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あっ、これ最強だわ  作者: 白銀次
第二章 イクシルベニア侯爵領
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主従契約

 最近スイ〇チのスマ〇ラのプレイ時間が1000時間を超えてちょっと嬉しくなったのですが、自分の上達ぶりを鑑みるとス〇ッチの電源をつけっぱなしにしていた時間がほとんどだという事実に気が付いてスンとした気持ちになった今日この頃です。(スンって何だろう)


 では、本編でどうぞ。

 (まず、こいつを仲間にするメリットだ。...まあ、戦力は十分だろう。下手したら世界最強の存在だ。俺も人族基準だと最強に近いのかもしれないが、万が一もありうる。こいつがいればそれは無くなるだろう。他には...ルナの護衛につけておくのもいいかもしれないな。いでもどこでもルナを守ってやれるわけでは無いし、女性のみになってしまう特殊な場合も訪れるだろう。そういう時はこいつがいれば対処できる。ベルもついでで護衛できるかもしれない)


 自らの主を『ついで』と考えている無礼従者筆頭の綾人はさらに思考を続ける。


 (次はデメリットだ。...魔王軍(レイストの統治国家をそう仮定する)の者たちが納得するだろうか?自発的に臣下と呼んでくれなんて言うやつもいるんだ。意外とこいつへの信仰心は高いと見える。この様子だと事情を説明しに行く気も無さそうだから、そこの厄介事の火種はくすぶり続けるだろう。だが、これだけの理由ではこの主従契約を蹴るには軽すぎる。...管理の問題があるな。こいつの衣食住だ。まあ、そもそも衣服を洗濯する必要があるのか食べ物、栄養を取る必要があるのか睡眠をとる必要があるのか分からない。つまり衣食住が必要なのか分からない)


 「ふむ、一応言っておくが妾に食や睡眠は不要だぞ」


 「...心を読むなよ。衣服の洗濯とかはしなくていいのか?」


 「そんなもの必要ない。魔法でどうとでもなる」


 「そうか、便利なものだ」


 (であれば、そこのデメリットは消滅か。他は...まあ特筆すべき様なものは無いな)


 綾人は考えをまとめ終わり、レイストに向き直る。


 「よし、じゃあ『主従契約』をしよう。本当にいいんだな?」


 「つまらん嘘は付かないと言っただろう。それに...」


 「それに?」


 「お主といると面白いことが起こりそうだ」


 「そうか、ではやるぞ...『主従契約』!」


 綾人とレイストを包み込むように白く輝く魔法陣が展開される。本当はここで色々と文言を並べるようだが、『無詠唱』を持っていると相手に承諾の意志があればすぐに契約が行われるようだ。


 二人を包み込んでいた魔法陣の光が収束していき、やがて消えた。


 「完了したようだな」


 レイストが自分の体を確認しながら言う。


 「そうみたいだな。身体的な変化はなにも無さそうか?」


 「ああ、心身共に正常だ」


 「そうか、よかった」


 綾人は安堵の声を漏らした。結んでしまえば命令を強制できるような魔法だ。身体に異常が無くても、心に何らかの異常をきたす可能性を懸念していたのだ。だが、それは杞憂だったようだ。


 「さて、何か命令するか?妾はもうお主...主殿には逆らえないのだぞ?あんなことやこんなことをさせることが出来るぞ?」


 レイストが体をくねらせながら言う。


 「そんなこと命令しねえよ!...これからどうするか...」


 「どうするとは?」


 「いや、俺は今他人の家でお世話になっていてな...流石にお前をそのままにして帰る訳にはいかないんだよ」


 「何だそんな事か」


 「そんな事かって...」


 レイストは綾人にスタスタと歩み寄って、


 「『影潜伏』」


 レイストが綾人の影に()()()


 「うわっ、何だ!?」


 突然の出来事に綾人が取り乱す。


 「落ち着け。『潜伏』の上位系統スキル『影潜伏』だ」


 「『影潜伏』?ていうか脳に直接声が届いているようなんだが」


 「『影潜伏』の能力だ。『影潜伏』はその名の通り影に潜むスキルだ。影があればどこでも潜むことが出来、潜んでいる間は『潜伏』以上の効果を発揮し、人の影に潜れば今の様に念話と同じことができる」


 「そもそも『潜伏』を知らないんだが」


 「『潜伏』は自らの存在を希薄にするものだ。完全に消えるわけでは無いので実力のある者には気付かれるがな」


 「なるほど『隠蔽』に似たスキルか」


 「『隠蔽』?『隠蔽』は自らのステータスを一部隠すだけの雑魚スキルであろう?」


 「は?いやいやそんなことないだろう」


 「む、なんだ私の知らない使い方があるというのか?」


 どうやら綾人とレイストに認識の祖語があるようだ。


 「実際に使ってみた方が早いか、ちょっと影から出てきてくれ」


 ぬるんとレイストが綾人の影から姿を現す。


 「『隠蔽』」


 「これは!本当に『隠蔽』か?でも確かに主殿は『潜伏』のスキルを持っていなかったな」


 「俺は『隠蔽』の使い方はこれしか知らなかったんだが」


 「ははは!そうか!やはり主殿といれば面白いことが起こりそうだな」


 「厄介事は勘弁してほしいんだけどな」


 そう言って嘆息する綾人にレイストは、


 「それは無理な話だろう。主殿のステータスを知られれば国と国が取り合うことになるだろうよ」


 「うげぇ、マジか」


 「ククク、まあ平穏に暮らすことは諦めるのだな」


 「はあ」


 自分を国と国が取り合うだなんて考えただけで憂鬱になる。何度目だろう、この世界にきて憂鬱になるのは。この世界に来てまだあまり日は立っていないのに勘弁してほしいものだ。


 「まあとりあえず俺の未来は置いといて...」


 「置いといていいのか?」


 「これからよろしくレイスト」


 「レイでいい。親しい者はそう呼ぶ。こちらこそだ主殿」


 そう言って二人は握手を交わした。

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