第8話
短めです
俺は、帰りは少しゆっくり駆け足で帰ることにした。
(あの魔法はだいぶおかしいよな.....)
あの明らかにおかしい威力の魔法が発動した。
やっぱり魔法を使う時は属性値を下げなければだめだろうか。
(いや、でもなぁ.....属性値をほかの使わないやつに移動させて1にしたとしても、88000の威力は固定なんだよなぁ)
さて、どうしたものか。まぁしばらくはジョブをシーフやアサシン、双剣術士なんかのジョブでやっていこうか。
てか剣が二つないから双剣術士は無理だな。とりあえず今はアサシンにしておく。
さて、あともう少し走れば北門が見えてくるだろう。
門に着き、入国審査の列に並ぶ。正直俺が本気を出せばレッドウルフの場所まで行って帰ってくるのに1分かからないからここに並んでいる時間の方が長いことになる。
そして10分ほどして、ようやく俺の番が回ってきた。今度は門番に止められることもなくすんなり通ることが出来た。
「さて、とりあえずテルーナとリンの様子見がてら依頼達成報告してくるか」
冒険者ギルドに歩いていく。その途中、出発前に食べたホーンラビットの肉を焼いている屋台のおっさんがまだ肉を焼いていた。
「おぉ、おっさんまだ肉焼いてたのか」
「ん?あぁ、お前さんか。いや、もう店仕舞いだ。明日もここで何かの肉を焼いてるから、食いたければ来てくれ」
「何かの肉?ってことは日替わりなのか?」
「まぁそうなるな」
おぉ!じゃあ1日の楽しみがまた増えたな!
「よし!おっさん!俺は毎日食いに来るからな!」
「おお、それはありがたいな!」
「じゃ、おっさん。また明日来るわ!」
「待っとるわ」
そしてようやく冒険者ギルドに着く。
「おーっす。あのふたり目覚めましたかー」
「誰かと思えばミツルか。2人とも多分目が覚めてるぞ。さっき部屋から声が聞えたからな。さっさと会いに行ってやれ」
「あぁ、わかった。依頼達成報告が終わったら行くわ」
俺は依頼達成報告をした後、2人を運んだ部屋に足を運んだ。
「失礼しまーす.....っと、調子はどうだ?」
どうやらギルマスが言った通り2人とも目が覚めているようだった。
「あっ、ミツルさん!」
「あっ、あのっ...」
テルーナは元々疲れが溜まってただけだから大丈夫そうだが、何やらリンが口をぱくぱくさせてなにか言おうとしていたが俯いて黙ってしまった。
「えーっとだな.....一応回復魔法をかけた側としてはそっちの容態を聞きたい訳だが.....どうだ?」
「あ、あのっ、あのあの」
少しリンの様子がおかしい
「ん?大丈夫か?顔も赤いしまだ毒が残って熱が出てるんじゃないか?」
俺はリンの額に手を当てる。
「はっはわわわわ!」
なんか奇声を上げているが今はスルーだ。
「んー.....熱はないっぽいぞ?まぁどっちみちしばらく安静にしとけ」
俺がそう言うとリンは布団を頭から被ってしまった。
「なぁ、テルーナ。俺なんかまずいことしたか?していたなら教えて欲しい。謝らなきゃいけないからな」
「いやぁ多分大丈夫だと思うよ?むしろご褒美なんじゃない?」
「今の一連の動作のどこにご褒美要素があったのか教えて欲しいのだが.....」
「まぁ気にしなくていいんじゃない?」
「テルーナがそういうならそれでいいんだろうが.....」
「テルでいいよ」
「テル?あぁ親しい人はみんなそう呼ぶって言ってたな」
「そそ、だからミツルもてるって呼んで。私もミツルって呼び捨てにする.....というかもうしてるし」
「そうだな。じゃあこれからはテルって呼ばせてもらうわ」
「で、親しくなったところで1つお願いが.....」
こいつこれが目的だったのか。
「まぁ俺に出来ることなら手伝ってやらんでもないが.....」
「そう言ってくれると思った!でね、そのお願いって言うのがね?リンを苦しめたデスポイズンフロッグを討伐したいの!」
.....なんていえばいいんだ。
「えー.......っと.....多分そのカエルってめちゃくちゃでかいやつだよな?」
「そう!もしかしてミツルも襲われた!?」
「いや、襲われてはいない。むしろ襲った.....」
「え?」
「非常に言い難いんだが、そのカエル多分俺が新しい武器の試し斬りに使った。いや、門番の話からしてテル達と無関係ではないだろうから仕返し程度には、考えてたけど自分達で倒したいって言い出すとは思ってなくてな.....」
「えっと...まって少し整理するから。まずそのデスポイズンフロッグはパーティを組んで討伐したのね?」
「いや、1人で後からサクッと.....」
「は!?いやいや!おかしいでしょ!?あれはBランクの魔物よ!?初心者のあなたに討伐って!?」
「いや、一応ギルマスを倒したからBランクなんだが.....」
「.....もう何も言わないわ」
「えーと、すまんな」
「気にしないで。リンも無事だったから別にこれ以上望むことは無いわ」
「そうか。じゃあ俺はもう宿に戻るから。店主には俺から言っておくから、今日はここに泊めてもらえ。ギルマスも許可くれるだろ」
「そうするわ。じゃあまた明日」
「おう、じゃあな」
俺はその部屋から出て、扉を閉めるとほっと息をついた。
「何となく人との長い会話って苦手なんだよなぁ.....」
そしてミツルは宿に戻るのだった。
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