顔合わせ2
昨日上げたもう一つの作品から始めたんですけどこの前書きに本当にしょうもないどうでもいい小話を書こうと思います。小話と言っても日によって長さが変わるので読むも読まないもあなた次第です。
少し前の事なのですが家で本を読んでいたら視界の端で何かちらっと動いたような気がしたんですね。その時は気のせいかな?と思ったんですが次は少し意識していたので確かに何か動いたのが分かったんですよ。で、しかも床をすごいスピードで動いているようで、多分虫だろうと思い本を手放してキ〇チョールを手に取ったんですが、次に姿を見せた時に虫では有り得ないようなてらてらした表皮と細長い姿形をしているのが分かりました。私は爬虫類全般が苦手なので認めたくはありませんでしたが、トカゲでした。そこからはもうおろおろしちゃって家には自分しかいないしキンチョ〇ルが効くのかも分からないしで、結局ソファーの上に退避してかべを移動できないことを祈りながら頭からトカゲの事を追い出して再び本を読み始めました。で、しばらくたって完全にトカゲのことを忘れた時、突然ソファーの下からちょろちょろちょろーと出てきたので心臓が止まるかと思いました。ちなみに現在そのトカゲは行方不明です。家に住み着いてないことを祈るばかりです。
では、本編どうぞ。
「レクエ兄さん、少し落ち着いてください」
綾人をバシバシと叩く兄に見かねてベルが冷静な声で諫める。
「そうよ~、レクエ嬉しいのは分かるけど少し落ち着きなさ~い」
もう一つ聞こえたのんびりした声の主はレクエの正面の席に座るヴィオラ・イクシルベニアだ。
彼女はイクシルベニア侯爵家の長女でチェルトの双子の姉らしい。一卵性双生児なのかチェルトをそのまま女にしたような容姿だ。
「む、そんなに俺は落ち着きが無いか?」
心底不思議そうな顔をしてレクエが綾人に問い掛ける。
「え、いや、えーっと...」
流石にこれに肯定を返すのは今の立場では少し憚られる。
「はあ、レクエお兄様、アヤトが困っているじゃないそれに肯定できる従者なんていないわよ」
呆れ声で困っていた綾人に助け船を出してくれたのは綾人の前に座っている女性、ピア・イクシルベニアだ。
彼女はイクシルベニア侯爵家の次女でシルエを幼くしたような容姿をしている。どうやらイクシルベニア侯爵家の令嬢達は皆母親似のようだ。年齢は15歳くらいで他二人の令嬢とは違い髪をサイドに二つに纏めたツインテールが特徴的だ。
「じゃあ、ピアは俺が落ち着きが無いと思うか?」
「ええ、思いますわよ」
即答でそう答えられたことによりレクエは考えるそぶりを見せ黙り込んでしまった。
「えっと?」
「よし!じゃあ話も一段落したところで食べようか。冷めちゃうからね」
チェルトのその言葉を皮切りに各々食べ始めた。全員きれいに食べており流石貴族、と綾人は感嘆する。
「アヤトとルナも遠慮なく食べていいのよ」
シルエにそう言われたことで綾人とルナももそもそと食べ始めた。
・・・・・・・・・・・・
最初は緊張でガチガチだったルナだが料理を食べていくうちにだんだんと解けてきたようで令嬢達や使用人達ともペラペラと喋っていた。俺もチェルトやレクエ、バラードとも話をしていた。いや、正確には考えるのをやめて更に酒まで入ったレクエにずっと絡まれていた。ちなみにこの国では15歳で成人となり成人すればお酒が飲める。15歳になったばかりらしいピアは酒が飲めるのが嬉しいのかがぶがぶのんで酔い潰れ侍女たちに私室に介護されながら連れていかれた。第一印象ではクールなイメージだったので少し意外に思った。
そして、ある程度会話をし終えたところでお開きとなった。なので、綾人は自分の部屋に帰ろうとしたのだが、
「アヤト、少し話がしたいから後で私の部屋に来なさい」
とベルに言われてしまったので帰るのをやめ、
「では、私はお嬢様の部屋を知らないのでご一緒してもよろしいでしょうか?」
「...そうね、分かったわ。付いてきなさい」
・・・・・・・・・・・・
「で、何の用だお嬢」
「すごい変わりようね、そんな切り替えをするよりずっと同じ喋り方の方が楽じゃない?」
「俺にとって丁寧な喋り方をしている時は疲れるんだよ。かといってお貴族様にもこんな喋り方をするわけにはいかないだろう?」
「私もそのお貴族様の内の一人なのだけどね。まあいいわ、学院に入ったらずっとその喋り方よ?大丈夫なの?」
「別に疲れるというだけだ。うっかり素の喋り方が出ることはない。...たぶん」
「ボソッと不安になることを言わないでくれるかしら?」
「まあ、これからのここでの生活で如何にかするさ。お嬢以外には丁寧に喋るつもりだからな。...で、用件は?あまり夜更かしするとお肌によくないぞ」
空には月と無数の星が輝いている。この空は地球で見ていたものとそう変わらないような気がする。星座何かは全部覚えているわけでは無いので完全に同じとは言い切れないが。
「そうね、じゃあ呼んだ理由だけど、貴方の事を教えてほしい」
真剣な目でベルは綾人を見つめる。
「今更か?そういうのは普通従者にする前に聞くものじゃないか?」
「確かにそうだけど、何故かあの時私は貴方を疑わなかった。いや、信じるべきだ、と思考を操作されたように貴方に対して悪い疑問を全く抱かなかった」
(思考を操作されたように、か。もしかしてあの駄女神が何かしてるんじゃないのか?俺がベルと出会い、従者になるのは最初から決まっていた、もしくは駄女神が決めていた。それが救済措置なのか他に何か意味があるのかは分からないが...)
「で、今お嬢は俺の事を疑っているのか?」
「いいえ、今も同じように貴方を信じるべきだと思っているわ。でもそれが異常だと分かったからこそ貴方から貴方のことを聞きたい」
「そうか...長く、はならないな。短いが俺が知っていることは話そう」
もちろん転生どうこうを話すつもりはない記憶喪失という設定を交えたうえでこの世界に来てからのことを話すだけだ。
「変な言い方をするわね?」
「そうだな、俺も他人の口から今の言葉を聞いたら同じようなことを言うだろうよ...俺は所謂記憶喪失という状態だ」
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