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あっ、これ最強だわ  作者: 白銀次
第一章 リルクの街
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グリフォンの後処理(後)

 「俺の名前は綾人だ。あんたは?」


 「アヤトさんですか。変わったお名前ですね?あっ、失礼しました。私はベルと申します」


 ベルと名乗ったその少女は慌てて立ち上がり、華麗にカーテシーをする。


 (しかし変だな。こんな豪奢な馬車にのっているからどこかの大商家か貴族のお嬢様だろう。そういう家には大体家名がある。艶やかな金髪、透き通るような白い肌、馬車と同じく豪奢な召し物これでただの平民だと言われても納得できない。まあ名乗らなかったということは何かそれなりの事情があるのだろう。今の俺の体と同じくらいの年だろうに)


 綾人の目に哀れみが混じったのを敏感に感じ取ったのか、ベルは首を傾げている。


 (首を傾げている姿も可愛い。はっ!仕草一つでここまで見惚れさせるなんて!恐ろしい子!)


 綾人がそんな馬鹿なことを考えていると、


 「えーと、アヤトさん?私グリフォンに襲われていたと思うのですけど・・・どうなりましたか?」


 おそらく聞きたいことが多すぎたのだろう曖昧な質問になってしまっている。でも聞きたいことは分かるので教えてあげよう。


 「グリフォンなら俺が倒した」


 ベルは綾人が何を言ったか分からないというような呆けた顔をしている。それからたっぷり5秒ベルは綾人が言ったことを噛み砕きようやく理解したのか、呆けた顔から呆れた顔になった。


 「あなたがグリフォンを倒した?そんなわけが無いでしょう?グリフォンは最低でもAランク級の魔物ですよ?私と同じくらいの年の平民の子が家のために冒険者になって稼ぎを得ようとすることは存じていますが、その子供がモンスターを倒す、増してやグリフォンを倒すなんて到底無理な話です。しかもあなたの場合は今一人でしょうBランク級の冒険者が束になっても勝てないのにあなた一人で勝てるわけがありません。お金が欲しいのですか?確かにグリフォンは売ると相当なお金になるでしょうし、討伐報酬も相当なものでしょう。ですがあなたが倒したといったところで誰も信じませんよ?今の私と同じように」


 (随分とボロクソ言ってくれるな。いや悪意が無いことは分かってるんだけどさ、おそらく俺がグリフォンを討伐したと嘘をついて冒険者ギルドで非難の雨にさらされることを危惧しているのだろう。でも倒したものは倒したんだよなぁ)


 「別にあんたが信じようが信じまいが関係ないが外の様子を見てくると良い傷一つないグリフォンの死体が転がってるはずだ。ああ、やっぱりあんたの護衛の騎士たちが頑張ってたら傷一つくらいは付いてるかもな」


 こんなお嬢様が馬車に乗ってたんだ。外の騎士達は十中八九護衛だろう。


 「そうです!フィリア達は!?あの方達は鍛えられた護衛ですけどグリフォンを倒すほどの実力はありませんでした!」


 ベルは突如声を荒げて綾人に問い詰める。余程心配なのだろう。


 (そういえばすっかり忘れてたな。ギルマスにも連絡しねぇと)


 「そのフィリアってのが誰かは分からないが、護衛達は外で倒れている。グリフォンの死体と一緒に見てくると良いついでに『ヒール』を掛けてくれ危険な状態かもしれん、応急処置程度にしかならんが掛けないよりはマシだろう」


 「何故私が『僧侶』のジョブを取得していることが分かるのですか」


 (ああー、そうだよなぁ、普通は分からないんだよなぁ。『鑑定』しただけだけど、言ってもいいかな?まあ言ってもいいだろ。むしろ言った方がグリフォンを倒したっていう話の信憑性も上がるしな)


 「『鑑定』した。それだけだ」


 「『鑑定』!?あり得ません!『鑑定』は500スキルポイントとの交換で取得できるものですよ!?子供が500スキルポイントも貯められるほどLvUPできるわけが・・・」


 「だから、あんたが信じようが信じまいが関係ないんだって、俺が『鑑定』を使ってあんたの取得しているジョブを見抜いたっていう事実がある。以上だ。それよりもいいのか護衛達結構重症だったぞ」


 綾人がベルの言葉を遮って言う。


 「ぐっ、分かりました。ではあなたはどうするんですか?」


 「俺はこの二人を起こしてから、街に連絡する」


 綾人は侍女二人を見ながら言う。


 「分かりました。ではお願いします」


 ベルは律儀に腰を折って言う。そしてドアのない馬車から出ていった。少しして「フィリア!」と大きな声が聞こえてきた。フィリアとはおそらくあの女騎士の事だろう。


 「『ヒール』、『ヒール』これでオッケーだな」


 綾人は侍女二人に『ヒール』を掛け、二人の震えが止まり、少し荒かった呼吸が元に戻ったのを確認してから、意識を内側に向ける。


 (さて、ギルマスに連絡するか。名前は確か・・・フレリック・カートルと『念話』を開始)


 綾人の額に白く発光する魔法陣が現れる『念話』は魔法扱いということだろう。


 『誰だい?』


 突然フレリックの警戒したような声が聞こえる。


 (俺・・・綾人だが)


 『アヤト君かい?どうしたんだい?一応言っておくけど相手との合意が無い上での『念話』は犯罪だよ?』


 (え!?そうなのか!?)


 『まあ別にいいんだけど。次からは気を付けてね?』


 (ああ、すまなかった。とりあえず以降はお前に連絡してもいいんだな?)


 『うん、構わないよ。・・・それでどうしたんだい?態々『念話』取得して僕に連絡しなければいけない事態が起こったんだろう?』


 (まあ、そういうことだ。グリフォン討伐自体は終わったんだがその後の状況が問題でな)


 綾人は事の次第を説明し始めた。

結局次話も同じタイトルで行けそうだからタイトルに困っています

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