菊池は今日もゆく
俺は猫、名前は菊池である。
どこにでもいる、普通の猫さ。
俺が住んでいる所は、駄菓子屋である。
俺はそこの看板猫をしているのさ。
今日もこの暑い中、子どもたちがやってきた。
「おばちゃーん、これください!」
色々ある駄菓子の中から選んで、店主のよねさんの所に持って行く。
よねさんは、俺の飼い主である。
ある程度看板猫をやったら、次は近所のパトロールだ。
歩いていると、向こうから1匹のブチ猫がやってくる。
それは、友であるサブだった。
「よぉ菊池。元気かい?」
「あぁ、今日も暑いな」
「これだと、とけてしまいそうだよ」
俺たちは何気ない会話をして、またなと言って別れた。
また少し歩いていると、今度はケンカをしている2匹の猫に会った。
仕方なく、俺は仲裁に入った。
「おいおい、どうしたんだい。ケンカはいけないよ」
「だって、あいつが俺の飯を食ったんだ!」
「お前だって、オイラの好きなおやつ食べたじゃないか!」
そして、また2匹はケンカを始める。
なんだ、食べ物の話か。
とりあえず2匹に猫パンチをして、その場から去った。
俺がまた歩いていると、日陰でくつろいでいる白猫がいた。
知り合いのこまちである。
「あらあら、菊池さん。今日は暑いわねぇ」
「そうだな。見回るのも大変だよ」
「猫は体温高いんだから、あまり外にいたらだめよ?」
「わかっているよ」
こまちと別れた俺は、駄菓子屋に帰る事にした。
パトロールが終わった俺を、よねさんが出迎える。
「あら、菊池。やっと帰ってきたのね」
「にゃー」
「今日は暑かったから、のどが渇いたでしょ? さぁ、お飲み」
「にゃー!」
喜ぶ俺を見て、よねさんもうれしそうである。
俺は、出された水をゆっくり飲む。
飲み終わったら、俺はまた看板猫を再開する。
これが俺の1日である。
今日は穏やかな日々だったが、明日はどうなるかわからない。
どしゃぶりの雨かもしれない。
よねさんとケンカをするかもしれない。
だけど、俺の日常は変わらない。
俺は大きなあくびをして、ごろんと横になった。
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