたよね?」
「なんでお前がそれを…まさかお前…!」
「カイルに何をした!!」
「いやまさかあっちにカイル君がいるなんてびっくりしたよ〜。いないと思って思いっきり根絶やしにしちゃったからさ?多分カイル君生きてないと思うんだよね。だから謝っておこうと思ってさ?」
「よくも…」
「いやわざとじゃ無いんだよ?たまたま偶然ね?攻撃するところを変えたらカイル君もそっちに行っちゃったっていうか〜。本当に偶然だったんだよね。多分カイル君助かってないよ。ごめんね?」
レグナは反省する様子もなくニヤけた顔をしながらルイスに謝罪をした。
「…」
ガタッ
「よせルイス!」
ルイスは静止される前にレグナに斬りかかった。
ガンッ
「っ!?」
ルイスの斬撃はレグナの魔障壁によって防がれた。
「魔障壁だと…」
「またあの壁が出てくると思った?わかりやすいなぁほんとw」
「この悪魔がっ!殺すっ!絶対殺してやるっ!!」
ガンッ ガンッ
「あははっ。魔族に悪魔呼ばわりされちゃった。じゃあ指揮官さん?これから大変になるだろうから俺はこれで失礼させてもらうよ」
「大変なことってどういうことだ…?」
「それは起きてからのお楽しみだよ。じゃ、俺はもう行くからじゃあね〜」
「おい待てクソっ!」
ルイスは何度も魔障壁に斬撃を入れるがびくともしない。
「よせルイス。無駄だ」
「クソックソックソッ!指揮官!もう前線行っても良いですか!?」
「ダメだ」
「何故ですか!もうレグナは帰りましたよ!」
「少し頭を冷やせ!」
「うっ…指揮官…」
ルイスは指揮官に魔法をかけられ眠った。
「まさかこんなことになるなんてな…..」
バタンッ!
「指揮官!大変ですぞ!」
参謀長が息を切らしながら入ってきた。
「どうした?」
「膠着状態だった戦線も何者かに攻撃され壊滅状態です。敵も同様に攻撃されてます」
「っ!そういうことか…」
「しかも見たことのない咆哮をしながら飛ぶ龍のような飛翔体だそうで」
「そうか….参謀長、直ちに前線基地へ残ってる戦力を戦線に送るよう伝えてくれ。それと直ちに本国へ増援の要請をしてくれ」
「了解しました」
バタン
「…..まさか」
指揮官は戦線の地図を見ながら最悪の事態を考えていた。
難しいですねこういうの書くの




