始まりの朝
投稿時間が遅くなりました。今回で一章が終わります。
「クシュン!」
急に襲ってきた寒さで目を冷ます。
あたりを見れば、だいぶ日が傾き始めていて冷たい風が吹き始めていた。
ーーーもう、日が暮れる〜寒いわけだわ。てかまだ誰もいない……まさか! 全員、死んだとかないよな……
と急に不安が押し寄せてきたので、慌てて周りを見渡してみる。
すると少し離れた所でまだ全員、戦っているようだった。
ーーーふぅー。良かった! またカオスな状況になってなくて!
と安心したが……疑問がよぎる。
ーーーまだ誰もレベル7になっていないのか?……遅すぎる。
私は小さな岩に登り、思いっきり叫ぶ。
「ハイ! しゅーーごーーー!」
自分でも驚くほど、小さな体からは想像できない大きな声が出た。どうやらこの体は肺活量も上がっているらしい。
私の声が聞こえたのか、チラホラと全員が集まってくる。
「おはようございます」
一番に到着したエドモンドが、お辞儀をしながら言う。
「おはよー……しょれで? まだ誰もレベル7になってにゃいの?」
私は疑問をストレートにぶつけてみる。
「いえ、レベルは10まで上がりました。 セイラ様が、アホみたいに大の字で寝てらしたので、そのままレベル上げを続けていました」
とエドモンドが無駄に優雅な動作で言う。
どうやら他のみんなも順調にレベルが上がり
ソフィアが12、ソージとレオが9、シロが7まで上がったようだ。
ーーーアホみたいって! たしかに、レディにあるまじき姿かもしれんけど! ……てか、ソフィア12って……この辺の雑魚モンスターどれだけ倒したんだよ……後、シロもなんだかんだ頑張ったんだな……ボロボロだ。
みんなのヤル気に感動して目がウルウルしてきた。私も鬼ではない。今日はもう労ってやろうと思い。
「みんにゃお疲れちゃん! 今日はもう宿に帰って、おいちいご飯でも食べて寝ようかー」
と片腕をあげ人差し指を立てながら言う。
「わかりました」
「やったねー!」
「了解だ」
「食べる元気ないわ〜お風呂に入りたい〜」
「わ、私はもっとや、殺りたいです」
とそれぞれが返事をする。
最後、何か物騒な声が聞こえた気がしたが気のせいだろう。気のせいだと思う事にして街に向かって歩き出す。
無視ではない!気のせいだ!そう気のせい!
一人を除き、全員かなり疲れていたようで、口数も少なく早めに食事を済ませ、昨日も世話になった高級宿屋にみんなで泊まった。
◆◆◆
次の日、朝。
私達は目が覚めてからすぐ宿屋一階の食堂で朝食をとっていた。
私は全員が食べ終わるタイミングを見計らって口を開く、
「あい! 今日は、草原から北にある《迷いの森》に行きましゅ! そこで……レベル15まで上げましゅ!」
本日の課題をいい渡す。
《迷いの森》は、レベル7〜12の植物系モンスターが出てくる森だ。この辺りから、状態異常攻撃をしてくるモンスターが出てくる。だが、使うのはどれも毒くらいだ。
「え〜今日は〜お休みにしましょ〜もう〜体中ギッシギッシよ〜」
相変わらずシロは、レベル上げが嫌なようだ。テーブルに突っ伏しながら喋っている。
「あ! 今日はパーティ戦闘の練習だと思ってみんなで協力して頑張ってね」
シロを無視して話を続ける。
私のスルースキルもだいぶレベルが上がったようだ。
ーーーさてと、今日も見学かー。見てるだけって、つまんないんだよな…………
…………
ーーーあっ! べつに見てなくてもいいんじゃないか? パーティ組んでなら、滅多に危険な事にはならんだろう……それにせっかく街に来たのに観光とか全くしてないや!
と思い出し、
「今日は私、街をかんこ……街で大事な調べ物がありゅから、行けません! みんなで死にゃにゃい程度に協力ちて頑張って!」
とサムズアップしながら言う。本当は調べ物はついでレベルだ。だが、みんなが頑張ってるのに観光目的だとバレると、少し罪悪感が湧いてしまう気がしたからだ。
すると、
「一人で大丈夫ですか? 道はわかりますか? 知らない人にお菓子もらったり、ついていっちゃダメですよ! あ、あと道端で寝たらダメですよ!」
エドモンドが、かなり心配そうに言ってくる。
お前は、私のオカンか!とツッコミそうなのを飲み込み
「大丈夫ー! 私は、大人だから」
本日、二度目のサムズアップをしながら答える。だがエドモンドの顔は納得いかないといった顔だ。
ーーー……しかたない! あの作戦でいくか!
私は、エドモンドの目を真剣に見つめ、
「……エドモンド! 君を今日のリーダーに任命する! 君にしか頼めない重要な役割だ! 頑張ってくれたまえ! 期待している!」
するとエドモンドは、右手を胸に当てお辞儀する。
「わかりました! 俺にしかできないのも納得しました。このメンバーなら妥当な判断ですね! いや……むしろ俺しかいない!」
任されたのが嬉しかったのか、どうやらやる気は十分のようだ。
ーーー最近、うちのエドモンドが素直すぎて怖い。
私はアイテムBOXから、回復薬と毒消草を取り出し、エドモンドに渡す。
「あい! これ回復薬ねー! これで、バッチリだよね?! しっかり強くなってねー」
そして急かすように、みんなを宿屋の玄関に追いやり手を振り声をかける。
「いってらっちゃーい! 無駄に死ぬなよ〜」
最後まで、突っ伏したままだったシロを今日はエドモンドが引きずっていった。
みんなが見えなくなるまで手を振る。
…………
ーーーさてと! せっかく来たのに、観光とか全然してないや! 城塞都市と言えば、やっぱりお城だよね! まずはお城見学だー!
ついでに、イケメン王子やお姫様とか見れたらいいなー。そして、突然敵が現れて私の強さに驚いた王様に特別部隊とか作らされちゃって、魔王倒しに行っちゃったり……
口角が勝手にあがる。最近の私の口角はすぐ上がりたがるようだ。
ーーー希望しかない!
私は、宿屋を出てダッシュで城に向かったのだった。
次から二章です。
次は明日になります




