第94話
俺は探知魔法を使い、ライリーと一緒にみんなが集合している場所に向かっている。
木々の間をすり抜け、俺が辿り着くとみんなは自分がどんな特訓をしたか、などを話し合っていた。
「あっ、ミツル先生来た!」
エリックがこちらに気づき、手を振る。
「やっぱり先生が1番最後だね」
レーシャが俺を見てプッと吹き出したのを見て俺も反論する。
「いいや、違うな。今回はライリーも最下位だ!」
「えっ!?僕を巻き込まないでください!」
「二人とも落ち着いてください.....」
モルトはこの中で1番疲れた表情をしており、こちらへのツッコミにもキレがない。
「まぁまぁ、それは置いといて、先生は今まで何をしていたんですか?」
と、フォンが俺に聞いてきた。恐らく、みんなで自分達がしていたことを話していた流れで俺に聞いてきたのだろう。
「ん?俺か?俺は.....特に何もしてないぞ」
何だかみんなを見守っていたなどと言うのは恥ずかしく感じたので適当に誤魔化した。
「えー!?絶対なんかしてましたよね!」
「と、とりあえずそろそろ帰らないと日が暮れるからな。みんなの話を聞きながら帰るとしようか」
そう言いながら俺は歩き始める。この提案をしたのは、みんなの行動を全部見ていた訳ではないので俺の知らない部分の話を聞こうとしたからだ。決して話を逸らしたわけじゃないぞ。
「じゃあまずは俺から!俺はひたすら魔物を狩っていた!!」
エリックはズバッと手を挙げてそう言い放った。
「.....あんた、明確な目的もなくやってたの?」
レーシャが呆れたようにジト目でそう聞いた。
「そうだけど?え、ダメだったのか!?」
ま、まぁ、魔物を狩れば経験値が入るし、成長はするだろう。それに今回エリックには確率変動者の修正が入っていない。そのかわり、エリックは明日ゴーランさんの回復魔法の講義を受けることになった。
ステータスも全体的に上がっていたが、スキルが増えていたりはしなかった。
「まぁ、頑張ったんだな。エリックは明日頑張ろうな」
「はい!」
「じゃあ次は私ね.....私はちょっと性格の悪い魔法を二つほど覚えたの.....」
レーシャは少し微妙な顔をした。
「悲観することは無いさ。新しい魔法っていうのは新しい発想をしたってことだ。固定観念に囚われないのはすごくいい事だと思う。新歓討議大会、期待してるぞ」
「っ!任せてください!」
「じゃあ次は僕が.....僕は休む暇もなく魔物に攻め続けられてました。最初はかなり攻撃を受けてしまったりもしたのですが、少しして慣れてくると視野を広く保ち上手く立ち回れたと思います」
モルトは俺が見た時にはかなり上手く立ち回れてたからな。だが予想通り最初は体力を切らしてしまっていたみたいだな。
「そうか、大変だったな。でもかなり体力はついたんじゃないか?」
「そうですね。最後の方は疲れを感じなくなって来てました」
それは体力のステータスと関係なしに限界突破しただけじゃ.....?と思ったが口に出すのはやめておく。
「先生!私は『空間把握』っていう魔法を手に入れて敵の位置情報を把握しながら立ち回れるようになったよ!」
「みんなしっかり成長したな」
「ライリーはどうだったんだ?」
エリックが最後に残ったライリーに聞いた。
するとライリーは少し誇らしげに口を開き、
「ふふふ、僕は属性が増えましたよ!闇と光の二つ!」
「属性が増えた.....?それは本当ですか?」
モルトが不思議そうにそう聞いていたが、本当なのだから仕方がない。
「うん、色々とあってね」
「ライリー!おめでとう!念願がかなったね!!」
レーシャはライリーがずっと頑張ってきたことを知っていたのか、ライリーと一緒にとても喜んでくれた。
こうして、今日の課外授業は無事(?)終わりを告げた。




