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あっ、これ最強だわ  作者: 白銀次
第二章 イクシルベニア侯爵領
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日常パート?

 夜のゲーム配信巡りにハマっている今日この頃です。自分がプレイしたことのないゲームでも、見てるだけで結構面白いのは何でですかね?


 では、本編どうぞ。

 「ほえー、魔王さんってすごいんだねー」


 綾人の自室にてルナがマヌケだが可愛らしい声で反応していた。


 「ははは!そうであろうそうであろう!」


 綾人はルナにレイストを紹介した後、スキルを見直すために二人を放置していたのだが会話はほとんどレイストが自分語りをすることで完結していた。


 途中都市を滅ぼしただとか、大陸一つ沈めただとか聞こえた時は背筋がぞっとした。ていうか随分話が長かったのにまだ話したりないとか言っている。何年生きてるんだろ...。やめよう、考えると身を滅ぼしてしまいそうだ。物理的に。


 ちなみにルナが聞き上手なのかレイストが単純なのか、おそらく後者だろうが、レイストはルナに褒められて上機嫌だ。


 「そういえばルナ、何か用があってきたんだろ?」


 綾人がステータスウィンドウを閉じながら問う。


 「別に用って言うほどの用ではないんだけど...」


 「何だ?煮え切らないな?」


 「本当は私もお夕食のお手伝いなんかをしなくちゃいけないんだけど」


 ルナはベルの側付き、侍女だ。侍従長を筆頭とした侍女たちがこの領主邸の家事をこなしている。


 「スペナさんが初日の授業で疲れただろうから今日は休んでいいよって言ってくれて」


 スペナというのは侍従長のことだ。


 「へえ、優しい人なんだな。で、何でここに?」


 「時間が出来たから、アヤトくんに会いたくて」


 「へ?あ、そ、そうか」


 ルナの直球な愛情表現には綾人はいまだに慣れない。


 「ククク、主殿もそんな顔をするのだな」


 「おい、笑うんじゃない」


 綾人が照れているのを見てレイストが愉快そうに笑っている。


 「はあ、まあいい。...ルナおいで」


 ベットに座っていた。綾人は深く座り直し、自分の股の間にルナが座れる空間を作る。


 その行動を見てルナがてこてこと綾人の方に向かってきて、綾人の股の間に収まった。綾人の予想していたのとは違う収まり方で。


 「えーっと、ルナさん?その向きは違くないですか?」


 「そんなことないよー」


 ルナは綾人に背中を預ける様な座り方ではなく、綾人に向かい合うように座っていた。その状態で綾人の背中に両手を回し、胸に頬擦りを始める。


 「それやってて気持ちいいのか?」


 「気持ちいいよ。あったかくて、アヤトくんの匂いがして、アヤトくんの心臓の音が聞こえる」


 幸せそうな顔と声でルナが言う。


 なんとなく手持無沙汰になった綾人はルナの頭を撫で始める。


 「ふああ~」


 ルナが気持ちよさそうな声を上げる。まるで小動物のような可愛さだ。


 さて、二人の世界に完全に入ってしまっている綾人とルナとは違い、物凄く気まずい者がいる。


 「はあ」


 突然甘ったるい空気をまき散らし始めたあたりから嫌な予感はしていたが、こうなってしまっては時すでに遅しだ。流石に幸せそうな二人にここで茶々を入れるわけにはいかない。


 「影に潜っておくか...」


 仕方なくその辺の物陰に身を潜らせ、出来るだけ二人の事を意識しないようにこの世界の行く末について真剣に考えることにした。




 イクシルベニア侯爵領領主邸における生活は恙無く進んでいった。


 そして、月に複数回用意されているある日の休日の朝。


 「アヤトちょっといいかしら?」


 廊下で出会ったベルに呼び止められた。


 「どうかいたしましたか?」


 周りに他の使用人がいるので綾人は丁寧な口調で答える。


 「これから街に出向くのだけど一緒に行かない?ルナもこれから誘うつもりよ。貴方達この街に来てから領主邸にずっといて街を見る機会も無かったでしょ?こちらに来てから毎日勉強漬けだから息抜きに街に繰り出すのもよいのでは?」


 外出か、確かにこの街に来てからシュベルク草原を除けば外出はほとんどしていない。強いて言えば練兵場に出入りするのにちょっと敷地外に出たくらいだ。ルナも一緒のようだし魅力的な提案かもしれない。


 「お誘いありがとうございます。是非ご一緒させてください」


 「ええ、では馬車で行くので門の前で待っていなさい」


 「承知いたしました」


 そう返事するとベルはスタスタと歩き去っていく。


 綾人はベルに言われた通り領主邸の門まで歩いて向かう。道中暫くの領主邸生活の中で親しくなった人に挨拶したり、チェルトにも会ったので丁寧に挨拶した。相変わらずのキラキラ優男っぷりだった。




 領主邸の門前にイクシルベニア侯爵家のエンブレムが描かれた馬車が停車した。


 「アヤトくーん」


 馬車のドアが開き、ルナが顔をひょこっと覗かせる。


 「アヤト、待たせて悪かったわね。行くわよ」


 同じくドアから顔を覗かせたベルがそう声を掛ける。


 「はい」


 ここでも、まだ門番がいるので綾人は丁寧な口調を崩さずに返事し、馬車に乗り込んだ。


 この世界に来てから初めての大きな街だ。リルクも国境沿いということもありそこそこ発展していたが、イクシルベニア侯爵領とはくらべものにならない。


 とても楽しみだ。

 ブックマークや評価、感想をしていただけると作者のモチベに繋がります。してやってもいいだろうという方は是非お願いします。


レイスト「ルナは主殿に懐き過ぎではないか?」


 綾人 「それは俺も思うが...拒絶する理由は無いからなぁ」


レイスト「妾もあんな風にしてもよいのだろうか?」(ボソッ)


 綾人 「ん?何か言ったか?」


レイスト「いいや何でもない」

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