何で今の状況になったのか説明してください①
仄暗い玉座の間。そこには俺と、最期の時を迎えようとしている先代魔王改め俺の父が向かい合っていた。
「エルン、我はもうじき消滅してしまう。私には果たせなかった世界征服。お前には出来るはずだ。少々不精な所はあるが歴代最高の魔力を持っているお前なら、我々の悲願を達成してくれると信じているぞ。あとは任せた、我が息子よ。」
そう言って、体内の魔力が完全に無くなってしまった俺の父は黒い靄となって消滅した。
我々魔族は体内の魔力が尽きると寿命を迎えてしまう。残虐非道で歴代魔王の中でも特に恐れられていた俺の父でさえその摂理には抗えない。
俺は父の言葉を胸に秘めそっと玉座の間を後にした……
のだが、、、
「めんどくせぇぇぇぇぁぁあああ!!何で世界征服なんかせんといかんのじゃい!俺は俺でゆっくり暮らすんじゃあああ!」
そう、父の言葉にもあった通り俺は根っからのめんどくさがり屋なのであった。
「ユダ!ちょっちおいでおいでー」
「はい、何でしょう。」
そういってどこからともなく現れたのは、俺の部下であり隠密、変装を得意とする参謀である。
「えっとー、とりあえず今各地に侵攻してる部下たちを全て撤退させるように。無期限の休暇を与えることにしよう。」
「っっ!! エルル様、それは正気ですか?先代が亡くなって少し動揺しておられると思いますので時間をあけて再度お考えになられた方が…」
「いいからいいから、よろしくぅー!」
そう言って俺は玉座の間を後にして自分のプライベートルームへと転移する。そこにはなんと、書物の山、山、山っ!!
ふっ、早く新しいのを読みたすぎてニヤニヤして来たぜ…
ぐーたらする上で世界征服のことなんか考えてられるかいな!俺はなあ、異世界で流行ってるこの“らのべ”とかいうやつを読破するって決めたんだ!この部屋には1万冊以上のらのべを異世界から取り寄せている!まあ魔力使いすぎて10年くらい寿命縮まったけどな!ふはははは。
ふむふむ、「猫かぶりの猫村さん」か。ちょっと面白そうだな。ん?「異世界は酸素が薄いので、高山病が心配です」 何だこれは。攻めたタイトルだなぁ。お、こっちは何だ?…
先は長そうだ。




