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属性値チートで異世界無双  作者: 陽兎月
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第7話

「どいてろ。治してやる」


 そう言って、テルーナの肩に手を置いた瞬間テルーナは気絶した。

 一瞬戸惑ったが、気が抜けて溜まってた疲れがどっと出た感じだろう。


「さてと.....」


 まずはギルドカードを出し、回復に特化したジョブの大賢者に変える。そして闇属性の属性値を0にして、その分を光属性に振る。

 今の状態はこうだ。


 ーーーーーーーーーーー


 光・・・999,999,999→999,999,999+

 闇・・・0


 ーーーーーーーーーーー


 と、こんな感じだ。どうやらこの数字がカンストらしく、それを超過すると+で表示されるらしい。

 こんなに属性値必要ないかもだが、念には念をってやつだ。

 なんとなく回復魔法って光属性依存な気がするからな。


「よしっ。準備オッケー」


 ところで.......

 解毒魔法の呪文ってなんだろう......

 いやっ、イメージでどうにでもなるはず!

 解毒....げどく......GEDOKU..........リフレッシュとかでいいか。

 それじゃあ早速!


「リフレッシュ!」


 リンの体が青い光に包まれていく。そして、その光は凄まじく、直視など出来ないほどだった。


「くっ.....」


 光が止むと、真っ青だったリンの顔に赤みが戻り、正常な呼吸をしている。


(ん.....?)


 何か違和感を覚えたが、ひとまず置いておく。


「これで暫く大丈夫だろ」


 と、そこでギルマスが、

「俺もあんなふうに治療されたのか.....」

 とか言ってたが、何も変なところない気がするのは俺だけなのか?


「一応この2人を休ませないとな。どこか安静にできるところはあるか?」


 ギルド内は耳が痛くなる程シーンとしていたが、次の瞬間、


「うおおぉぉ!!すげぇ!あんちゃんかなりの回復魔法の使い手だったのか!」


「今の魔法ならほとんどの傷を癒せるんじゃないか!」


 など訳の分からんことを叫び始めた。

 とりあえずそっちは無視して、リンとテルーナを安静にしたいんだが。


「休ませたいならギルドの休憩室を使うといい。確かベッドも二つほどあった気がする」


「おお、じゃあそこを使わせてもらうよ。じゃあギルマス。運ぶの手伝ってくれ。しっかり丁重に扱えよ?」


「はいはい」



 両手に1人づつ持てないこともないがレディにするべき対応ではないと思う。


 まぁ、とりあえずこれで一件落着か。

 再度テルーナとリンの呼吸が安定したことを確認し、俺はほっと一息ついた。


「じゃあギルマス、俺は依頼をこなしてくるわ」


「おう。気をつけてな」


(っと....そうだ。属性値戻しとかないとな。)


 するとステータスに奇妙なことが起きていた。


 ーーーーーーーーーーー


 荒木 充 (15)


 ジョブ・・・大賢者(20)

 レベル ・・・34


  HP ・・・84,000/84,000

 物攻・・・34,000

 魔攻・・・880,000

 魔力・・・880,000/880,000

 防御力・・・94,000

 俊敏・・・54,000


 属性値


 火・・・999,999,999+

 水・・・999,999,999+

 風・・・999,999,999+

 土・・・999,999,999+

 光・・・999,999,999+

 闇・・・999,999,999


 スキル


 鑑定

 疾駆


 固有スキル


 属性値操作



 加護


 転生神の加護+999

 時の女神の加護+999


 ーーーーーーーーーーー


「.....はっ?」


「ん?どうしたミツル」


「あぁ、いや、何でもないんだ。うん。問題ない」


「そうか?ならいいんだが。」


 さっきの違和感ってこれだったのかー。あははは。やばいなぁ。いやいやいや!問題ありありだろ!?


 しかもこの成長率.....1レベル上がるごとに1000づつステータスがアップしている!?魔攻と魔力に至っては2000づつアップしているだと?元々人外だったんだから人外限界突破してんじゃねぇ!!


 そして一つ言いたい。俺はまだ闇属性を0から元に戻してない。このことが示すことそれはつまり......34レベル上がっただけでカンスト+が付いたということ。


 オマケになんだよ?さっきの回復魔法1回でジョブレベルカンスト!?イージーモードにも程がある!何でこうなった?いや、一つ心当たりがある......


