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あっ、これ最強だわ  作者: 白銀次
第二章 イクシルベニア侯爵領
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暗殺者2

 キーボードの掃除をしたら予想以上に埃が出てきてびっくりした今日この頃です。見た目以上に埃詰まってますよね。


 では、本編どうぞ。

 「これで良かったかの?主殿」


 「ああ、完璧だ」


 月明りの当たらない場所から人影が浮き上がってくる。人影とは言ってもその頭部には禍々しい角が生えているが。


 「わざわざ対物障壁など張らんでも主殿なら簡単に捕まえられただろうに」


 「保険だよ。危険因子は万が一にも逃すのは危険だからな」


 混乱している暗殺者そっちのけで二人は話を進める。この状況になったら暗殺者が逃げる手段は無いと確信しているからだろう。


 「もし逃げたとしても主殿ならすぐに殺せるだろう?」


 「殺害は最終手段だ。捕縛する方がメリットは明らかに高い。遺体を処理するのだって面倒だ」


 ようやく混乱が解けた暗殺者は何だか危うげな話をしているのに気付き、身を震わせている。そして、その暗殺者の動きを感じ取ったのか、


 「そういえば主殿、こやつはどうするんだ?」


 「とりあえずロープで縛っとくか」


 綾人は『アイテムボックス』を開きそこからロープを取り出す。


 「は?」


 と、その綾人の一連の動作を見てレイストが不可解な声を上げた。暗殺者も顔は見えないが驚いている雰囲気が伝わってくる。


 「何だ?どうした」


 「何だ、って...こちらが聞きたいのだが...()()()()()?」


 「それってどれだよ?」


 綾人は周囲を見回す。特に何もないように思える。


 「今何もない空間から物を取り出しただろう?それは何なのだと聞いているのだ。主殿は『時空魔法』を持っているからいずれ『収納』というのが出来るようになるだろうが、今の主殿の『時空魔法』レベルでは『収納』は使えない。だとしたら今のが何なのか(わらわ)には皆目見当もつかない」


 「いや、スキルの欄に書いて...」


 と、言いかけて綾人は言葉を止めた。よくよく思い出してみると見覚えが無かった。いや、疑問に思ったこともそういえばあった。


 「書いていないだろう。『魔眼』で細かく見たがどこにもそのようなスキルは示されていなかった」


 「ああ、確かに書いていない。これは『アイテムボックス』というものだ。何か、と言われても説明をするのは難しいが...」


 「まさか、異能か?」


 「異能?」


 「異能というのは...いや、後で説明しよう。今はこやつであろう?」


 侵入者であり第一優先事項であるはずの自分をそっちのけで話すものだからすっかり呆けてしまっていた暗殺者に目を向ける。


 「そうだな」


 綾人は手に持っていたロープで暗殺者を縛る。抵抗しても無駄だと思ったのか暗殺者はされるがままだ。


 「ん?」


 綾人は縛っている途中で手の妙な感覚に気付いた。綾人の手はロープを持った状態で腰の方から両腕を巻き込んで縛り始め、現在胸にまで到達しており、綾人の手は暗殺者の胸に添えられていた。


 柔らかい...


 心なしか暗殺者の体が少し強張っているように感じられる。


 「まさか、女!?」


 綾人は慌てて暗殺者から手を離した。


 「何だ?主殿気付いてなかったのか?」


 「いや、分かる訳ないだろ、確かに小柄だけど体つきはローブの上からじゃ分からないし、顔もまだ見てないし、逆に何でレイは分かったんだよ?」


 「フェロモン?」


 「魔族ってそんなことまで分かるの!?」


 「いや、レベルによる五感強化の恩恵だろう。五感のセーブの仕方を覚えなければ耳は全世界の音を聞き取り、鼻は全世界のにおいをかぎとり、目は全世界を見据えてしまいそうなほどだ。フェロモンくらい感じ取れてもおかしくないだろう」


 レイストはスタスタと暗殺者に近付くとフードは脱がせ、暗殺者の顔をさらした。


 そこには、諦念の滲む表情をした美少女がいた。雑に切り揃えられたくすんだ黒髪のショートカットに物憂げだが、綺麗な黒い瞳、目鼻立ちは整っており、十分美少女と言える。汚れてくすんでしまっている黒髪を綺麗にすればルナにも匹敵する美少女が出来上がるだろう。


