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あっ、これ最強だわ  作者: 白銀次
第一章 リルクの街
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イチャイチャパート!かと思いきやお嬢様襲来

 騎士たち全員に『ヒール』を掛け終え途中で起きた侍女たちにも手伝ってもらい、『ヒール』では治しきれなかった傷に包帯を巻く(包帯は常備しているらしい)。暫くするとギルマスの遣いが来たのでけが人達とお嬢様を預け、馬車も回収してもらい街に戻ってもらった。その後俺は『アイテムボックス』にグリフォンを回収し帰路に就いた。


 ・・・・・・・・・・・・

 


 ・・・・・・



 ・・・


 まだ日は高いが疲れたし、ルナが心配するだろうから今日はギルドに寄らず『熊の寝床』に帰った。


 ギィ


 と音を立てて扉を開く。するとずっと待っていたかのように目の前にルナがいた。


 「おかえり!」


 というと綾人が返事をする間もなくルナは綾人に飛びついた。


 「た、ただいま」


 (え、いや、流石にずっと待ってたとかは無いよな?)


 綾人が心配していると。カウンターの奥からジーナさんが笑いながらでてきた。


 「あら、アヤト君、お帰りなさい」


 「あ、はい、ただいまです」


 「ルナが突然何も言わずに飛び出してくもんだから何があったのかと思ったら、アヤト君が帰って来たんだねぇ」


 心なしかジーナさんの笑みは微笑じゃなくニヤニヤな気がする。いや、気がするというか絶対そうだ。


 (というか、ルナは犬かな?犬はご主人様が家に入ってくる前に帰ってきたのが分かるらしいけどルナもそうなのかな?あれー?ルナはヒューマンとヒューマンから生まれた純ヒューマンのはずなんだけど?突然変異で獣人族にでもなったのかな?もちろんそんなわけないけどね!)


 綾人がそんなことを考えている間もルナは綾人の胸に頬擦りをしている。


 (まあ、可愛いからいいか)


 可愛いは正義なりって言葉があるしな(無いです)。別に迷惑ってわけでもないからいいや。


 「ルナ、俺は今から部屋で休むがルナはどうする?」


 「勿論アヤトくんと一緒にいるよ」


 ルナは綾人に密着した状態で上目遣いでニコッと笑った。


 (可愛いい)


 ・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・



 ・・・


 部屋のベッドの上で一緒に手を繋いで寝っ転がったり、ベッドの上で互いに相手の方を向いて息が触れ合う距離で見つめあったりしていると、突然ドアがノックされジーナさんの声が聞こえてきた。


 「アヤト君、アヤト君にお客さんが来てるんだけど」


 「俺に客ですか?」


 この世界に来てからまだ数日しか経っていない、その中であった人なんて両手で数え切れるほどしかいない。


 「そうなの、それもどこかのお嬢様みたいでね」


 あー、もう一人しかいないわ。


 「分かりました。少し準備してから行くので待ってもらってて下さい」


 「わかったわ」


 何の用事かは分からないがきっと面倒事だろう。考えただけでも憂鬱だ。


 「俺はちょっと出てくるけど、ルナはどうする?」


 綾人は一緒に聞いていたルナに問いかける。


 「アヤトくんは私がいた方がいい?いない方がいい?」


 これは回答に困る。ルナを巻き込まないためにもいない方がいいんだろうが、いない方がいいとは言い難い。だから・・・


 「ルナの好きなようにしていいよ」


 と、どちらともとれる言い方しかできなかった。さっきまでのテンションのルナだったら迷いなく一緒にいることを選ぶだろう。だがルナは・・・


 「じゃあ私ちょっとお母さんたちのお手伝いしてくるね」


 そうニコニコしながら言った後部屋を出ていった。


 「ルナは本当に聡いな」


 後で思いっ切り甘やかしてやろうと考えつつ、綾人も部屋を出て来客者の元へ向かうのだった。


 ・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・



 ・・・


 俺は今、宿の近くの喫茶店でお茶を飲んでいる。・・・侯爵家のお嬢様と一緒に。


 俺が宿の入り口に向かうとそこには予想通りベル・イクシルベニアと先ほども見た護衛の女騎士がいた。彼女は開口一番宿の入り口で立ち話は迷惑だからと今いる喫茶店に誘ったのだ。移動中に会話は無く、喫茶店でお茶と茶菓子を頼んで今お茶が来たところだ。その間に会話は一切ない。女騎士も無言で座席の横に立っている。


 ベルがお茶をひとくち口に含みそのまま飲み下す。それだけで教養の良さが覗える所作だ。


 「突然押しかけてしまい申し訳ありませんでした」


 「え、あ、ああ構わない」


 突然話しかけてきたので少し返答にもたついてしまった。そしてその返答に反応したのか一瞬女騎士の雰囲気が揺らいだ。怒気のようなものを一瞬見せたのだ。綾人はチラッと女騎士を見るが特に変わった様子は無い。雰囲気も変わりなかった。気のせいか?と思ったが次の俺の言葉で先の雰囲気の揺らぎの意味を理解した。


 「ではまず、今日は助けていただき有難う御座いました」


 「いや、別に気にするな。俺はただ依頼をこなしただけだ。あんたが気にする必要は・・・」


 「おい、貴様」


 その言葉とともに女騎士の怒気が膨れ上がった。俺は思わず壁に立てかけていた魔法剣に手を伸ばす。それくらい彼女の怒気と殺気はすさまじかった。彼女は別に剣を構えているわけでもない。ただこちらを睨んでいるだけなのに首筋にナイフをあてられているんじゃないかと錯覚するほどだ。


 「侯爵令嬢であるお嬢様に向かってそのような口の利き方とはどういう了見だ?」


 おいおい、それだけでこんなに殺気出すなよ。グリフォンに襲われた後の弱弱しい彼女とは似ても似つかない。


 でも、どうしよう言い訳のしようもないんだけど。確かに他の奴らとおんなじ感じで侯爵令嬢に接するべきでは無かった。異世界に来てからずっとこの調子だったからつい。そんな風に綾人が内心返答に困り慌てていると。


 「フィリア、下がりなさい」


 「しかし、お嬢様・・・」


 「下がりなさい」


 「・・・はっ、失礼しました」


 「アヤトさんお気になさらず、そのままの言葉遣いで結構ですので」


 「あ、ああそうさせてもらう」


 申し訳なさそうな顔をしているベルに俺がそういうと、またフィリアが怒気を膨らませた。しかしベルに睨まれすぐに引っ込ませる。まだ俺を睨む目には怒気が籠っているがもう表には出さないようだ。


 やだ、この二人の女の子怖い!


 

 頑張って書くのじゃー!

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