武器購入
ギルマスの部屋から出た俺達はルビアから聞いた武器屋に向かっていた。
武器屋に入るとそこには、
「いらっしゃい」
ボーボーの髭、低い背丈、背丈に似合わない大槌、
ドワーフキター!
勿論声には出さないが俺は歓喜に震え上がった。
初の人間以外の種族キター!これぞ異世界の醍醐味の一つドワーフさんだー!しっかし想像通りの見た目してんなー。まあ、グリフォンみたいに俺の知識と違うのもいいけど、期待通りに来てくれるのもまたワクワクするな。
と、まあそれはいったん置いといて、
「剣を買いたい。予算は大金貨一枚だ」
「えっ!全部使っちゃうの!?」
ルナがびっくりしたと言わんばかりの、というか実際にびっくりした様子で聞いてきた。
だが、剣に大金貨一枚くらい使うのは当たり前だろ?確かにこの大金貨はたまたま手に入ったものだが、もしこの大金貨を渡されていなくても、剣に妥協するつもりはなかった。何故なら、
「剣は俺を、そしてルナを守るものだ。だからそこには絶対に妥協しない」
そう、俺だけならまだしも、ルナという守るべき存在が出来てしまったのだ。だから剣には絶対に妥協するつもりはない。
で、今俺はあの剣があったらいいなー、と思っている。それは、
「魔法剣はあるか?」
魔法剣は様々な物語で違う形を持っている。例えば柄だけがあり、その柄に付いている宝石に魔力を流し込めば切れるが刃ではないので刃こぼれしない剣になる魔法剣。但しこの魔法剣の場合は使い手の魔力が尽きれば使えなくなる。属性を付与すれば数倍強くなるが魔力の消費効率が普通の魔法より極端に悪いという欠点がある。他にも、一定時間ではあるが自由に魔法を付与できる魔法剣。流し込む魔力によって切れ味や頑丈さが上がる魔法剣など、様々な魔法剣がある。
そして、今俺が欲しい魔法剣は、魔法の媒体となれる魔法剣だ。
ステッキやロッドなどを使ったほうが魔力の消費効率がいいという物語でよくあるのと同じでこの世界でもそうらしい。それに、魔法が使いたいんだよな。いやあ、使えばいいじゃんとか思ったかもしんないけどさーこの世界きていろいろありすぎなんだよ。ん?街に来る途中?転生直後だよ、元の世界のこととかこっちの世界でのこれからのこととかで頭いっぱいで気付いたら街に着いてたよ。流石に街中で使うわけにもいかないしで結局使えなかったんだよ。
で、あるのかな?思い通りの魔法剣が。
「魔法剣か、ちょっと待ってろ」
そう言って店の奥に行ってしまった。
店内をざっと見まわすが、魔法剣らしきものはない(視力が上がっているので値札や銘まで見える)。
暫く待つと店主が戻ってきた。両手には一振りの剣を携えている。
「これがうちにある唯一の魔法剣だ。ランクはA、金額はぴったり大金貨一枚だ」
ぴったりか、それは丁度いいな。だがそれ以上に気になる単語が聞こえたぞ。
「ランク?」
「そんなことも知らないで魔法剣なんて買いに来たのか坊ちゃん」
というか俺客なのに距離感すごくない?あれか?俺の態度が気に入らないなら別のとこで買え、みたいなやつか?いや、俺は別にそんなこと気にしないからいいんだけどさ。
とりあえず店主の話によるとランクは単純に剣の出来の良さらしい。そしてこのランクは剣だけじゃなくいろいろな武器についているものらしい。ランクの数は冒険者ランクと同じだそうな。ちなみにSSSランクは魔剣や神剣があたるらしい。
でも冒険者ランクを基準に考えるとAランクって相当だよな。
「この剣はあんたが打ったのか?」
「ああ、俺の最高傑作といっても過言ではない」
「そんなものを売っていいのか?」
「なにを言ってやがる。剣は振るうためにあるものだ。そして俺みたいな数多の職人たちは自分の打った剣を振ってもらうために剣を打ってるんだ。それなのに自分の最高傑作を売らずに飾りたてて錆びさせるなんてありえねえ。自分の剣を振るってもらった時こそ初めてその剣が完成した瞬間だと俺は思っている」
「すごい情熱だな」
なんかもう思い通りの効果じゃなくても買おうかな。ロッドだったら安いのもあるし。
「よし、買おう」
「まいどあり。じゃあ今この剣が入ってる鞘はサービスしてやろう。職人じじいの話を聞いてくれた礼だ。遠慮しなくていい。どうせ大した値段でもない」
「そうか、じゃあありがたく貰っておこう」
「もっといい鞘が欲しかったらまたうちに来い。最高のものを作ってやる」
「ああ、金が入ったらまた来るよ」
大金貨を渡して店を出た。いい買い物をしたな。
『鑑定』を行使。
ランクA ダークネスディヴァイド
種類
魔法剣
効果
魔法の媒体となる。マナ消費効率40%UP
剣自体に魔法を付与することが可能。
おお!欲しかった魔法剣の効果な上に魔法付与も出来るのか。
これは本当にいい買い物をした。まあ、この溢れ出る中二病感のある名前はちょっとあれだが、ちょっとカッコいいと思ってしまった自分がいるので無視しよう。
グリフォン討伐が楽しみだ。