 転生神の加護+999・・・転生者・転移者に与えられることがある。+値が高いほどステータスと成長率に恩恵を受けられる。


 これだろ!絶対これだろ!


 てか待てよ。ジョブレベルこれカンストしてるってことはほかのジョブでもカンストしてる説。あぁ考えたくない。ギルドカードを見たくない。でも見ない訳にはいかない。


 ギルドカードの、ジョブ欄を長押しする。


 ○マジシャン(20)


 ○ウォーロック(20)


 ○魔術師(20)


 ○魔法剣士(20)


 ○双剣術士(20)


 ○バーサーカー(20)


 ○魔道士(20)


 ○大魔道士(20)


 ○賢者(20)


 ○大賢者(20)


 ○シーフ(20)


 ○アサシン(20)new


 はぁぁ.....だよなぁ....こうなるよなぁ......


 しかもアサシンなんていつの間に.....ってティナちゃん助けた時か......スキルの疾駆も同じだろう。


 俺は今後のことを考えつつ、当初の予定のレッドウルフ討伐に向かう。


ギルドでのごたごたも収まったのでいざ魔物討伐!と思ったのだが......


「腹減ったな......」


 もう既に太陽は真上にのぼり、お昼時を知らせている。

 道端の屋台は活気づき、肉を焼くとてもいい匂いもしてきた。


「腹が減っては戦はできぬってな」


 そうして充は焼き鳥らしき屋台に向かう。

 店主は筋肉が盛り上がっている渋いおじさんだった。


(ん?これは鶏肉じゃない....のか?)


 なんとなくそんな気がして店主に聞いてみることにする。


「おじさんこれなんの肉?」


「これはホーンラビットの肉だ。今日の朝生け捕りにしてきて、さっき血抜きしたばかりだから新鮮でうまいぞぉ!」


 ホーンラビットか.....冒険者ギルドの依頼の掲示板にそんな文字を見かけたような見かけてないような。

 でも魔物の肉って大丈夫なのか?


「魔物の肉を食って大丈夫なのか?って顔してるな?」


「おじさんエスパーか?」


「いやな、魔物の肉って聞くと、微妙な顔するやつが多くてなぁ」


「俺そんな顔してたか?それは済まなかった」


 そんなわかりやすい表情になってたのなら少し気をつけなければ......


「謝るくらいなら肉を買ってくれ」


「よし分かった。んじゃ1本くれ」


「銅貨3枚だ」


 俺は店主に銅貨を3枚差し出す。


 いざ魔物の肉を目の前にすると少し気が引けてしまう。


「じゃあ頂きます」


「おう!がぶっといっちまえ!」


「!!」


 なんだこれは!噛む度に肉汁が溢れ出てくる。しかも焼き加減も絶妙だ。

 このおじさんなかなかいい腕前をしている。

 ずっと一人暮らししてて、手料理が得意だった俺が言うのだから間違いない。


「おじさん!これあと10本くれ!」


「まいどありっ!」



 あぁ、めっちゃ美味かった。また明日買いに行こう。さてそろそろ依頼に向かうか。


 確かレッドウルフの生息地って北門を出てしばらく行って、沼地を超えたあたりにあるアルカの森だとか言うところだったか。

 じゃあ早速向かうとするか。


 門をくぐって外に出る。その時にもギルドカードによる身分証明が必要らしい。

 その身分証明をする人の長い列が出来ている。


 そして、ようやく俺の番となった。

 ギルドカードをみて、問題なしと判断したのだろう。

 ギルドカードを返してもらい門を出ようかと思った時、門番に呼び止められた。


「あの、冒険者の方ですよね?」


「はい、そうですが?」


「あの、片方毒を受けて、片方満身創痍の女2人組がどうなったか知らないか?」


 もしかしなくてもテルーナとリンの事だろう。


「あの2人なら解毒魔法を使える人がたまたま冒険者ギルドにいて、無事ですよ」


 と言った。わざわざ自分がやったとひけらかす必要もないだろう。

 それを聞いた門番はほっと息を吐き、


「ありがとうございます。それを聞ければ十分です!あなたもお気をつけて!」


「ありがとうございます。気をつけて行ってきます」


 そうして昨日ぶりの門の外に出た。


(よしっ。レッドウルフの場所まで駆け足で行くか。)


 駆け足と言っても常人の全力疾走より早いのだが。


(あ、でもどこにレッドウルフがいるか分からないよな....)


