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第一章 一話

「やだやだやだやだ!!なんで俺が庶民でお前が勇者なんだよ!ってかステータス高っ!俺の10倍くらいあるじゃん!」


「バウン!」


「ってかお前バウっていうのか。なんかそのまんまだな。」


「バウンバウン!」


勇ましさなど微塵も感じさせない顔でバウは顔をベロベロ舐めてくる。

勇者ってより馬鹿犬なんだから馬鹿者だろこいつ。


それにしてもそっかあ、俺の能力こいつの10分の1かあ。

なんかもう帰りたいなあ。

でも帰り方わかんないしなあ。


「ねえあなた。こんなところでうずくまって何してるの?それに丸腰だし・・・」


てかおなかすいたなあ。

街とかあるのかな。

でもお金ないしなあ。


「ねえ、聞いてる?」


とりあえず街探すかあ。

それにしても、犬の10分の1かあ

はあ・・・


「ねえ!無視しないでよ!、え?聞こえてないの?」


「バウン!」


「ひゃあ!なにこいつ!!魔物!?すごいなめてくるんですけど!」

「やめっ・・・いやぁ・・・ああっ・・・んっ、ああっ・・・」


帰りたいなあ

ママンのビーフシチュー食べたい

はあ・・・


「この魔物めちゃめちゃ力強いんですけど!ねえ助けてよお!お願いだからあ!」


「え?人の声?」


なんか気づいたらエロイことになってた。

なんでこの人バウと戯れてるんだろう。

巨乳だし。エッチなのかな。


「ちょっと!見てないで助けてって!」


「ああ、悪い悪い。ほらバウ、もっとやれ。」


「バウンバウン!」


「ちょっとなにしてんのよ!・・・んあっ・・・止めなさいってぇ・・・!!」


だってなんかエロイし。金髪だし。

てかその犬俺の言うことも聞かないし。


~30分後~


「ひっく・・・なんでそんな意地悪するのよぉ・・・丸腰でうずくまってるからどうかしたのかなって・・・助けてあげようかなっておもったのにぃ・・・」


おっとそれは悪いことをしたな。


「うちのアホ犬が悪かったな。どうか許してくれ。」


「いやよ!よくも私の純潔をけがしてくれたわね!許してあげないんだから!」


これは困ったな。彼女にはこの世界のこととかいろいろ聞いておきたいし。

かくなる上は。


「いけ!バウ!」


「バウンバウン!」


「ちょっと!ひどい!許すからっ、いやっ・・・いやああああああああああああ」


許してもらったとこ悪いんだが、こいつの止め方俺も知らないんだわ。


~30分後~


「もう私はお嫁にはいけないんだわ・・・ふふふ・・・けがされてしまった・・・もうなんでもいい・・・ふふ・・・」


多分だけどやりすぎたな。多分。


「おーい、そろそろ機嫌なおしてくれよ。バウも反省してるからさ」


「バウン!」


本当に反省してんのかこいつ


「バウもかわいい女性に会えてうれしくなっちゃったんだよ。」


「え?私かわいい?ほんとに?」


お?なんか立ち直ったっぽいぞ?


「そうよね!私かわいいものね!こんな魔物になめられたくらいで私のかわいさに影響が出たりはしないわよね!」


いや、だいぶ顔べちゃべちゃですごいことになってますけど。

言わないでおこう。


「っと、自己紹介が遅れて申し訳ない。俺はアヤト。あんたこの近くの街とか知らないか?」


「私はアリスよ。街ってロスタリアのこと?」


「あるのか!?できれば案内してほしいんだが!」


「私も帰る途中だから別に構わないけど、あなたロスタリアまでの道も知らないでどこから来たの?」


あー、まずいな。俺の経験上(ラノベ)、異世界転生者だとバレると基本的に面倒ごとになる。

適当な名前言っとくか。


「アキバ村ってとこだよ」


「え?あんたそんなとこから来たの?だいぶ遠いじゃない、よく来たわね。」


あんのかよ。秋葉あんのかよこの世界。


「でもそんなに遠くだったら道を知らないのも納得ね。案内してあげるからついてきなさい。」


なんか都合の良い解釈をしてくれた。ありがとう、チョロイン。


「バウン!」


「ひっ!そうだ!忘れてた!何よこの魔物!」


「魔物じゃないぞ、犬だ」


てか、やっぱりいるんだ、魔物。


「イヌ?なにそれ聞いたことないわね。それより魔物じゃないならなんでこんなに魔力を感じるのよ」


確かにこいつMPすごいあったな。え?お前魔物なの?


「お前魔物なの?」


「バウン!」


「だってさ」



「え、全然わかんないんだけど。まあいいわ、使い魔ならちゃんと手綱引いてよね。それより街に入るのに銀貨20枚必要だから準備しておいて」




マジかよ、金とんのかよ。

もちろん俺はこの世界の通貨など1枚たりとも持っていない。

なんだったら日本のお金だって持ってない。

こうなっては仕方ない・・・




「お金貸してください」




ごみを見るような目をされた。

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