 と、少女の顔に関する感想を述べつつ、綾人は懐郷の思いを抱いていた。彼女の黒髪黒目は日本人を彷彿とさせるには十分すぎる要素だった。改めて自分が日本とは、地球とは違う世界に来たことを実感する。


 綾人がそんなことを考えていると、少女が綾人を見据え、今まで開かなかった口を開いた。


 「貴方は何故そんなに強いのですか?」


 綾人は驚いた。当然だ。明らかにこんな場面で聞いてくるようなことではない。だが、少女の目は真剣そのものだった。


 「...力が欲しいのか?」


 少女は頷く。


 「貴方は多分私と同じくらいの年のはずです。それなのに貴方は圧倒的すぎる力を持っていまる。一体どうやってそれほどの力を手に入れたんですか?」


 そう言われても綾人は返答に困った。何故なら綾人は()()()()()()()()()。それは彼女のように力を求めているものからしたら冒涜的回答だろう。それに言ったところで彼女には出来ない。


 「俺がここまで強い理由は教えられるものではない」


 だって、教えることが無いから。


 「だが、お前が強くなるのを手伝ってやることは出来る」


 強くなるのに一番簡単なのはレベルを上げる事だ。この世界は魔物を倒せば経験値が手に入る。強い魔物を倒せばそれだけ貰える経験値は増える。だったら、その強い魔物を倒すのを手伝ってやれば彼女は強くなる。しかし、


 「だが、俺のお前に対する信頼はゼロ、いやマイナスだ。お前を強くしたところで俺には何のメリットも無い」


 少しだけ目を輝かせていた少女の瞳にまた闇が降りる。当然だ自分は暗殺者、しかも今は捕らわれの身だ。領主館、それも侯爵邸だ。そこに忍び込むなど死罪とされても何らおかしくはなかった。


 「まあ、そう悲観するな。まだ、お前にとっての希望はある」


 綾人は少女の陰鬱な気配を感じ取り、そう言葉を続ける。


 「希望?」


 少女からしてみれば意味が分からないだろう。領主館に忍び込んだ暗殺者が捕らえられた。この事実に希望などあるものか。


 「そうだ、俺はお前への信頼がマイナスだ。だが、せめてそれをゼロにまで戻せばいい。そこまでできればとりあえず処罰は絶対にされないと思っていい」


 本当であれば今すぐにでも暗殺者を捕らえたことを報告しなければならないが、綾人が考えているのは、自分のそして、ルナの、一応雇ってもらっているベルのメリットだ。綾人は彼女が何らかのメリットになると踏んでいた。


 「そんなこと...」


 目の前の少年がどういう立場で、何故ここにいるのかは分からないが少年が暗殺者の処遇を決められるなど少女は有り得ないと思った。だからこそ漏れた言葉だったが、


 「出来ないと思うか?」


 少女は綾人の力を理解している。常人では辿り着けない域であることを。そして彼女はこの世界が力を持っていれば全て解決できることを知ってしまっていた。だからこそ少年の言葉が真実であることを覚った。


 「だとしても、私は貴方に信頼してもらうことなんてできません。貴方から信頼を得る要素を私は持ち合わせていないから」


 「ああ、お前は何もしなくていい」


 「え?」


 「レイ」


 「了解した。では報告を始めさせてもらおう」


 「???」


 「俺達は暗殺者が差し向けられることを事前に把握していた。だからその理由や関する情報をレイに集めさせたんだ。あの様子を見るに恐らくお前の情報もちゃんとあるんだろう。そこからお前が信用に足るのかを判断する」


 綾人の説明が終わるとともにレイストが報告を始めた。

 ブックマークや評価、感想をしていただけるとモチベに繋がります。してやってもいいだろうという方は是非お願いします。


レイスト「主殿よおなごの胸はどうだった?」


 綾人 「・・・・・・」


レイスト「何だ?恥ずかしがっておるのか?ただ感想を言うだけだぞ?ほら言うてみぃ」


 綾人 「・・・・・・」


レイスト「そんなに言いたくないのか?触っただろう?柔らかかっただろう?なあ?なあ?」


 綾人 「だー!うるせえ!消し飛ばすぞー!」


レイスト「ククク!妾を消し飛ばすとはいい度胸だ!かかってこい主殿!」




 この後書きの会話需要ありますかね?

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― 新着の感想 ―
[一言] あとがきの会話の需要…ですか 個人的には好きですよ? こういうの。
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