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あっ、これ最強だわ  作者: 白銀次
第二章 イクシルベニア侯爵領
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暗殺者

 前部分で言うのを忘れていたのですが、一週間の内で出す日はまちまちとなります。


 最近就寝前にASMR動画をよく視聴しているのですが、私イヤホンを付けたまま就寝できないので就寝時には視聴をやめ、イヤホンを外して寝ている今日この頃です。どうにか頑張ってイヤホンを付けたまま寝ようとしても不可能なんですよね。


 では、本編どうぞ。

 「...了解。任務を開始します」


 イクシルベニア侯爵家、もとい領主館を高台から見下ろす一つの黒い影、辺りは既に夜の帳が降りており、真っ暗だ。


 「ふぅー」


 黒い影は目を閉じ、心を落ち着けるために深呼吸をする。そして、今回の任務の対象がいる領主館に再び目を向ける。


 今回黒い影に与えられた任務は、イクシルベニア侯爵家当主バラード・イクシルベニアの暗殺である。斬殺、刺殺、絞殺、毒殺、その他対象を殺すことが出来れば手段は問わないらしい。


 黒い影は、念話で上に告げたように任務を開始するため、領主館に向かって音もなく移動を始めた。




 「ん?」


 自室で就寝していた綾人は常人では有り得ない速度で領主館に近づいてくる、()()()気配を感じ取った。


 「来たかな?」


 まだ断言できるほどではないが、気配が希薄というのは十分怪しむに値する。綾人はそう判断して、冷静に就寝着から動きやすい服装に着替え、腰に剣を佩いた。


 着替えが終わった時には既に気配は領主館の目と鼻の先まで来ており、立ち止まっていた。最終確認なのだろうか、気配はしばらく止まっている。


 「確定だな」


 『ワールドマップ』と『索敵』を併用して気配の動きを見ていた綾人は、その気配が暗殺者であることを確信した。


 その時点で綾人は暗殺者を適切に、そして迅速に処理するプランを頭の中で展開した。暗殺者のターゲットは侯爵様、侯爵様は現在寝室で侯爵夫人と共に就寝しているため暗殺者はその部屋まで移動する必要がある。


 出入口は正面玄関一つだけ。領主館中の窓は夜になると全て閉められるので、窓からは破壊しない限り侵入不可能。もし破壊して侵入するつもりであれば動きで予測できるため対処可能。


 侵入した後のルートは限られており、侯爵様の寝室は二階の角部屋にある。その部屋まではホールの階段を上がって右に続く20メートルほどの廊下を通る必要がある。暗殺者と対峙するならそこだろう。廊下には窓が二つありどちらも逃走経路になるため、そうならないよう位置取りする必要がある。


 暗殺者は情報を持っている可能性が高いため捕縛。やむをえない状況に至れば最悪殺害も考慮しておく。


 綾人がプランを立て終わると丁度暗殺者に動きがあった。




 黒い影、もとい暗殺者は領主館を隅々まで確認した。全体の大きさ、部屋の配置、窓の配置、人の気配。既に下見でほとんどの事は把握していたが最終確認だ。


 確認を終えると、暗殺者は足音や衣擦れの音を一切鳴らさずに領主館の門まで近づき、ひょいと門番の前で堂々と門を乗り越えた。


 着地音も鳴らさずに綺麗に着地すると、歩みを止めず、正面玄関に向かった。当然扉は施錠されており、鍵が無ければ入ることは出来ない。暗殺者は徐に懐から道具を取り出した。ピッキング用の道具だ。


 領主館の扉であるため当然簡単な形状ではないはずなのだが、暗殺者は物の十秒ほどで開錠してしまった。


 開錠後、予定通りのルートをたどり始める。領主館内部にも見回りの兵士が数人いるが、こぞって暗殺者には気付かない。


 順調だ。しかし、暗殺者は気を緩めない。順調なのは当たり前だ。領主館の兵士は全く練度が無く、隠密系のスキルがあれば簡単に出し抜ける。しかし、不測の事態はいついかなる時も付きまとうものだ。


 ホールの階段を上がり終え、二階に到達する。後は、廊下を渡り切り、ターゲットのいる寝室に侵入し、速やかに命を奪う。簡単なことだ。歩いて、部屋に侵入して、殺す。


 暗殺者は寝室までの距離を一歩また一歩と歩き進めていく。心臓は早鐘のように鳴り響いている。だが、焦らない。自分が未熟なのは当然だ。そう自分に言い聞かせながら進んでいき、廊下の中心部に差し掛かった、というところで異変が起きた。いや、異常が現れた。


 「領主館に何の御用かな?」


 後ろから、芝居じみた少年の声が聞こえてきた。




 (猿芝居にもほどがあるな)


 綾人は言ってみたものの自分の芝居のひどさに思わず嗤った。


 綾人は廊下をゆっくりと進んでいた暗殺者に『隠蔽』を使いながらこっそり背後から接近し、今に至る。ちなみに腰の剣は抜いていない。理由は簡単で抜く必要が無いほど目の前の敵は貧弱だからだ。


 しかし、貧弱とは言え、それなりに実力はあるのだろう、綾人の声を聴いた瞬間腰のダガーを引き抜き、綾人に向き直りながら素早くバックステップで距離を取った。暗殺者はフーデッドローブを着ておりフードを目深にかぶっているため顔は確認できない


 「戦う気か?無駄だと思うがな」


 戦闘態勢を取った暗殺者に綾人がそう告げるが、暗殺者は全く動じない。暗殺者もそんなことは分かっているのだろう。背後を取られた時点で死んだも同然なのだ。


 戦闘態勢を取ってはいるが戦っても絶対に勝ち目はない。そうなった時暗殺者が取る行動は、逃走だ。暗殺者は脳内に叩き込んでいる領主館のマップから逃走経路を導き出した。この廊下にある窓の二つの間に今二人はいる。片方は綾人がいるのでそちらは不可能だ。となれば残りの暗殺者側にある窓しかない。


 暗殺者はすぐに動き出す。だが、綾人は一歩も動かない。何故なら、


 「ぐふっ」


 暗殺者が見えない壁にぶつかって態勢を崩す。辛うじてしりもちをつくことは無かったが、暗殺者は混乱した。そこに、美しい女性の声音が聞こえてきた。

 ブックマークや評価、感想をしていただけると作者のモチベに繋がります。してやってもいいだろうという方は是非お願いします。


レイスト「主殿何だあの小芝居は?」


 綾人 「いや、雰囲気的に何となく...」


レイスト「ククク、それにしても酷い者だったのう」


 綾人 「うるさいな。言うなよちょっと気にしてるんだよ。あそこまで下手だとは思わなかったんだよ」


レイスト「ククク、慣れないことはするものでは無いな」


 綾人 「ぐうの音も出ねえ」

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