表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はじまりの物語  作者: はあや
本編
1/431

プロローグ

初投稿です。よろしければお付き合いください。



気が付いた時には、身体中が痛むことが増えていた。


血液と一緒に、針で刺したみたいな痛みが身体中を巡って


我慢できない程ではなかったけど、足の裏も痛いから歩くことがきつい日もあって


最初に、「そう言えば、身体が痛いな」と感じたのは、中学三年生の11月ごろ


受験生だったし、椅子に座っていることが多かったから、身体中が固くなっているのかなぁと思っていた。


一応、お母さんに連れられて病院へ行ったけど、どこにも異常はなくて


受験のストレスかもしれないし、あんまり深刻には考えてなかった


できるだけストレッチとかもして身体が固くならないように、ほぐすようにしていたのに、やっぱり週に一回は身体中が痛くて


その時は1時間もすれば治まっていたから、我慢できた。


だけど年が明けて、いよいよ受験本番に近づくけど身体中が痛くて仕方なくて、ベッドで寝ている日が出てきた。


それでも、何とか第一志望に合格できて卒業式も無事に終わって


受験のストレスから解放させたら、きっと痛みも引いていくと思っていたのに


3月の終わりごろには入院した。


痛みがくると動けなくて身体中が重くて、痛みが治まっても倦怠感がひどく、そして決まって熱も40℃近くでた。


だけど、いろいろ検査してもやっぱり原因は分からなくて


一週間くらいで退院して、入学式は出席できた。


いつ痛みがくるかわからないから、なんだか落ち着かなかったけど、席が近い子とは仲良くなれそうで、担任の先生も話しやすそうで、これからの学校生活が楽しみだった。


2歳年上のお兄ちゃんが一緒の学校だから、通学は一緒に


痛みがあったらすぐに病院へ行く。


あといくつか両親と約束したけど、4月の終わりには「GWに遊びに行こう」って約束する友達もできた。


体育はお医者さんに言われて当分は見学だけど、他の授業は普通に受けることはできていたし


始発駅から電車に乗るから、毎日座って窓から海を眺めるのが好きだった。


放課後は身体が疲れて重くて、家の帰るのがやっとだったから部活は入らずにいたけど、休みの日は友達とショッピングモールへ行って、映画を見たり、買い物したり、入ったカフェでどうでもいい話でお喋りしたり。とっても楽しくて、充実した毎日だったと思う。


だけど梅雨の時期には、学校にいけない日が出てきた。


授業中に痛みが酷くなって保健室へ行くことが増えた。


夏休み、また入院した。


いっぱい検査もしたけど、やっぱり原因は分からなくて。


中学の友達も、高校でできた友達もお見舞いに来てくれた。


お兄ちゃんも時々来て宿題教えてくれたし、お父さんもお母さんも毎日のようにお仕事帰りに来てくれた。

お休みの日は「○○のケーキ買ってきたぞ」ってわざわざ遠出して、わたしが好きなお菓子やケーキを買ってきてくれた。


恵まれていたと思う。


わたしもみんなに迷惑かけたくなくて、日中は笑って過ごした。


泣きたいときは、夜一人になってからこっそり泣いた。


痛みが酷いときは、誰にも会いたくなかったけど、心配してそばにいる両親やお兄ちゃんにそんなこと言えなかった。


だから心配かけないように振る舞って、できるだけ無理して痛みを我慢した。


だけど


気が付いたら、「篠崎 優愛(しのざき ゆあ)」と言う普通の日本人だったわたしは


別の人間になっていた。


最後までご覧いただきありがとうございます。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