第87話
「えっ、だってこれっ!属性値とか全部9が9個並んでますよ!?それにほかのステータスだってだいぶおかしいですし.....レベルだって143って!さすがにこれは不具合ですよね?」
「いや、全部本物なはずだ。クルセイダーっていうジョブで(耐)57って書いてあるんだろ?」
ライリーは俺の顔で口をポカーンと開けただただ驚いている。
「てことは.....コレ全部本物ですか.....それにこれ、転生神の加護って.....これも999だし.....」
「ま、まぁできればそこはあまり聞かないでくれ。とりあえずスキルとステータスを理解してくれればいいんだ」
ライリーにはあの加護を見られたが今回は誤魔化すことにした。
「とりあえず把握しました.....この二本の剣を主軸にして戦えばいいんですね?」
「そうだ。調整を誤って魔法を撃とうものならここら辺一帯が吹き飛ぶからな」
「やっぱりおかしいですよこのステータス.....」
「よし、じゃあそろそろ行くか。早くしないと授業が終わっちまう」
「分かりました」
自分が自分に敬語を使っているのがなんだか凄く違和感があり、とてもこそばゆい。
「先生、この先に何がいるんでしょうか?」
「んー、それは俺にもわからないかなぁ、なんせ自動精密探知がないし.....気になるなら使ってみるといいぞ?まぁ、魔物が待ち構えてるっていう固定観念があるから何かが居るかもしれないって考えになるんだし、気楽に行こう」
「そ、それもそうですね」
充はそうライリーに諭しながらも、試練だと言うくらいだから何かはいるんだろう、と考えていた。
「うーん、サーチがないってすごい不便だな。いっその事作るか」
「イメージ次第でなんでも.....でしたっけ、自分もできるようになりましたけどだいぶおかしい魔法の使い方ですよね」
「なんとでも言うがいいさ。結局は使えたもん勝ちなんだからな.....ウインドサーチ!」
この魔法は風の波動を飛ばして反射してくる波により擬似的にサーチを再現した。今回は両側が通路の壁なので前方に遠くまで飛ばすように魔法を放ってみた。
「ライリー、この長い通路ももう少しで終わるみたいだ。だけど何か居る.....というか何かあるから気をつけて進んでいこう」
「は、はい」
ライリーは剣の柄を握り締めながら額に汗を浮かべ、緊張した面持ちでいた。.....まぁ、俺の姿なのだが。
「ライリー、あまり緊張しなくていいぞ。俺のステータスなら数回ダメージ受けた所で痛くも痒くもないからな」
「うっ、ごめんなさい。体が固くなってました.....」
ライリーは一度深呼吸をして、体を落ち着かせる。
「っと、そろそろ見えてきたな。あれがさっき俺のサーチに反応した物だな」
それは直径2、3メートル程の真っ黒い球体で、静かに部屋の中心に佇んでいた。
「あれはなんなんでしょう?」
「さぁ?近づけばわかるだろう」
そして俺がその通路と部屋の境目と思われる場所を超えた途端、その球体は浮き上がり俺の足元に巨大なクレーターを作った。