 どうしたものか。


 「そういう魔法を作ればいいじゃん!」


 そうだ。せっかくの長所なのだからどんどん使っていかないと損って言うもんだ。

 早速俺は、魔法を作ろうとする。


(今回は探知魔法だろ?んー.....常時展開できると良いんだけど)


 探知だから安直にサーチとか?


 「サーチ!」


 すると、かなりの広範囲の状況が分かる。


 「おおぉぉ.....」


 これはかなり凄いな。地形だけではなく、生物がいれば恐らく魔力を探知してその存在が確認できる。しかもこのローブの相乗効果でその生き物のおおよその形までわかる。

 その中に一際大きな反応がある。位置的に沼地のど真ん中だ。


(この大きな反応......あの2人と関係ないわけないよなぁ)


 あの2人は門番が目撃していたことから北門側の依頼を受けたみたいだし、リンは毒状態だった。

 沼地=毒みたいなイメージが強いのは何も俺だけではないだろう。


(レッドウルフ討伐のついでに、仇討ち....というか、まぁ死んでないからしっぺ返し?をしに行くのもいいかもしれないな)


 充はそう決めるとその大きな反応がある方向に向かって走る。

 そして数分走ったところにいたのは巨大な蛙だった。


(なんだこのでかさ!?俺の知ってる蛙はもっとちっこくてかわいらしい奴だった気がするんだが)


 その蛙との距離はおよそ100メートル。

 向こうはこちらに気づいておらず、こちらに背を向けている。


(ここから魔法をぶっぱなして仕留めてもいいんだが......)


 俺はギルドカードを出す。そして職業欄を長押しし、とある職業に変える。


(やっぱ使いたくなるよな!厨二心くすぐられるよな!)


 充はデスポイズンフロッグに駆けていく。


 デスポイズンフロッグとの距離は残り20メートルほどだ。

 普通なら気づかれる距離であろう。

 だが、まだ気づかれていない。それは何故か。


(やっぱりこのジョブの効果って.....)


 そう。充がとあるジョブを適用しているせいである。


 そして、デスポイズンフロッグとの距離がゼロになった瞬間充の手によって、1つの命が刈り取られた。


(やっぱりアサシンって暗殺者.....要するに気配遮断なんかが強化されるのか)


 さて、デスポイズンフロッグを狩ることに成功した訳だが.....


「俺こいつの討伐証明部位知らねぇんだよな.....」


 こいつを全部持ち運ぶわけには行かないしなぁ.....


「あっ、あのゲームのアイテムボックス的な魔法作れないかな。でも何属性が元になるんだろうか。ブラックホール的なイメージがあるし、闇属性か?とりあえず使ってみるか」


 俺はゲームの無限に物が入るアイテムボックスを強くイメージする。


「アイテムボックス!」


 すると、俺のすぐ前に黒い穴ができた。


「なんだこれ.....なんかとてつもなく禍々しいオーラを感じるのだが」


 とりあえず実験として、そこらへんの小石を黒い穴の中に入れてみる。


「これで取り出せればいい訳だが.....おぉ、出てきた!これすげぇ便利だな」


 どうやら中に入れたものを強くイメージすると出てくるらしい。


「んじゃこいつ(デスポイズンフロッグ)も入れちまうか」


 そして充がデスポイズンフロッグを入れようとすると、元々充の腕より少し大きいかなくらいだったアイテムボックスがデスポイズンフロッグを飲み込むほど大きくなる。


「よし。何とか入ったな。じゃあ当初の目的のレッドウルフを狩りに行くか」


 そう言うと、充は全速力でレッドウルフの反応のする方向へむかう。


 そして4、5分走り、レッドウルフを見つけた。


(あれがレッドウルフ.....名前のまんまかよ)


 そう。そこには赤い狼がいた。


「じゃあ今度は魔術師の範囲魔法で片付けてみるか。呪文は何がいいかな。森を燃やしたくないから、土か水か風がいいな。じゃあ.....ウインドブレス!.....とか?」


 すると、俺から半径100メートル程に暴風が吹き荒れる。もちろんその範囲の中にいるレッドウルフは風圧に挟まれ、絶命した。


「おいおいおい...」


 なにはともあれ目標達成した充は、レッドウルフの討伐証明部位の耳を剥ぎ取り、残りはアイテムボックス放り込み、帰路についた。

面白かったらブクマ、評価お願いします!!

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