不可解な忠誠
無性に美味しいものを食べたくなる時ってありませんか?その衝動に身を任せて美味しいものを食べに行ったら、後から罪悪感が襲ってきた今日この頃です。罪悪感~~~( ;∀;)
グリフォンはとてもプライドの高い魔物である。それこそ自らが縄張りと定めた場所に異物が入り込めば、必ず危害を加えるのだ。
それは言葉を操れるほど位が高くなったグリフォンでも変わらない。どれだけ若い個体でも並みの人間より遥かに強いグリフォンは人間のことを下等生物とみなし、蔑視の対象とする。
そんなグリフォンがレイストにすら使わなかった呼び方と敬語で綾人に接してきたのだ。
「た、確かにここを縄張りにしていたグリフォンは俺が殺した。かなりの数被害が出ていたようだったからな」
『なるほど、そうでしたか。あなた様にご苦労を掛けていたとは、大変申し訳ございませんでした』
グリフォンは何でもないかのように同じ態度で会話を続ける。
「な、なあ、なんでそんな態度なんだ?俺より強いレイにもそんな態度取らなかったのに...」
『当然のことではありませんか?』
「と、当然?」
会話を続ければ続けるほど綾人の頭の上に?が増えていく。
『ああ、あの若造が分からなかったから我も分からないと思われたのでしょうか。ご心配はいりません。確かに若造が感じ取るには少し厳しいほどまで力が弱まっていらっしゃるようですが、この程度で我はあなた様を見紛うことはありません』
「え?は?え?」
『む?申し訳ありません番様から急ぎの招集が掛かりましたのでこれにて失礼いたします』
「うわっ」
最後まで訳の分からないことを言い続けたグリフォンは突然飛び上がり、綾人はその風圧に煽られ軽く目をつむる。
そして、その目を開けた時にはグリフォンははるか遠くまで飛び去っていた。
「な、何だったんだ?なあ、レイ...レイ?」
向き直りながら問いかけた綾人の視線の先でどうやら考え込んだ様子のレイストが目をつむって腕を組んでいる。
「おーい、レイ?」
「む?ああ、なんだ?主殿」
「いや、あのグリフォン何だったんだろうなって」
「そうだな...」
レイストは答えるそぶりを見せつつ綾人をじっと見つめる。
「なんだよ」
「いや、なんでも。あのグリフォンのことは妾にも分からん。まあ、縁があればまた会うこともあるのではないか?」
「いや、別にまた会いたいわけではないんだけど...」
「ではいいではないか、変なグリフォンだったとだけでも覚えておけばいい。それよりも、そろそろ屋敷に戻った方がよいのではないか?」
「そうだな、そろそろいい時00000 草原に来たときはまだあまり上がっていなかった日がもうかなり高い位置まで上がってきている。
「戻るか」
「うむ」
そうして、二人は何事もなかったかのように屋敷に『転移』で戻った。レイストだけはまだ少し考え事をしていたようだったが。
「アヤト、準備はできましたか?」
「できたけど...わざわざお嬢が聞きに来る必要はないと思うんだよな」
ついに学院に通うため王都に向けて出発する日となり、身支度を済ませた綾人の部屋にベルが訪ねてきた。
「別によいではないですか」
「いやまあ、別にいいんだけどさ...姉御肌なのかな」
「試験の前日に王都に入ることになりますのでしっかりと頭の方も準備しておいてくださいね。実技の方は全く心配していませんが」
「そりゃどうも」
「学術面は三ヶ月で試験範囲を一気に詰め込んだのでかなり心配なんですよ」
「大丈夫だ。心配しなくてもいい。俺は結構頭がいいらしいからな。ルナもそうだ」
「だといいんですが」
「俺はそれよりもお嬢に主席で入学してほしいものだな」
「あら、どうしてですか」
「従者として鼻が高い」
「別にあなたのために勉強しているのではないのですよ?」
「ははは、冗談だよ」
二人で軽く笑った後。すぐにベルの顔が曇る。
「どうした?」
「貴族の侍従というのはそのほとんどがまた貴族なのです。ですが、二人は平民です。もしかしたら、いえ、確実に嫌な思いをしてしまうことがあるでしょう」
「またその話か、大丈夫だって」
「ですが...」
「あのなぁ、主従契約を結ぶ前に学院の話をされた時から平民によるデメリットのことくらい考えてたよ。でもそれを分かった上でお嬢と契約したんだ。今更下らんことを言ってくれるな」
「...アヤトはいいかもしれませんがルナは...」
「俺はルナに蛮行を犯す奴は絶対に許さない」
まるで人を射殺せるような眼光で綾人は言い放つ。
「わ、分かりました。もう何も言いません。しかし、もし仮に憂いていたことが起きたなら必ず相談してください」
「分かってるよ。なあ、ルナ」
「もっちろん!」
「ふぇ!?ルナ!?いつから...」
突然背後から現れたルナにベルは驚いて声を上げてしまう。
「お嬢が暗い顔し始めたくらいから」
「お嬢様、私のこと心配してくれてありがとうございます」
「うぁ、ちょっと...」
頭をなで始めたルナを突き放そうとしている仕草はしているもののまんざらでもなさそうにベルはなでられる。
(眼福)
そんな一行は、その日王都に向けて出向したのだった。
ブックマークや評価、感想をしていただけるとモチベに繋がります。してやってもいいだろうという方はぜひお願いします。
レイスト「やっと王都だな」
ミカゲ「楽しみですね」
レイスト「妾達は基本やることがないからな。存分に王都観光を楽しもうではないか」
ミカゲ「はい」
綾人 「ちゃんと仕事はしてくれよ~」
レイスト「分かっておる」
ミカゲ「命に代えても仕事は全うします。...そもそも仕事ってなんですか?」
綾人 「え?」
ミカゲ「え?」
レイスト「護衛だろう」
ミカゲ「誰のですか?」
綾人 「学院内なら俺の感知能力でお嬢やルナが危険になればすぐさま反応できるかな」
レイスト「...存分に王都観光楽しむか」
ミカゲ「はい」
綾人 「なんか解せん」




