技術こそパワー
一部分投稿すれば絶対にポイントが増えるようになってとても浮かれている今日この頃です。現在の目標は1000ポイントです。達成できるまでお付き合いいただけると嬉しいです。
では、本編どうぞ。
飛んでくる剣戟は先ほどより幾分か鋭く、隙も無い細かなものになっている。
なるほど、さっきの一閃は完全に様子見だったということか。技のキレがまるで違う。隙のない最小限の動きにするために一撃一撃は軽いが、その分手数が多い。攻撃から攻撃へ移るスピードも中々の速度だ。これはレベルだけでは達せない技術の域だろう。
と、チェルトの猛攻を軽く受けながらのんきに綾人は考える。確かに隙はない、いや正確には少ないが綾人の目から見れば一撃一撃に必ず隙が生じている。勿論綾人のステータスであればその隙に攻撃を入れることが可能ではあるが、今回綾人はチェルトのステータスと同じレベルまでセーブして戦うことにしている。そうなると元の綾人にとっての隙が隙でなくなるため、綾人はこの猛攻を止めて攻めに転じるための技術を使わなければならない。
約3ヶ月、やっていたことは座学だけじゃない。当然戦闘訓練だってそれなりに積んできた。その中で剣の技術もかなり学んでいる。幸いこの体は覚えが早く、学んだ技術はぐんぐんと吸収していった。今日この約3ヶ月の特訓の成果を自分でも確かめてみよう。
まず、この猛攻を止めなければならない。幸いそこまで技術差は無いようで、ステータスをセーブしても受け続けるくらいは十分にできている。問題はどうやって止めるか。今も攻撃は勢い衰えずされ続けており、受けながらも綾人の体はじりじりと後退していた。
行動しなければジリ貧になってしまいそうなので、綾人は攻撃を弾き返してすぐに3メートルほどバックステップした。だが、それを待っていたのかチェルトは間髪入れずに距離を詰めてきて、同時に斬りかかってくる。
知ってるよ。
その行動を読んでいた。綾人は少しだけ口角をあげた。
距離を取った相手に詰めながら攻撃を仕掛ければ、当然その攻撃はさっきまでとは違い隙のある攻撃になる。そこまで読めていれば後は簡単だ。バックステップをして態勢が整っていないところに仕掛けるつもりだったのだろうが、綾人は着地した瞬間に迎撃態勢に入る。当然既に距離を詰め攻撃態勢に入っているチェルトはもう他のことはできない。
大上段に木刀を構えたチェルトが迫ってくる。綾人は完全に態勢を整え、次の行動もシミュレーション済み。
振り下ろされたチェルトの木刀が綾人の木刀と交わり、滑っていく。綾人は受けるのではなく、木刀を逆手に持ち、真っすぐ降りてくる木刀を斜めにずらすような形で受け流した。さらに次に仕掛ける攻撃のために少しだけかがんでおく。
ガガガガガガ、と音を立てながらチェルトの木刀が綾人の木刀を滑り、地面へと接近する。そして、地面に接触した瞬間綾人が動いた。かがんでいた足をバネにして、木刀を逆手で持ったまま木刀の柄でチェルトの腹を殴打した。
「かはっ」
その痛みと、腹をえぐられるような不快感にチェルトがよろめく。当然その隙を綾人が見逃すはずもなく、木刀を順手に持ち替えた綾人がチェルトの眼前に木刀を突き付けた。
「チェックメイトです」
「...はは、ちぇっくめいとってなんだい?」
苦痛で顔をしかめたまま、チェルトは笑みをこぼしそういった。
「いやー、まさか僕が君の行動を読んでいることを読んでいるとは思わなかったよ。思考だけじゃなくて行動まで読まれていたしね」
「今回はうまくはまったのでよかったですが、私の技術はやはりチェルト様には及びませんので次やれば確実に私が負けると思いますよ」
「そうかもしれないが、でもそれは大前提としてアヤトが大幅に力をセーブしている場合だろう?」
「たしかに先ほどの戦い、アヤトはいつもの常軌を逸した動きはしていなかったな」
「まあ、いつもの動きをしていてはチェルト様がここに来られた目的を果たせませんし、私もここ三ヶ月ほどの特訓でどれだけ技術が向上しているかも知りたかったですし」
「はは、じゃあやっぱり僕は君に技術をもって負かされたということになるね」
「そう、なるのでしょうか」
「あまり謙遜するのはやめておいた方がいいよ。それは時に他人の毒となるからね。勝者は誇るのが一番だよ」
「...そうですね。ではそうさせていただきま...ぐあっ」
突然綾人が呻いた。
「ど、どうしたんだい?それに...」
「これは...」
少しだけ慌てたチェルトは何かに気づき、そちらに気を取られたようだ。ファラスも同じことに気づいたようである。
「...すみません。体調が悪くなってしまったので戻らせていただきます」
「あ、ああお大事にね」
「気を付けるのだぞ、今のお前は...」
ファラスが何かを言おうとしたが。
「それでは」
そういって足早に綾人は去っていった。
「ファラス...」
「ええ、分かっております。アヤトの、いつもまとっていた覇気のようなものが消えていました」
「そうだよね」
「なんなんだこれ...」
突然、体調が悪くなったわけでもないのに倦怠感のようなものが押し寄せてきた綾人の頭にこんな文言が流れてきた。
『レベルが1000に到達しました』
ブックマークや評価、感想をしていただけるとモチベに繋がります。してやってもいいだろうという方はぜひお願いします。
レイスト「やっと綾人のレベルが開示されたな」
ミカゲ「そうですね。時間が少し飛んでからずっと謎のままでしたからね」
レイスト「まあ、妾は勝手に主殿のステータスを覗けるから知っていたがな」
ミカゲ「流石レイスト様です」
レイスト「ふふん、当然だ」




