叶わぬ遺志
前の部分のサブタイ変えるの忘れてました。すみません。
私携帯端末のタブレットを持っているのですが、そのタブレットが何故か家のWi-Fiに繋がらなくなったんですよね。接続し直したり一回Wi-Fiの接続設定を初期化したりして色々試したのですが遂に直ることはありませんでした。まあ数日後急に直ったのですが。原因は不明です。事は時間が解決してくれるものなのかなと何となく思いました。勿論そうでない場合もありますけどね。
では、本編どうぞ。
「ククク、何だ?不服か?」
綾人の呆けた顔を見てレイストは楽しそうに笑っている。
「いやっ、不服とかじゃないんだが...いいのか?」
驚きから立ち直った綾人は当然の疑問を呈する。
「良いと言っているだろう。そんなつまらない嘘は付かん」
「そ、そうか?...でもさっき父の遺志を継ぎ、みたいなこと言ってなかったか?それはいいのか?」
「ん?ああそのことか別に問題ない。父の遺志は人族や亜人も含め、全ての種族を支配することだ」
「え...」
綾人がレイストから一歩距離を取る。
「こら、話を最後まで聞かずにそんな反応をするんじゃない。傷付くだろうが」
魔王のメンタルは弱いらしい。
「名乗るときにはいつもああいっているが、遺志を継いでもそれを実行するかは別の話だ」
「つまり、全種族支配をする気はないと?」
「そういうことだ。そもそも全種族支配なんて無理な話だ」
「何故だ?正直お前の強さなら出来る気がするんだが」
「いいや、不可能だ。この世界の種族にはいろいろいるが、その中に天使族という者たちがいる。こいつらと魔物である魔族は相性がめっぽう悪い。天使族の使う『聖属性魔法』、『聖騎士』が使う魔法だな。その魔法は全てが浄化魔法なのだ」
「浄化魔法?」
「浄化魔法というのは瘴気を浄化する魔法のことだ。魔物は瘴気によって構成されている生物で、それは勿論『魔人』も同じだ。瘴気によって形作っている魔物の瘴気が浄化され、消えてしまうと、その魔物は消滅する。全てが瘴気なのだから当然だな」
「へえ、だから天使族には勝てないのか」
「いや、理由はそれだけではない。というよりもう一つの理由が一番の不可能な理由だ。正直天使族だけなら妾一人で滅ぼせる。だが、天使族は妾の見解ではあるが、おそらく世界の調停者なのだろう」
「どういうことだ?」
「浄化魔法というのは魔物以外のその他の種族にはなんら害が無い。そして、天使族は『聖属性魔法』以外を覚えないのだ。他種族には害が無く、魔物だけを狩る存在。つまり魔物の増加を抑え、この世界の破滅をとどめているのだ。実際、300年前我が父レイサルドが他種族侵攻に走った時は天使族も出張ってきたという」
「そうなのか。それで?何故天使族が世界の調停者だったら手を出せないんだ?全種族を支配するには最も邪魔な存在だろう?」
「何事も、そして何者でさえも、無から生まれることはない。何らかの理由があり、何らかの『者』が作り出すのだ」
「分かりにくいな?」
「簡単に言えば、その者は『神』だ」
「神?」
なんだか話のスケールがでかくて疑問符しか浮かばない。
「神が天使族を生み出したということはそれには何らかの理由がある。そしてその理由が、まだ仮定でしかないが、調停者。神に代わって世界を調停する者。もしその者たちを害すれば...」
「...つまり、神に仇名すということか」
「そういうことだ。人族だって神が作ったものだが、人族を害したところで神が出張ってくることはない。天使族は特別なのだよ」
はあ、とレイストが溜息をつく。もしかしたら彼女も全種族支配を夢見ていた時期があったのかもしれない。今ではすっかり現実主義者だが。
「大昔、今ではただの伝承であり詳しく見聞きすることは出来ないが、愚かな人族どもが天使族を淘汰してしまおうと、天使族を害したことがあったらしい。すると、女神が降臨して、主力である大国を天罰により滅ぼし、組していた中小国家も次々と滅ぼしていったとか」
「恐ろしい話だな」
「まあ、伝承ではその滅ぼした女神は涙を流していたそうだがな。創造主である自分が作った存在達、この世界に存在している者は全て創造主の子供のようなものなのだろうな」
「...そうか、もう人族がそんな事をしなければいいんだが」
「どうだろうな、人族はそのことを愚かな記憶として歴史から消し去っているからな。愚かで多大な権力を持ったものがいれば同じことをするかもしれん」
「なっ!」
「ククク、冗談だよ。人族が天使族を攻めた時、それは、まだ宗教というものが確立されていなかった時だ。現在は天使族は人族の中で神の御使いとあがめられている存在だ。同じ轍はもう踏まないだろうよ」
「ったく、からかうなよ」
「ははは!すまんな、最近は臣下としか話していなかったから、ついな」
「臣下かお前国とか統治しているのか?」
「ああ、いや、臣下とは言ったが奴らがそう呼んでくれと言っているから呼んでいるだけだ。第一『魔王』が国を統治する必要があると思うか?」
「いや、知らないが...王ならするんじゃないか?」
「それは人族の常識だろう。国を統治せずとも力づくで全てを手に入れることが出来る『魔王』にとって国を統治するなど不毛以外の何ものでもないわ」
「じゃあ別に国を持っているわけでは無いんだな」
「持ってるぞ?」
「は?」
「まあ、お飾りだがな。統治しようと思えばできるが、さっき言った通り不毛なので臣下共に任せている」
「それでいいのか...」
「いいのだよ、寧ろ真面目に統治していた父が異常なのだ」
「あ、お父さんはちゃんとやってたんだ...実はそっちの方が普通なんじゃないか?」
二つ目のセリフは聞こえないようにぼそっと言った。
「さて、長々と話してしまったが、結局どうするのだ?『主従契約』するのか?しないのか?」
「ああ、そうだったな、えーっと...」
「早くしないと妾は自動で送還されてしまうぞ時間制限があるからな」
「ああ!そうだった!」
綾人は急いで考えをまとめ始めた。
ブックマークや評価、感想をしていただけると作者のモチベに繋がります。してやってもいいだろうという方は是非お願いします。
今日から、この『あっ、これ最強だわ』が50部分に至るまで毎日投稿となります。もう一つの作品もみてくださっている方は申し訳ございません。そちらは一時休載します。




