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あっ、これ最強だわ  作者: 白銀次
第二章 イクシルベニア侯爵領
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戦闘開始

 「これまたでかいな」


 領主邸を見た綾人の第一声はそれだった。リルクの領主邸をみていないから他の領主邸と比べることが出来ないが、日本で言えば...首相官邸くらいだろうか?


 門前には門番がおり、門の奥にはベルを迎えるために使用人たちが玄関までズラッと並んでいた。


 フィリアは門前で馬車を止め馬から降りて、馬車の扉を開ける。中から出てきたベルの手を取り馬車から降ろす。そして、馬車から降りたベルが門をくぐると、


 「「「「「お帰りなさいませ、お嬢様」」」」」


 使用人たちが一斉に頭を下げた。その中をベルは堂々とした態度で玄関に向かって歩いて行く。綾人はどうすればいいのか分からなかったのでおろおろしていると、ベルが視線を綾人に向け手招きをしたので綾人はルナを馬から急いで下し、ベルの一歩後ろを歩いていたフィリアと並んで歩いた。


 数人の使用人達が綾人とベルに好奇の目を向ける。とても居心地が悪い。


 「お嬢様、旦那様と奥様がお待ちです」


 そう声を掛けた執事が玄関の扉を開く。扉の先には広いホールが広がっていた。一番目を引くのは高級ホテルにあるような巨大なシャンデリア。文明の発展していないこの世界でこのシャンデリアは相当に高価なものだろう。その他にも高そうな壺や絵画など様々な装飾が施されている。


 「分かりました。案内してください」


 「かしこまりました」


 執事が先導して歩き始める。暫く歩くと執事が一つの部屋の前で止まり、扉をノックする。


 「旦那様、お嬢様がお帰りになられました」


 「入れ」


 部屋の中から渋い男性の声が返ってくる。


 「失礼します」


 執事が扉を開けて中に入る。中には四十代前半くらいの男性と三十代前半くらいの女性がソファに座っていた。男性の方は引き締まった体つきで彫りの深い顔をしており、一言で表すならダンディーだろうか。女性は華奢な体躯できれいな目鼻立ちをしている。ベルは母親の血を色濃く受け継いだようだ。


 扉を開けた執事は中に入らず、四人を中に通すため扉を開いたまま脇によける。


 部屋に入ったベルは両親と目を合わせた後頭を下げ、


 「只今帰りました。お父様、お母様」


 「ああ、よく無事に帰って来たな」


 「お帰りなさいベル。心配したわよ」


 ベルの両親は笑顔でそう返した。その顔には確かな安心の色が入っている。本当に心配していたのだろうと綾人は思った。そして、両親の言葉を聞いたベルも頭を上げ、笑顔を見せる。


 「では、お父様、お母様、今回の旅の目的であった私の学園での護衛を紹介します。アヤト、ルナ」


 綾人とルナは前にでて二人の前に跪く。


 「旦那様、奥様、此度よりお嬢様の護衛を務めさせて頂くことになりました綾人と申します。よろしくお願いいたします」


 「私は護衛ではありませんが、お嬢様の側付きを務めさせて頂くことになりましたルナと申します。アヤトくん共々よろしくお願いします」


 「うむ、ベルの父親で王より侯爵の位を授かっているバラード・イクシルベニアだ。よろしく頼もう」


 「ベルの母のシルエ・イクシルベニアよ。よろしくね二人とも」


 「ところでベルよ、この二人はどこかの貴族か?」


 家名を名乗っていないので本来なら有り得ない質問だが、二人の容姿が整っており、また敬語も達者なことからバラードは、つい聞いてしまった。


 「いいえ、どちらも平民でございます」


 「そうか、いや、そうだよな。変なことを聞いた。...さて、アヤトといったな」


 「はい」


 「ベルの目を疑うわけでは無いが、年が年だ。実力を疑わない訳にもいかなくてな」


 「はい、理解しております」


 「そういうわけで、私の私兵と手合わせしてもらいたい。それで実力を見極めるのでな」


 「かしこまりました」


 ベルは少し何か言いたそうだったが綾人の実力を理解させるのは口で説明するより実際に見せた方が早いと思ったのか、特に何も言わなかった。




 ・・・・・・・・・・・・




 練兵場にて綾人は模擬戦を行うことになった。相手は、


 「侯爵様の私兵で隊長をやっている。ファラス・ルネリアだ」


 しっかりと鍛えらた肉体を持っている男、ファラスが手を伸ばしてきたので握手を交わす。


 「お嬢様の護衛を務めさせて頂くことになった綾人です」


 綾人も手短に自己紹介をする。


 模擬戦は木刀で行う。防具は付けない。握手をするために近付いた距離を離しある程度距離を取って構える。今、練兵場には他の兵達とバラード、シルエもいる。


 そして、審判役の兵が声を上げる。


 「ルールは、戦闘不能または降参した方の負けとする。武器は模擬戦用の木刀のみ、魔法は使用不可とする。それでは...始め!」


 「アヤト、先手はそちらに譲ろう。どこからでも掛かってこい」


 見た目は子供である綾人の事を舐めているのだろう。ファラスがそんなことを言う。ただ、別に遠慮する理由も無いので、綾人は甘えることにした。


 「それでは、お言葉に甘えまして」


 綾人は木刀をしっかりと構え、ファラスを見据える。


 「...参ります」


 綾人は強く地面を蹴り、ファラスに向かって飛び出した。

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