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あっ、これ最強だわ  作者: 白銀次
第一章 リルクの街
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決定事項

前話でベルちゃんはため口と書いていましたが、貴族の品位的に敬語でこそ無いですが丁寧語に変更しました。

「アヤトさん、じゃなくてアヤト達には我が領に来てもらいます」


 「イクシルベニア侯爵領にか?」


 「ええ、そうです。まだ入学試験まで三か月あります。ですので貴方達にはその期間実技や座学その他にも従者としての振る舞いや他の貴族の方々への礼儀作法等、様々なことを学習してもらいます」


 「三か月か、そんな期間で大丈夫なのか?」


 「問題ありません。イクシルベニア侯爵家の総力を結集して徹底的に教育しますので」


 何か言葉の迫力が凄かった。


 「お、おうそうか、わ、分かった。じゃあとりあえずその方向で行こう。いつ頃に侯爵領に向かうんだ?予定は決めているのか?」


 「予定は決めていませんが、一日でも時間が惜しいのでアヤト達の準備が出来次第発とうと思います。私たちはギルドに泊まることになりましたので準備が出来たら教えてください」


 「了解した。他にも色々決めることはあるだろうが、今のところはこのくらいでいいだろう。他は追々相談ということで」


 「それで問題ないでしょう。・・・では私たちはギルドに戻りますので」


 「それ俺も一緒に行っていいか?」


 「別に構いませんが、何か用事が?」


 「ああ、グリフォンをちょっとな」


 ベルは少しピンときたような顔をしたが、直にその表情に疑問の色を滲ませる。


 「そういえばグリフォンはどうなったのですか?遣いの馬車に積んだわけでもなさそうでしたし・・・」


 「グリフォンは俺が回収した」


 更にベルの疑問の色が増す。


 「回収した?一体どうやって?」


 「その辺も追々だ。もう今日はギルドに行くつもりは無かったんだが、外に出たついでだ。今からグリフォン討伐の諸々をギルマスと話す」


 (正直話すことが多すぎて億劫だ。それに、そこそこは信頼しているが、まだ完全に信頼した訳ではない。ある程度のカードは見せるが『ある程度』だ。まあ、『アイテムボックス』に関しては、グリフォンをどうやって運んだか追及されるだろうから話さない訳にもいかないだろうな。とりあえず今はギルマスとの交渉だ。Aランクって言ってたのにSランクだったからな。どういうことか説明してもらって、報酬嵩増ししてもらわないと。ギルマスにも『アイテムボックス』がばれてしまうが、そこも仕方ないか)


 「・・・分かりました。ではギルドに移動しましょうか」


 ベルが一先ず疑問を引っ込め言う。


 「ああ、ルナはどうする?」


 「私は・・・いいや。宿屋に戻ってるよ。あの男の人とお話するんでしょう?私なんだかあの人の事、苦手だから・・・」


 「 ? そうか、なら行ってくるな」


 綾人にとってこのルナの選択は驚愕に値するものだった。ルナは会って数日の綾人に相当依存している。そして、それは同時にそれだけ好意が強いことを表す。綾人がそこまで考えているのかは定かではないが、少なくとも綾人はルナが自分に依存しているような状態と自覚していた。それ故に比例して驚愕も大きかった。今回は綾人を気遣ってではなく自分の意志で「行きたくない」、と言っているのだ。綾人は別にフレリックに苦手意識はないので、あの場にいただけで話してもいないルナが苦手意識を持つのは理由がよく分からなかった。


 「うん、いってらっしゃい」


 綾人の疑問を吹き飛ばすようにルナが笑顔を向けるので。綾人はそこで考えるのをやめた。


 ・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・



 ・・・


 店を出た後、綾人達は徒歩でギルドに向かった。宿屋とギルドは然程距離が無いので、ベルたちは歩いてきたらしい。いくら近くても侯爵令嬢が歩いてくるのはどうかと思ったが、本人が気にしないようなので放っておいた。綾人は知らないがリルクの街は治安が良く、ドガンのような荒くれものは極少数というのもベルが歩いてきた理由の一つでもあった。


 ギルドに着いてドアを開けた綾人に視線がいくつも突き刺さる。まだ慣れないが一々気にしていられないので無視を決め込む。しかし、同行者は無視してくれなかった。


 「貴様ら!この侯爵令嬢であるベル様をそのような不躾な目で見るとは!無礼だぞ!」


 フィリアは視線がベルに向かっていると思ったのだろう。いや、実際にベルに視線は複数向かっている。が、「侯爵令嬢と一緒に入ってきた」綾人よりは視線の数は少ない。しかし、フィリアは特に考えもせず、「こちらの方向」に視線を向けている者たちに怒鳴った。

 

 「フィリア、やめなさい。私は別に構いません。このような場所に私のような者がいることがおかしいのであって、彼らの目がこちらに向くのはおかしいことではありません」


 視線の大半が綾人に向かっているのを知ってか知らずか、ベルがフィリアを嗜める。


 「しかし、貴族としての外聞が・・・」


 だが、フィリアは食い下がる。


 「あなたならよく知っているでしょう?私はそのようなもの気にしません。貴族が気にすべきなのは自らの外聞ではなく、領の、そして国の外聞です。態々自らの立場をひけらすようなことは貴族の務めではありません」


 「・・・失礼しました」


 (さっきもこんな光景を見たような・・・。しかし、人間が出来ているな。自分の立場に腐らず、貴族のすべきことを履違えない。親の教育の賜物なのか、個人の才能なのか。考えても仕方ない、落ち着いたようだから動くか)


 そう考えてフレリックを呼び出すために受付嬢の元へ行こうとすると、


 「アヤト、あなた何かしたのですか?」


 いくら何でも周りの異様な視線が気になったようでベルが綾人に声を掛けた。


 「少しやらかしただけですよ。気にする必要はありません」


 一応公衆の面前なので敬語で返答する。


 「・・・その話も後で聞かせてくださいね」


 訝し気な目をするベルを見て、綾人は面倒だなぁと、軽くため息をついた。

 第22部、「VSグリフォン(瞬殺)」の『インヴァイト・ユーサネイジア』の描写を変更しました。

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