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イグアナの生態よく知らないけど
人類が道具を使うことを覚えるはるか昔、文明さえないような時代の出来事。
豊かな森が存在する自然の中に大きな川が流れていた。
川の流れに沿って辿っていくと、川のまかり角に茅葺屋根の家が並んでいた。
家は10棟程度が連なっており、それを一つの集落として成り立っているようである。
「いやー、おなかがすいた。」
よぼよぼのお爺ちゃんイグアナが杖をつきながら、村を歩いている。
「じじい、一緒に魚を捕りにいこう!」
「いや、私と一緒に山に虫を捕りにいくんだい!」
そんなお爺ちゃんイグアナの周りに、我先にと子イグアナたちがたくさん集まってきた。
「ほっほっほ、ちょっとまっとくれ、わしの体は一つしかないのじゃから」
お爺ちゃんイグアナは笑って答え、子イグアナたちの頭を撫でた。
「触んじゃねえ、息臭いんだじじい」
子イグアナたちは蜘蛛の子を散らすように去っていった。
そう、お爺ちゃんイグアナは嫌われているのだった。
まずはなぜお爺ちゃんイグアナが嫌われているか。
その話を語ろう。