召喚された者
すみません、昨日までお盆ということで祖父母の家に行っていたので投稿休みました。事前に報告しておけばよかったのですが書いている時はそのことが頭からすっぽり抜けていたのでごめんなさいとしか言いようがないです。
では小話はいります。
祖父母の家での事なのですが、私のいとこも同じくして帰省していたので一緒にゲームをしたんです。それできゃあきゃあ言いながらしたもんだから次の日物凄く声がガラガラになっていた今日この頃です。
それでは本編どうぞ。
「はあ」
リルク支部のギルドマスターであるフレリック・カートルは溜息をついていた。
視線を手元の書類に移す。そこには最近できた心配事の調査報告が書かれていた。綾人のものだ。
「経歴不明のどこからか現れた少年、か。予想はしていたけど身元に繋がる情報は何も無いか。頼れるのは『心眼』で見た情報だけ」
フレリックは『心眼』という『鑑定』の類似スキルを持っている。『鑑定』とは違って、『ステータス』の『称号』部分は見れない。綾人は『転生者』の『称号』を見られたんじゃないかと心配していたが、あれは貴族の世界では大事と言うだけであって綾人の考えすぎであった。
『称号』が見れないとなると『鑑定』の劣化版の様に見えるがそうではない。『心眼』は文字通り少しではあるが相手の心を見ることが出来る。何を考えているのか正確には分からないが、どんな感情を持って喋っているかや、嘘をついているのかいないのかくらいは分かるのである。
「子供にしては異常なレベル、そして見たことのないスキル、極めつけは『聖騎士』と『暗黒騎士』の両立か。...天使と悪魔の間に子でも出たのかな」
ジョブは人によってなれるものが異なる。『聖騎士』は人間の中にごくたまに出現するジョブの中でも上位職、『暗黒騎士』は魔人や一部の魔物の中にごくたまに出現する上位職だ。人間に『暗黒騎士』のジョブが現れることは絶対に無く、魔人や魔物に『聖騎士』が現れることも絶対に無い。もちろん亜人であるエルフやドワーフ、その他の亜人にも二つの職が両立することは無かった。
こういう、世界の事情からして綾人はとても異質な存在だった。フレリックは『ステータス』の中でも人族の部分を注視して『心眼』を行使したが、その表記が変わることは遂に無かった。
「計画の邪魔にならなければいいんだけどね」
フレリックは一人そんな不穏な呟きをしつついつもの業務に戻るのであった。
背中が粟立つ、凄まじいオーラが召喚陣の中から這い出てくる。
勝てない。絶対にこいつには勝てない。綾人の本能が警鐘をやかましく鳴らしていた。綾人はオーラを浴びただけで息が上がり膝が笑ってしまう。この世界に来て綾人は初めて本当の死を感じていた。まだオーラの根源が見えていないのにも関わらずだ。
召喚陣からだんだんとその姿形が見えてきた。まず最初に頭が見える。どうやら人型のようだ。ただ、人とは大きな違いがあり、立派な角が生えていた。どんな動物とも違う禍々しい角だ。
次に顔、目を瞑ってはいるが、目を開ければ凛としているであろう目。しゅっとのびた鼻筋に、艶やかで綺麗な桃色をした唇。髪は、黒髪ロングでつやつや。どう見ても美女だった。
最後に体、色白でスレンダーな体型、だが胸やお尻は大きく、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。少し変わってはいるが明確に好きな体型がある人以外には最高の体型と言えるだろう。
顔からは清楚なイメージが取れるが、身にまとっている衣服は扇情的なもので、胸元は開き、谷間や、綺麗なデコルテを惜しげもなくさらしている。下半身も同様に扇情的なもので、大事なところはちゃんと隠しているが、それ以外はノーガード、現代日本の秋葉原何かをこの姿で闊歩すれば簡易的な写真撮影会が行われそうだ。
綾人はそんな艶やかな姿が現れても興奮の一つもしなかった。当然だ、いくらきれいでも相手は自分を死に追いやる可能性があるのだ。ここまで実力の差がはっきりしていれば恐怖に震えることはあれど、興奮で震えることなどあるはずがない。
禍々しい角を持った美少女が目をゆっくりと開ける。その瞬間今までのオーラはただ漏れ出ていたものだったのか、彼女の内側からとてつもない量のオーラが噴出してくる。
綾人はそのオーラの奔流に必死で耐える。気を抜けば意識が飛んでしまいそうだ。実際綾人でなければ最初の漏れ出ていたオーラだけで卒倒してしまっただろう。
綾人が必死で意識を保っているのを知ってか知らずか、美女は綾人の事を凛と見据えている。そして、口を開いた。
「お主が妾を召喚したものか?」
脳に直接届くかのような、不思議な存在感のある声で彼女は綾人に問う。
「そう、だ」
綾人は気力を振り絞って声を出した。体は言うことを全く聞かず、笑っていた膝は笑うことすらなく硬直していた。
「ふむ、この状態の妾の前で意識を保っているとは、妾を呼び出しただけの事はあるようだな」
綾人はそんな美女の関心したような声を聴きながら必死で頭をまわしていた。
何故こんな化け物が召喚された?『召喚』のレベルは全く上げていない。なのに何故俺を上回るような化け物が召喚されるんだ?『召喚』の鑑定結果にはレベル依存で魔物が召喚されると、...いや、もしかして低確率で出現する高レベルモンスター?低確率と言うからそんな簡単に出る訳が無いだろうと思って可能性の中から除外していた。だとしてもなんだこいつは!?本気で戦っても傷一つ与えられるビジョンすら見えない。
この時の綾人は知らないが、召喚されるものは、レベルだけでなく行使者の魔力量、つまりMPにも左右される。そして、そのMPは低確率の召喚を引いた場合でも適用される。故にこの綾人の実力を凌駕する美女が召喚されたのだ。
慌てるな、召喚された側は召喚した側に逆らえない。つまり、こいつは俺を殺すことが出来ない。それに、ビビッてどうする。
俺はこいつを飼う!
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