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あっ、これ最強だわ  作者: 白銀次
第一章 リルクの街
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旅立ち

投稿少し間が空いてしまってすいません。

手の中にある『魔検石』が綾人の流した魔力により、どんどん色づいていく。


 そして、最終的な色は...白だった。駄女神はちゃんと人に転生させていたようだった。


 「これで文句無いな?」


 綾人は『魔検石』から視線をフレリックへと変える。


 「...ああ、疑ってすまなかったね。『魔検石』は確かだ...でも、『闇属性魔法』の残滓も確かに確認された。この街に『魔人』がいる可能性は十分にある。アヤト君も十分に気を付けてくれ」


 「なあ、ずっと思ってたんだが...何か『魔人』がいちゃいけない理由でもあるのか?」


 確かに異世界人の綾人でも『魔人』と聞けば邪悪な感じはする。だが実際にどんな問題があるのかは分からない。


 「『魔人』って言うのはね。普段は普通の人間と同じような生活を送っているんだけど、暴走することがあるんだ」


 「暴走?」


 「うん。感情が高ぶった時や、酷い痛みを受けた時等に自我を抑えられなくなって暴走するんだよ。しかも、その暴走状態の『魔人』はとても強くなる。どれくらいかと言えば、Sランク冒険者が数人で掛かってやっと倒せるレベルだ。まあ、個体差はあるけどね」


 「Sランクが数人で...暴走した『魔人』ってのは頻繁に出るものなのか?」


 「いや、そう簡単に出てくるものじゃないよ。でも出てくると甚大な被害が出ることが確定するね。実際に七年前運悪くSランク冒険者が一人もいない時に暴走した『魔人』が現れて滅んでしまった国がある」


 「なっ!...国が亡ぶほどなのか...なあ、その国の名前なんて言うんだ?」


 「国の名前?確か...クラトル王国だったかな?どうしてそんなこと聞くんだい?」


 「いや、ちょっと気になることがあっただけだ。...そうかクラトルか」


 綾人の呟きはフレリックの耳には入らなかった。綾人はそのまま思考の海に入る。


 突然黙った綾人を、フレリックが不思議そうに眺めていると、


 「何事だ!」


 と大きな声で、しかも女性の声が階段を降りてくる音と共にギルド内に響く。


 ギルド二階にある宿泊施設に泊まっていたベルの護衛、フィリアである。完全武装で降りてきた。これには流石に綾人も思考の海から即座に抜け出した。


 「何事だってなんだよ。別に何事も起こってないぞ」


 「あっ、えっと、その...」


 威勢よく降りてきたフィリアだったが、綾人の顔を見た途端に慌てだした。


 「?どうした?」


 フィリアの不審な行動を疑問に思い綾人が問う。


 「そ、その...昨日は申し訳ありませんでした!」


 フィリアは突然謝った。


 「はぁ?」


 「その、昨日は何も知らずに大変失礼な態度を取ってしまいましたので...すいませんでした」


 昨日とは全く違う萎らしい態度のフィリアに綾人は面食らう。しかし、フレリックが横から何やらニヤニヤした視線を送ってくるのでポーカーフェイスを持ち直す。


 「いや、気にしなくていい。後、敬語はやめろ。俺はもうお前の同僚だ仲良くしようぜフィリア」


 綾人は手を伸ばしながらフィリアに近付いていく。そして、フィリアが手を伸ばせば綾人の手を握れる距離で止まる。


 その綾人を見て、フィリアがおずおずと手を差し出す。その手を綾人はガシッと握った。そして、フィリアは笑顔で、


 「ああ、こちらこそ、よろしく頼む。アヤト」


 「ああ...で、フィリアお前なんであんなに慌てて降りて来たんだ?」


 「あっ!そういえば忘れていた。下で物凄い殺気が飛び交っていたから飛び起きて、慌てて武装してから降りて来たんだ。...見たところここには二人しかいないようだが...何をしていたんだ?」


 「なるほど、それで降りてきたのか。...何かすまなかったな」


 「僕も謝ろう。すまなかった」


 今まで無言だったフレリックも謝罪を口にした。


 「まあ、少しいざこざがあっただけだ。気にしないでくれ」


 「...そうか、まあ気にするなというのならそうしよう」


 「ああ、そうしてくれ...そうだ、もう準備が出来る。今日中にまたギルドに来るからその時に出発とお嬢に言っておいてくれ」


 「了解した」


 「頼むな」


 アヤトがそういうと、フィリアは二階に戻っていった。戻っていったのを確認して綾人は、


 「じゃあ、ギルマス、さっきのはとりあえず無かったことにして買取金額持ってきてくれ」


 「分かったよ」


 その後、フレリックが持って来た金額に綾人がまたも面食らったのは言うまでもなかった。




 ・・・・・・・・・・・・




 「ルナー!準備できたかー?」


 綾人が呼びかけるとルナがジーナさんと一緒にカウンターの奥から出てくる。


 「準備万端だよ!」


 笑顔で言うルナは世界一可愛い。贔屓じゃないよ?ほんとに可愛いよ?


 「アヤト君お転婆な娘だけどよろしくね」


 「はい、任せてください。ルナは何があっても俺が守ります」


 クサい言葉だが綾人は何の躊躇いもなく言い放つ。


 「ふふ、頼もしいね。ルナもアヤト君に迷惑掛けたら駄目だよ」


 「善処します!」


 ルナがびしっと敬礼のような姿勢で言う。


 「では、行ってきます」


 宿の扉を開けながら言う。


 「気を付けてね」


 綾人とルナはその言葉と共に宿をでた。

これで一章完結です。あ、章付けてたの気付きました?

次話からはイクシルベニア侯爵領編です。お付き合いいただけると幸いです。


「面白い」「続きが読みたい」と思った方、ブックマーク、評価お願いします。感想を頂けると作者のモテベが上がるのでなんでもいいので感想下さい。

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