第82話
「ふぅ、だいぶレベルも上がったんじゃないかな」
僕はかなりの量の魔物を狩り終わり、数値としてみることは出来ないが、それなりに成長を実感出来ていた。
「このまま光属性と闇属性が使えるようになったらなぁ、なんてね.....はぁ.....」
その自分の言葉に呆れ、ため息をこぼす。
今までだって僕は自分が使えない属性である、闇属性魔法と光属性魔法の授業にもでてきた。
『もしかしたら使えるようになるかも』などという淡い期待を抱いていた。だが、どれだけ授業を真面目に受けようとその魔法は使えるようにならなかった。
そして、ようやく光・闇属性をあきらめ、既にある四属性をさらに、使いやすくしようとし始めたのがたった数ヶ月前だ。
「充先生に出された宿題には今までの思いが溢れてきちゃってあんな事書いちゃったけど.....」
無理だとわかっているのにどこかに希望を見出そうとしている自分に嫌気がさし始めたその時だった。
「うっわぁぁ!?」
ぼーっとしながら歩いていたら深い穴に落ちてしまったみたいだ。
今も尚、落ち続けているが、この穴の底が見えてこない。
「何とかしないと死んじゃうよね!?」
そう考えた僕は即座に、自分の下に水属性魔法を発動した。
(お願いっ!耐えて!)
僕はぎゅっと目を瞑り、次に来るだろう衝撃に備えた。
すると一瞬、分厚い膜のようなものを通った感覚があり、自分の体が減速していくのを感じた。
恐る恐る目を開けると、そこには真っ白な部屋が広がっており、まるで例えるなら.....そう、
「天国に来ちゃったみたい.....」
だが、その真っ白な部屋は奥に続く廊下が見て取れ、ライリーはその廊下を進むことにした。
「この壁はなんの素材でできているのかな?」
ライリーは無意識のうちに壁に右手を当てながらその長い廊下を歩き続けていた。
「ん?なんだろ、これ」
今までずっとすべすべの肌触りだった壁に突如凹凸が発生した。
ライリーは一旦立ちどまり、その壁をよく確認する。
その壁には6つの窪みがあり、その横には白い壁に彫り込まれているので分かりづらいが、文字が刻まれていた。
「なになに.....?『その力を示すもの、この先の試練に挑め』.....?」
その文字に僕は首を傾げることしか出来なかった。
その窪みは六角形の形をしており、なにかをはめ込むような形をしてある。
「はめ込むって言ってもなぁ.....特に何も持ってないし.....」
僕はポケットを裏返して何も入ってないことを確認し、ため息をつく。
「とりあえずミツル先生が気づいてくれると思うし元いた場所まで戻ろう」
僕は今度は左手を壁につけて元来た道を戻ることにした。




