第80話
今回はレーシャ視点を少し見ていこうと思います。
「うぅ.....こんな魔法思いつくなんて私やっぱり性格悪いのかなぁ.....」
私は先程倒したオークを見て、そう呟く。
とりあえず私は冒険者ギルドには入っていないが、オークには何かと使える部位が多いので、解体作業を始める。
「オークの眼球は錬金術師さんが必要だって言うし、お腹の肉もあまり知られてないけど普通に美味しいんだよね.....?」
私は必要な部分だけ剥ぎ取り、腰にぶら下げてある時空魔法の付与された小さなポーチに仕舞っていく。
このポーチの中は時間がゆっくり進み、小さな部屋くらいの容量がある。
「よしっ.....とりあえずこれでいいかな、次の魔物を探さないと.....」
私は森の中に居る様々な妖精に次の獲物となる魔物の場所を教えてもらい、その方向へ歩いていく。
「あーあ.....私闇属性魔法が嫌いなわけじゃないんだけどどうしても陰湿な魔法ばかりが揃ってるわよね.....」
そう呟きながら先程の魔法を思い浮かべる。
「コラプション.....凶悪な魔法すぎるわよ.....」
この魔法は発動した対象の心の闇につけ込み、だんだんと堕落させていき、最終的に術者の思いのままに操れるようになる。
先程のオークは初手で片方にその魔法をかけ、効果が現れるまでは逃げに徹し、発動と共に攻勢にうつる、という立ち回りだった。
そもそも、この魔法を思いついた理由はレーシャがこの森で行った最初の戦闘にある。
時は少し遡り、レーシャはレッドウルフの変異種である、ブラッドウルフとその取り巻きのレッドウルフ4匹、合わせて5匹と戦っていた。
「くぅぅ、すばしっこい!特にあの深い赤色の奴!スピードが尋常じゃない!」
ブラッドウルフがリーダーとなり、統制の取れた動きをするレッドウルフ達だった。
だが、レーシャが牽制ではなった闇属性魔法を躱そうとしたレッドウルフがブラッドウルフのいる方向に移動してしまい、体当たりする形となった。
その瞬間、ブラッドウルフはレッドウルフをギラリと鋭い目付きで睨み、そしてその首を噛みちぎった。
「うわっ.....ちょっとぐろいかも.....っ....!!」
ここで私の脳内にイナズマが走ったようにひらめいた。
「私は闇属性魔法使いだし精神に干渉して今みたいな喧嘩を意図的に起こせないかな!」
これが成功すれば群れの魔物の処理が格段に楽になる。
「よし!じゃあとりあえずどうしようかな、恐怖を植え付けてみようかな」
一度そうしてみるが、こちらに対する攻撃の手を弱めただけの結果となった。
「うーん、違うのかなぁ.....いっそ心が操作できれば.....」
ここで2度目のひらめきが起こる。
「.....心が操作できないってなんで決めつけてるんだろ」
そのことに気づいてからは早かった。
相手の心の闇に種を植え付け発芽するのを待つだけの簡単な魔法。
それが、コラプションと言う、凄まじい魔法だった。
50万PVありがとうございます!




