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幽霊譚  作者: 月影 ゆかり
2/3

消えた2年3組

あれは私が高校生だった頃の話です。


***


確か、2年生の時だったと思います。


あ、そうだ!2年3組でした。


私のクラス、すごくうるさかったんです。


授業中にスマホいじってたり大声で話したり……


そうそう、食べたり飲んだりも普通にしてましたよ。


授業なんて全く聞いてないです


あ、私は聞いてましたよ?


あと3人…くらいはしっかり授業受けてたかな。


まぁ、それだけうるさければ先生だって怒りますよね。


でも、国語の先生は あまり怒ることができなくて……


まだ、若くて先生になりたてだったから…

余計どうしたらいいのか、わからなかったんでしょうね。



うるさすぎて、授業の途中に職員室に帰ってしまったり…なんて多々ありましたよ。


きっと、先生も辛かったと思います。


だって、見ていられないほどガリガリに痩せていったんですから。



先生の死ぬ前日…


生徒がプリントをくしゃくしゃに丸めて投げたんです。


先生が配ったプリントを、先生に向かって…


私、立ち上がって怒鳴ろうとしたんです。


もう、我慢の限界で……


でも、その前に先生が怒鳴ったんです。


「いい加減にしないと、ここの屋上から飛び降りるぞ」って。


みんな、黙りましたよ。


でも、すぐにみんな笑ったんです。


きっと、本当に死ぬなんて思ってなかったんでしょうね。


私、まだ覚えてますよ…


あの先生の目…すごく怖かった。


結局、その日私のクラスが静かになることはなかったです。


次の日…


先生が学校の屋上から飛び降り自殺してました。


もう、本当に、驚きですよ。


だって、紛れもなく私のクラスが、2年3組が殺したってことでしょう?


みんな、一気に静かになりましたよ。


少しは負い目を感じていたんでしょうね。


それがもっと早かったらよかったのに……


でも、静かなのは数日で…また、すぐにうるさくなりました。


それからですよ。


うるさくしていた人達が どんどん痩せて行ったんです。


もう骨と皮しか残ってない状態で…正に国語の先生のような体でした。


そして、最後は学校の屋上から飛び降りて死ぬんです。


みんな、呪いだって言ってました。


先生の呪いだって…


それからクラスは静かになりましたよ。


うるさくしたら殺されるって…


まぁ、今頃遅いですけどね。


2年3組は秋頃には、消えました。


だって、クラスの人数4人しかいなかったんですよ?


それから、私は2年1組に入れられました。


***


え?あれが呪いなわけないじゃないですか!


幽霊なんていません。


みんな負い目を感じていて、終いにはああなってしまった…


それだけですよ。


……まだ何かあるんですか?


え?最近うるさくしてないかって?


…確かに授業あんまり聞いてないなぁ


仲良い友達と同じクラスになれたから…話してばっかり。


…私がガリガリに痩せてる?


あはは、そんなわけ……


まさか、ね。

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